プロローグ その3 弱すぎ
「!?」
「今度は黄色かよ!?」
「また初めて見る色だお?」
青の群れが逃げて行く方向。今度は黄色の数体が蠢いていた。黄グソクは青と違って、通常個体の灰色と比べても足が遅い様で、移動速度に秀でた青の群れは黄色を置き去りにする形で後方へと逃げて行ってしまった。
「青は逃げ足が速いなお!」
「それに比べてこっちの黄色いのはどんくさそうだお?」
「仲間に売られた形になってやがるおwww」
「まあついでだ!取り逃した青い奴等の代わりにこっちを狩るか」
「うん?黄色く見えるのは殻が薄いからか?」
「まるで中身が透けそうな…」
黄色はその見た目通りだった。探りのため、やや抜いた力で放った突きでも簡単に剣が刺さる。灰、青より明らかに柔らかい。
剣が殻の継ぎ目捕らえられなくても簡単に、そして深く刺さるのだ。
「幼虫か?」
黄色が幼体なら、この柔らかさ弱さでも理解できる。
「にしては大きさは同じくらいだなお」
「形も灰色達と変わらんお?」
ちゅん助が疑問を呈する。
「ひょっとして脱皮直後で動きが鈍っていたのかな?」
「そうかも!」
「でもこいつら脱皮とかするんかお?」
「そんな話は聞いた事ないが」
「甲殻類みたいな殻を持った奴らは脱皮しないと大きくなれないハズだろ?」
「でもこんだけアホ程居るのに、抜け殻とか見たことないお」
二人は黄色の正体を話し合う。
それにしても黄色い個体は柔らかく、そして弱い、加えて鈍いの三拍子が揃っているため、会話を重ねながらでも、瞬く間に黄色の群れを全滅させた。ただでさえ弱い灰色よりさらに弱い。
やはり幼体か脱皮直後だったのだろうか?これでは賞金は期待できそうになく無駄な戦闘をしたかも知れない…
ふと気が付くと倒した後の黄色の体液からなんだか甘い匂いが周りに立ち込めていた。
灰色や青と見た目は同じ薄い白の体液を持っていたが、奴等はこの様な匂いはしなかった。黄色は独特の臭いがするのだ。
「こいつらの見た目に合わぬ、いい匂いがするな」
「ミツバチというかハチの子みたいな奴だったのかも」
「ほうほう面白い!確かに甘そうな良い匂いだおwイズサン1匹食べてみいや?」
「ヤだよ!どー見ても食える様な見た目してないだろwこいつら!」
「いやいや珍味は総じて気持ちの悪い面構えなんだお!」
「わしは最初にナマコを食った奴を尊敬するおw」
「譲るからお前が喰ってみろよ」
「は!?アホか!」
「そんな気持ちの悪い得体の知れない魔物を友達に食えとか!それでも人間かお!?このアクマ!」
「お前が最初に言ったんじゃねーかw」
「いやいやいやいやいやwそんな事より黄色を全滅させたところできり良く、さっさと隊に合流するんだお?」
ちゅん助がタイミングよく話を戻した。脚の速い青を追っかけたせいで、ここの地点からは完全に他の隊員達の姿が見えなくなっているのだ。
「いや、やっぱこいつら弱い…弱すぎるぞ!!!」
「え?」
こんにちは。
第3話、最後までお付き合いくださりありがとうございます。
ラノベのちゅん助はなにか調子に乗り始めそうなイズサンに不安を覚え始めましたが、現実のちゅん助は曇りがちでやや風が吹いた絶好の草刈り日和。田んぼの畔の草刈りを少しやってきました。
私が使っている手持ち式の刈り払い機はマ〇タ製の4サイクルエンジンU字型ハンドルです。
信頼のマ〇タ!始動が安定している4サイクル!と自信をもって買ったのですが…
まずハンドルのゴム部分にアクセルワイヤーが埋め込まれておりこのゴム部分が動くとつられてワイヤーもどんどんズレていき、アクセル操作の不安定を招きます。さっきまで回っていたのにアクセル吹かしても回らなかったり、逆に止めたいのに回転が上がったり…
最近知った3軸合成値(この値が低いほど振動が少なく扱いやすい)という数字、シールを見るとなんと6.0m/sとある!最新の草刈り機は廉価版でも4m/sとか高性能だと2.いくつというのもあり6はそりゃ腕が痺れるわけだと…
マ〇タは工具では一流でも農機は…そんな感じです。
共立かゼノアの振動の少ないロングタイプ管のモデルが欲しいな…
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であであ