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第017話

そんな感じで機体談義を楽しんだ後、アーティの素体のブループリントを2人に渡してこの日はと別れた。

別れ際、ヒカルに


“剣とか作らないのか?”


と問われたが、曖昧に誤魔化した。

実のところ試作したものは既にあったりする。

ただ調子こいてどでかいバスターソードを作ったものだから、ね。

つまり重すぎて扱えなかったのだ。


全長1.8mの鉄の塊。

ロマンはロマンだったというわけだ。

それに今回、実際に戦闘を経験……いや、逃げ回っていただけだけれども。

をして、ちょっと色々考えたくなったというのも本音だったりする。


臆病風に吹かれた?

まぁそういう側面もあるよ。


「ちょっと、ヒロシ。

 何ボーっとしているの?

 ごはん零れるわよ?」


夕食中、母さんに注意されて慌ててご飯を掻っ込む。


「なに慌ててるのよ。

 良い事でもあった?」


ちょっと笑いながら母さんが聞いてくる。

前世の俺なら、今日あった事を親に話すだなんて恥ずかしくて出来なかったけど、正直今となっては後悔しているので、今世の俺は出来るだけ聞かれたらその日にあった事を話すようにしている。


「ん~……オンゲで友達が出来た」


「良かったじゃない」


「まぁ、ね。

 ただ、そのきっかけがモンスターにやられそうになったのが原因で」


「あのゲーム、モンスターなんていたの?」


「意外とバトル要素多いんだ。

 まぁ、モンスターって言っても暴走したロボットみたいなのが多いんだけど」


「時代って変わるのねぇ。

 昔はウサギやゴブリンだったのに」


「ウサギとか鹿とかはいるみたい。

 ゴブリンは小型ターレットがそれに近いかな。

 雑魚って感じじゃないけど」


「なんだかSFって感じね」


「うん。

 それで、アーティに武装させたら俺でもモンスターを倒せたのかな……って」


「そうねぇ……」


「……ヒロシは討伐クエストを受けたいのか?」


俺の前世レベルで寡黙な父さんがご飯を食べながら尋ねてきた。


「ん~……そうでもない、かな。

 輸送クエストの方がお金が美味しいし、リスクが少ないし」


「なら速さだ。

 速さは全てを過去にする」


いきなり父さんが中二病っぽい事を言い出した……ッ?


「ちょっとお父さん!

 ごめんね、ヒロシ。

 お父さん、バイクが好きなだけだから」


「だって母さん、SF世界と言えば亜音速移動が鉄ぱ」


べしんっ!!


母さんのスナップを効かせた突っ込みがさく裂した。

というか、父さんもそっちの人だったの?


「ほほほほほ、お父さん?」


「……すまん。

 まぁ、なんだ。

 ヒロシが二足歩行のロボットが好きなのは知っているが、

 乗り物というのも案外便利なモノだぞ?」


「……なるほど」


夕食後、俺は自室のベッドの上で寝転がっていた。


「まさか父さんもオタク側だったとは」


『そこですか』


机の上でまったりと停まっているアーティが呆れ声を出す。


「だってさ、家にバイクなんてないじゃん。

 それに亜音速なんて単語ふつう出てこないって。

 ……隠している風だったし、やっぱり突っ込んだら負けだよなぁ」


『ヒロシのオタク度がもう少し高ければカミングアウトしてくれるのでは?』


「俺、相当高い方よ?」


『私といる時以外、あまり外に出てませんから』


そうかな?

そうかも?


「でもおかげでヒントは貰えたな」


『乗り物を作るんですか?』


「ああ。

 クク、腕が鳴るぜ」

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