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第014話

『ヒロシ、目が覚めましたか?』


目を開けるとアーティが膝枕してくれていたようだ。

ん~……太ももが硬い、当たり前だけど。


「おれ、寝てたのか?

 というか、GSO(ここ)で寝れるのか」


「通常パッシブの疲労回復措置ですね。

 多少動けるとは思いますが、これ以上無茶をすると強制ログアウトとなる状態です」


「前落ちた時はもっといきなりバスンッ、と逝った気がするんだけど」


「徐々に限界を迎えるか一気に限界を超えるかの違いだと思います」


言われて思い出してみる。

あの時はまだこのゲームが変態的なレベルでリアリティを求めているものだと知らなかった。

それもあって、多少重量制限的にアウトそうなモノでも大丈夫だろうと、数百kgの物資を背負おうとしたんだったな。


……うん、それ絶対無理♪


「納得。

 起きるくらいは問題ないかね?」


「大丈夫かと。

 補助します」


アーティの補助で何とか立ち上がる。

痛みとかはないけど、足腰のだるさが出ているな。

局所的な気だるさを感じる

……VRMMOだっていうのにリアルすぎぃ。


「ヒロシ」


アーティに促され、俺は前を見る。

なんだか少年漫画の主人公とその金髪ヒロインみたいな子供達がいるんだが?

ま、子供と言っても俺と同じくらいか。

それにしてもどっちも美形だな。


男の子の方はツンツンヘアでとゴーグルを頭につけている。

服装はパーカーにベストジャケット。


女の子の方は金髪碧眼か、しかも髪がロングドリル。

フワフワな扇子持ちだし服装も相まってテンプレートなお嬢様感って感じだ。


ホビーアニメっぽいなと呆けているとアーティに肘で小突かれた。

そうだ、とりあえずお礼を言わないと。


「わるい、助かった。

 ありがとう」


少年の方が二カッと笑う。


「どういたしましてッ!

 あいつ、この辺のユニークモンスターだろ?

 俺も戦ってみたいと思ってたから丁度良かったよ。

 ドロップはこっちがもらっちゃっていいんだよな?」


──結構好戦的な奴だな。

と、とりあえず、失礼にならない程度に挨拶をしよう。


「ああ、助けられたのはこっちだしな。

 俺は恵庭(えにわ)ヒロシ。

 こっちは俺のバディロイドのアーティだ」


「俺は天満(てんま)ヒカル、んでこっちが」


成瀬(なるせ)ルルース、ヒカルの幼馴染ですの」


「よ、よろしく」


「おっ、ルルースが可愛くて見惚れてるな?」


「い、いや。

 どっかのお嬢様かな、と思っただけだよ」


「あら、わかりますの?

 どこかでお会いした事あったかしら?」


「しょ、初対面かと。

 口調がなんだかそれっぽかっただけで」


「ヒカル、そうですの?」


「かも?

 オーホッホッホッホとか笑いそう」


「もぅ、そんなお下品な笑い方しないですわ。

 それよりも、ヒロシさん。

 アーティさんの素体はどこのメーカーのものですの?」


「え?

 えと……」


「わるいな、ヒロシ。

 ルルースはバディロイドオタクなんだよ。

 助けたよしみでさ、教えてくれないか?」


「いや、じ、自分で作ったんだ」


「「え?」」


2人がポカンと俺を見た。


「嘘をついても無駄ですわよ?」


「う、嘘じゃないけど……」


「え?

 マジで?

 俺らと歳が変わらなそうなのに?

 もしかして中身は凄く大人とか?」


あながち間違ってないんだが、これ言うと2人が混乱しそうだし、黙っておこう。


「同じくらいだろうからバラすけど、一応これでも小学生だよ。

 ネトゲなんだから安易に歳とか聞いちゃダメじゃないか」


「だって気になったんだから仕方ないじゃん!!

 マジでッ?!

 マジで自分で作ったのッ?!!」


「あ、ああ。

 一応基地にはブループリントもあるよ」


「……ヒカル、助けたお礼なんか貰うつもりはなかったけれど、これは話が変わってきますわ」


「そうだね、俺も興味ある」


「……あの、」


「「私(俺)達を基地に招待してッ!!」」


前世より押しに弱い俺は、2人の圧に耐えられず、とりあえず依頼完了後なら、と了承してしまうのだった。

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