プロローグ その5 血が出る
「たのしいなあー!ちゅん助!あはははははあー!」
「おい!?」
最悪のケースを想定してちゅん助は警告を発した。にも関わらずイズサンは全く聞く耳を持たず、暴走とも言える勢いで狩り進んでいった。狩りが順調過ぎて、いくらかハイになっているとはいえ、いつものイズサンとは思えない、かなり不用心な行動に思えた。
「言う事聞けって!おまえ!」
「車の運転でもわしの助言をいっつも無視して!」
「しょっちゅう裏にハマっとるやないか!」
「車ー!?この世界では車関係ないだろ!今は楽しい狩りの時だぞー!」
ちゅん助はなんとか説得を試みるもやはりイズサンは聞く耳を持ってはいなかった。
「おお?今度は赤かよ信号かよ?こいつらw」
今まで灰色ばかりの個体だったのに、今日に限って青、黄、そして今、赤の個体の群れが…
ちゅん助は嫌な予感がしてならなかった。
「赤はやばいお!」
「赤はエースと相場が決まってるんだお!」
「大体!今日は見た事ない色がこんなに次々と!おかしいお!」
灰色を狩り進む中、左方向から今度は赤味がかかったグソクが数匹こちらへ向かってきている。
「キー!」
「キー!」
「キー!」
三匹の赤い個体は一斉にイズサン目掛けて飛び掛かってきた。色味に合って好戦的な個体が多いのだろうか?
だがこいつらもやはり動きが遅い。
灰より複雑な動きはしていたが青い個体に比べればどうという事のない速さ。
突き、バックハンドの切り払い、フォアの薙ぎ。
ライジャー流を色濃く反映した無駄のない突きと斬撃が鮮やかに決まり、ドサドサ、ドサッと音を立てて赤いグソク達が地面に墜ちた。手応えや弱点は灰と全く変わらない。ただし一点だけ灰や青と明らかに違う部分があった。
「血が出るのかよ!」
今まで倒した個体は体液らしき薄く白い液体を滲ませていたが、赤は鮮血と言っていい程の真っ赤な体液を多量に垂れ流した。三匹倒しただけなのにイズサンの剣が剣身はおろか手元の柄までべったりと血液が付着し真っ赤に染まりその量の多さを物語っていた。
鮮やかな赤の体液には不似合いな粘度でべったりと付着し、その粘度の高さからか、噴き出したり飛び散ったりする様な事は無かったため、返り血を浴びる状態にはならなかった。
そのため体液による汚れは剣だけで済んだ。これ程のべったりとした液体では、まともな洗剤が無いこの世界では洗濯もままならないと感じた。
「剣が汚れたな!」
そう言ってイズサンは剣をビュッと空中で振って付着した血液を払い落としたが、それでも剣身は赤く染まっていた。
「気が済んだかお!?いい加減に戻るお!赤は止まれだお!」
「まあ、まだ行けるけど…潮時か」
「やれやれ」
ここに来てようやく退却の意志を示したイズサンにちゅん助は少し安堵した。
隊からはかなり離れてしまって、さらには灰が後方の退路に展開し始めてはいるが今から戻れば相手は雑魚蟲、今までのペースで倒して戻れば簡単に隊と合流できる…
はずだった…
「えっ!?」
こんばんは。ちゅん助です。
今回もお目通し頂きありがとうございます。
ラノベのちゅん助はほっと一安心と思いきや…ですが現実のちゅん助は本日雨のため映画館に
気になっていた
ディアファミリー
かくしごと
の2作品を鑑賞!どちらも泣ける名作でした。
ディアファミリーはバルーンカテーテルの改善にあの様な秘話があったとは…
魂の仕事、情熱と使命は時に科学を医学を飛躍的に進歩させるのと対して医学界の村社会のやるせなさが対照的でした。
大泉洋はコミカルなイメージが強いですがこの作品ではその様な空気全く感じられず熱演。流石役者と言ったところでしょうか。
かくしごとは最後の「僕のお母さんは…」の一言に、ここに集約されます。父親との確執、息子の死など複雑な環境にある女性役を杏が演じております。
この杏さん若い頃、自分の生涯でいち推しだったグラドル吉木りさという方と同系統の顔をしていると思うのですが、どうも杏さんの方は苦手な感じがする女性だったのですが、劇場版東京MERで妙に雰囲気ある女性を演じていたなあという印象になってきてキングダム、そして今日鑑賞していい俳優になったなあと感心しきりでした。プライベートで色々あった様に記憶してますが、彼女はきっと経験を役に活かせるタイプの俳優なのだと思います。今後も注目ですな
さてさて、ちゅん助のモチベーションアップのためこのラノベは皆さまのブックマーク、感想、評価、いいね等を強く欲しております!少々の時間を割いてご協力、ぜひお願いします!
であであ