第一話 その4 ミスモとアルザス
一方で自分はと言えば至って普通の健康状態であり、少々の無理が利いてしまうため今日みたいな残業と激務を強いられる事が常だった。
健康
この点について俺達は対照的であったが、40歳超えるとなかなか堪える事が増えて来てちゅん助の言い分も分からんではないのだ。
「待たせて済まなかった、支度してくれ」
「わしの準備はとっくに済んどるわ、荷物二つ載せ変えるだけなんだお」
そう言ってちゅん助はリュックと大きめのバッグを取り出すと俺の車に積み込んで即座に乗り込んだ。
「見せてもらおうか!ミスモの電動パワートレインコンパクトカーの性能とやらお!」
「お前、何回も乗ってるだろ…」
「こういうのはふいんきが大事なんだお!ふいんきが!」
オタ趣味と掲示板に末期的に毒されているらしいちゅん助は、毎度毎度乗るたびに今回も同じ事を言う…
深夜の国道をしばらく走ると程なくして高速道路に入る。
「どうだい!我がミスモ自動車の高速の乗り心地は!モーター駆動でスムーズだろ!」
「乗り心地が良いのは……貴様のその車の性能のおかげだという事を忘れるなおw!」
「負け惜しみを!」
オタク二人のいつもの会話だ。
「今日の予選、明日の決勝、どこが獲るかお?」
「ミスモの本野のポールトゥウィン!」
「はあああああ!!!?させるかお!アルザス自動車のエース立脇の記録更新だお!」
「GTレースの観戦者の半分はミスモのGT-VRの勝利を見に来てんだよ!」
「ニッポンのシェア4割はアルザスなんだお!」
「ミスモ!」
「アルザス!」
好みに於いて全く違う二人のいつも通りの言いあいだ。
「さておきちゃーんと今年はラヴァー新劇場版の完結編公開してくれるんだろうなお?」
ちゅん助の話題はいつも唐突にあさっての方向に飛んでいくのが常だ。既に明日のレースの話は頭にないらしい。
「そりゃ年末公開決定!ってプレスリリースしたからには今度は大丈夫なんじゃないか?」
「アスカは!我がアスカはちゃんと活躍するんだろうなお?」
「そりゃ監督じゃなきゃ分からんだろ」
「はよう!はよう!ちゃんと監督仕事してクレメンス!」
「まあ追い込みには入ってるだろうけど?」
「アスカ、今回はちゃんと活躍させてクレメンス!」
「だから監督の思惑でそんなのどうにでも…」
「活躍させてクレメンス!」
「わしアスカ派極右政党党首!茅波派の抹殺を決意!」
「好き嫌いで殺すな!」
「はよう!はよーう!アスカ活躍させてくれないと…」
「活躍させてくれないと…」
「わしは…」
「わしは」
「わしは!」
「わしはおっさんになってしまうんだお~~~www!!!」
「いや、もうなってるから…」
毎度毎度のちゅん助のこのネタももう30回以上。いい加減に飽きているのだが…ちゃんとツッコまないとちゅん助が拗ねるので優しい俺は見捨てず毎回付き合ってあげてるのだ…
40半ば…
子供の頃、この年になればもう、立派な大人だと思っていた。しかし、実際にその歳になると分かった事がある。大人というのは言う程、大人ではなく、大人を演じているか、大人である事を強要されているか、仕方なく大人のふりをしている…だけであった。自分も例にもれずそのどれかなのだろう。
だが!
そんな俺から見てもちゅん助のこのガキっぽさは異常だった…
こんにちは。ちゅん助です。
休日の今日でも最後までお読み頂き有難うございます。
ラノベのイズちゅんはミスモの車で高速を走ってますが、現実のイズちゅんはコードギアス奪還のロゼ第3幕を見てブロンコビリーに行ってきました。
ブロンコビリーはお店初となる夏の福袋目的で行ったのですが、10時から販売という記述を見ず、開店時間に行ってしまったので瞬殺で無くなっていた…おのれwwww!
さあ、本命のコードギアスですが、起承転結の転となる第3幕…面白かったのですがコードギアスというブランドを考えると評点は低く付けざるを得ないかと…
ロゼの正体がアッシュにバレる時はもっとドラマチックにする必要があったのでは…ラズベリーちゃんの正体も併せてバレたわけですが小笑いが起きた程度…転はもっと度肝を抜くような!と言いたいところですが泡沫ラノベ作家の私からしてもそんな脚本ポンポンと出てこんわな、と。
次回8/2でラストですが最後3話でどうまとめるか?興味深い所であります。序盤駄目でもラストさえ盛り上がれば名作!という世の中、奪還~は序で大きく盛り上げ、承転で横ばいの感じ、結で大きく評価を挙げてもらいたい所!
あとはラスボスの正体って誰なんかな~???
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であであ次回!




