プロローグ その16 交戦状態
何者かによって造られたであろう生存への道。
僅かでも希望の光が差している様に見えた。
この道を行けば果たしてなんとかなるだろうか。だが考える暇も選択肢も無いのだ。
行くしかないのだ。
脚は激しく痛み、濡れた股間はとても気持ち悪かった。
気持ち悪かったが、気持ち悪いという事は
「まだ生きてる!」
「おうだお!この道を行けばどうなるものか!行けばわかるさー!だお!!!」
俺は奮い立たせるかの様に叫ぶとちゅん助が合わせた。
脚を引きずりながら、なんとか希望の道を進み始めた。
だが疲労と痛みのせいで足取りは重く、鈍く、その歩みは困難の極みであった。必死で走るがようやく歩くスピードが出ているかどうか…
「後ろに青いのきたあああああああああおおお!!!」
頭上で後方監視していたちゅん助が叫んだ。
ちらりとだけ目をやると後方に青い影が走っていた。逃げの一手しか打たなかった青グソクの一団が集団をなして、一転今度は追撃隊となって迫ってきているのだ。
前方に一瞬だけ開けた様に見えた道も混乱が治まった個体から次々と行く手を塞ぐ様に徐々に動き出している。
「追いつかれるお!」
追撃隊はただでさえ脚の速い青。
傷を負ってなくても引き離せるかどうか?いや引きずった脚では灰にだって追いつかれる。案の定あっという間に距離を詰められ交戦状態にならざるを得なかった。
「あっち行けだお!」
ちゅん助が大声で威嚇してなんとか追い払おうとするが、蟲達はここが勝負どころとばかりに再び襲い掛かって来る。
幾重もの巧妙な罠によって俺達をおびき出して作ったこの状況なのだ。何者かの妨害を受け一旦は混乱状態に入ったが、引き下がる気配はない。
蟲のくせに!
執念の様な意思が感じられた。
せっかく開けた希望への道もどんどんとその幅を狭めて行き、途絶える状態となりつつあった…
「せっかく開けたと思ったのに」
赤を斬っていない短剣は斬れ味を失っておらず最後の抵抗の命綱だったが、青は速い。短い射程では2匹を斬るのがやっとで攻撃のために足を止めた所で青の一群と対決する状況となってしまった。
「あかんお!とても逃げ切れんお!」
「クソ!」
激しい疲労と手負い、灰相手でも厳しいこの状況で、追手は動きの速い青。
一旦は光が差したかと思われたが、再び俺達はさらに厳しい状況に追い込まれたのだ。
こんにちは。ちゅん助です。
今回も最後までお読み頂きありがとうございます。
ラノベのイズちゅんはまたもグソク達に捕まってますが、現実のちゅん助は梅雨の雨でまったり中。
購入してからまだ乗れてない折り畳みのスポーツバイク、カラクル451RS!(高かった…)を琵琶湖まで乗りに行こうかな?と計画中。ゆくゆくはこれで四国一周、最後の目標は台湾一周です!最近した佐渡ロングライドという1日で200km以上走破するイベントも気になりますお。
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また次回
であであ




