表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雲シリーズ

分厚い雲がどいてくれない

作者: リィズ・ブランディシュカ



 家の庭でぼうっと雲を眺めるのが好きだ。


 でも、雲の種類にはこだわりがあるから。


 分厚いのばかりだと、嫌になってしまう。





 憂鬱な日。


 真っ白な紙に罰点ばかり。


 数時間前の光景がフラッシュバック。


 テストの点が悪かった。


 忘れ物をして先生におこられた。


 そんな日の空が、分厚い雲の曇り空だとさらに憂鬱になる。


 空を見上げてみるけど、雲ばかりで太陽が見えない。


 それが余計に。


 風は吹いている。


 けれど、雲はとても重たそうで、簡単にはどいてくれなさそう。


 あの雲のかたまりに手をいれて、蹴散らせたらいいのに。


 もしくは薄くのばせたらいいのに。


 分厚い雲を見ると、そう思ってしまう。


 でも、ただの人間だから、できるわけがなくて。


 できるだけ早くどっかいってね、なんて願う事くらいしかできない。


「電話よ!」


 家の中からお母さんが呼ぶ声がした。


 私は歩き出す。


 雲は動かないのに。


 でも、私が歩いて雲のない場所までいけば。


 この曇り空を見ずに済むのだろう。






 雲は簡単には動かない。


 簡単に動けるのは人間の方。


「テストの採点間違いだって、先生が言ってたわ。良かったわね。この成績なら、○○県の学校にいけそうよ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ