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学校以外は異世界で  作者: 戸口六
4/8

眠気ナッシング

ティリルはとなりで静かに寝息を立てている。


俺の服をつかむ小さな手を、そっとはずしてやった。




~・~・~・回想シーン・~・~・~・



「離すんだ、ティリル。俺は行かなきゃならないんだ(学校に)」


「いやーっ!」


「たのむ!分かってくれ。俺にはもう時間がないんだ!(遅刻する)」


「いやーっ!!」


「なぜそんなわがままをいうんだ!? もう二度目はないんだ。こんど間に合わなかったら俺は、俺は…(きっと担任のバックブロー)」


「いやーっ!!!」


「くっ…帰りにスイーツ買ってきてやるから!」


「い…」


「ん?」


「いやーっ!」


いまちょっと迷った?



~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・




やれやれ、毎晩、別れるのはひと苦労だ。これでも、最近は聞き分けがよくなったほうだけど。


俺は静かにベッドから降りると、家を出た。


星明かりだけを頼りにしばらく進み、元の世界へもどるためのゲートの前までやって来た。


こっちとあっちとでは、昼夜が逆転している。そして俺は学生だ。

だから、夜はいっしょにいられない。


俺は夜陰にうかぶゲートに向かって歩き出した。


こんな二重生活にも、救いがひとつ。ゲートをくぐると、どういうわけか眠気を感じなくなる。


つまり、移動は睡眠に等しい効果があるってこと。


そんな都合のいい話あるかって? 


実際に本当に事実なんだからしょうがない。


そうでなければ俺は、両方の世界での生活を成り立たせることは困難だったろう。




ゲートをくぐり抜けると、アパートの俺の部屋だ。


カーテンのすきまから、朝の光がもれている。

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