第一話 その29 まだ気づいてない
最後の最後まで!馴れ馴れしい態度のちゅん助に少し腹が立ったが、ジュセルは全く気にしていない様子で去っていったのが救いであった。
アリセイの町は規模的に千人程度だろうか?小さな町であったが寂れた感じは全くせず、むしろ夕暮れ時だというのに活気がある様に感じた。
あのグソクという蟲の経済効果がこんな町まで波及しているのだろうか?
教会へと続く道の脇では至る所で賑やかな人の集いが見られた。
これほど活況なのに俺達が目覚めた場所近くには人通りが無かった事を考えると、ここアリセイの町までがグソク経済効果の圏内なのだろうか。
ジュセルの故郷の村までは歩きで1週間、馬車でも3、4日はかかると言っていた。そこに影響が及んでいないらしい事を考えると、交通手段は馬車が主で貧弱なためかもしれない。
「しかしジュセルさん、若いの若いのって俺」
「そんなに未熟に見えたのかな?」
「は?」
俺の問いかけに頭上のちゅん助が不思議そうに返してきた。
「いや、だからさ俺達、ってお前はその姿だから別にして…」
「俺は別に若くはないだろ?」
ピョン!
頭上からちゅん助が飛び降りて、下から俺を怪訝そうな表情でじっと見つめている。
「おまえ、それマジで言ってんのかお…?」
「マジも何も俺ら46だぜ46!」
「………」
「おっさんだろ?」
「まだ気付いてないんか?」
「気付くって何が?」
「………」
「まあええわ」
ちゅん助はそれ以上は何も言わずに再び俺の頭上に陣取ると、ポカッと俺の頭を叩いた。
「イテッ!」
「まったく、おまえばっかSSR引きよってからに!」
「わしはこんなんだというのに!」
「わしもSSRあまぐもちゃん引きたかったお~!」
「今ゲームかんけーねーだろゲーム!」
「美少女の恨みは恐ろしいお…」
「だとしても俺は悪くない件」
「まあええわ!顔でも洗った時にその顔をしっかり見てクレメンス」
「なんだそりゃ、変なシールでもはっつけただろ!」
「ふん!」
こんばんは。ちゅん助です。
暑い暑い今日も最後までお読み頂き有難うございます。
ラノベのちゅん助はイズサンの頭を小突いてますが、現実ちゅん助は今日は昼から図書館に携帯PCを持ち込みラノベを書いてました!家にいるとエアコン代がかかりますからな!
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であまた次回!




