第一話 その2 岩間健(いわまけん)
友達というのは不思議な縁だ。私が彼、泉輝に出会ったのは大学時代であった。彼は率直に言うとよくある大学のグループに居るあまり目立たない、目立つことをしたがらない人間で、常に集団の中で行動する普通の大学生に見えた。
大人しく話しやすい印象の彼に悪い印象は無かったが、いかんせん彼の所属するグループのメンバーがすぐ人を茶化したり、マウントを取ったりする奴等ばかりでとても関わる気にはなれず私は彼らと一定の距離を置いていた。
そのため彼、泉輝あだ名はイズサンと特に親しくなることもなく卒業を迎えることになった。と言っても常に単独行動を好む私は、大学生活の中で仲間が出来ず、過去問入手や講義の情報交換といった大学生活において最も重要な立ち回りが出来ず、点数はトップテンに入っていた程あったのに、電気磁気学というその後の人生にクソの役にも立たなかった必修科目を取得する事が如何しても出来ず、痛恨の留年を喫する羽目になった。
だが、思えばこれが輝との奇妙な縁の始まりとなったのだ。
たったの一科目が足りないというだけで留年すると、留年中の大学生活はやる事がほとんどない。そのため大学傍をぶらぶらする羽目になる…歩道橋の階段を降りている時、スーツに身を包んだ会社員がなにやら、やあやあ言って手を上げ近付いて来た。スーツを着ていたため遠目では全く分からなかったがそのスーツ姿の男こそ泉輝だった。
この小さな偶然が人生で最も多くの時間を過ごした友の誕生のきっかけだった。
ちょっとした近況を話してメールアドレスを交換しただけの出会いであったが、その後のメールのやり取りで好きなアイドル、アニメ、オタク趣味、車の趣味など話が合う事が多く、地元が近い事もあって一緒に出掛ける事が多くなっていった。気がつけば人生遥か半ばを過ぎた今でさえ、年中一緒に遊び歩いている仲となっていたのだ。
もし私が留年を喫していなければ?
もしあの歩道橋で再会を果たしていなければ?
もしどちらかに恋人や妻が出来ていたとしたら?
色んなifルートの分岐点で一つでも違った方向へ進んでいたのなら今の関係は無かったものと思っている。
友達というのは不思議な縁だ…
そんな彼とだったからこそ、あんな冒険をする事になったのだろうかお…
こんにちは。ちゅん助です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。
新章2話目、ラノベでのイズちゅんの関係性がやや分かりましたが現実のイズちゅんもほとんど同じ関係。つまりイズサンもちゅん助もモデルがいるわけですお!
さて現実のちゅん助は田んぼの中干という作業をしていましたが降りしきる梅雨でこれ以上干しても効果なしと判断し排水口を閉じました。さて今年は7月の天候が悪くどうなる事やら。
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であであ次回!




