プロローグ その23 炎壁、炎の道
「矢!?矢だと!?先端に光球みたいなのが光ってなかったか?!」
「ありえんお!後ろからロケットみたいに火噴いてたお!?」
光球の正体が本当に矢なのか定かではなかったが、なおも閃光を放つ二つの高速飛翔体は俺達を追い抜いた時点で急速に高度を下げて行き、今度は滑る様に地面を走った。
光球は地面につくと同時にドドドと爆音を上げてながら疾走し、その軌跡は二筋の光を放つ線を描いてなおも相当な距離を進んでいった。
その光る軌跡が数百メートルに達したかと思えた時、さらに殊更大きい爆発が起こった。
光る二筋の線が火山の様に爆発し、舞い上がったかと思うと、二面の巨大な壁の様な炎が巻き上がった。
「地面が爆発した!?」
「ち、地上のモーゼだお!?いや炎の万里の長城かお!」
「道が!」
3メートル程の間隔で平行に延々と立ち上がった巨大な壁状の炎。
炎の壁はグソク達が脇からは絶対に侵入出来ない炎のガードレール!
その距離はおおよそ1kmはあろうかという道。あの光球はこの道を即座に形成したのだった。
この道を進めば今度こそ!あるいは!
「キイー!キイー!キイー!」
衝撃波によって吹き飛ばされていたグソク達は再び捕食に入るべく密集しようとしていたが、突然発生した巨大な炎壁を前に統率を失い、様々な鳴き声を上げて右往左往している。
完全に脱出逃亡のチャンスだ。
だが…
「熱い…ゴホゴホッ」
地面の水分を含んだ若草にも引火した炎は熱と共に白い煙を上げていた。この高温と煙の中を進めるのだろうか?途中、一酸化炭素中毒で倒れやしないだろうか?そんな思いもないわけではなかったが、生きたままグソクにかじられる事を思えば迷いも恐怖もなかった。服で口を押さえながら必死に炎の道を行く。
「ふぁーふぁーん!(←泣いている音)目が痛いおー!」
頭上でちゅん助が辛そうに嘆いた。
「ゴホッ、ゴホ!ちゅん助!腹に入ってろ!」
俺はちゅん助を無理やり服の中に押し込み炎と煙に巻かれながら再び歩き出した。
だが…
「クソ、この状況でも追って来るのか!?」
こんにちは。ちゅん助です。
今回も最後までお目通し、ありがとうございました。
ラノベのちゅん助は煙と炎に巻かれてますが、現実のちゅん助は草刈りで飛び散った草の破片と胞子に巻かれています。3軸合成値の低い、軽くて丈夫な刈払い機が欲しいなお…
さてこのラノベでは皆様のご協力お願いしたく、感想、いいね、そして評価をお待ちしております。
お手すきの際に是非ともお願いします!
であであ次回!




