第010話
ちょっと展開が不安定なのでしばらく刻んでいきます
唐突だが、ギアストーンオンラインの世界にも敵モブはいる。
主に郊外の森や人の少ない地域に生息しており、その外見は主にロボット等凶悪な工業製品が多く、AIが暴走して野良化したという設定だ。
その他にも現実とは多少違うウサギ、鹿、熊等ジビエ系のモンスターもおり、肉や皮も獲る事が出来たりする。
リアリティを謳っているようなこのゲームだが、モンスターを倒した時のドロップ方式については選択式だ。
自分で解体するか、自動的に倒した敵が消えてドロップ品が出てくるか。
どちらもメリットとデメリットがある。
解体熟練者であれば自分で解体したほうが獲れる素材が多くなったりレアリティが上がったりする。
自動の場合も、お前その装備どこに隠してた? と言うようなレア装備が取れたりするし素材だってある程度は確保出来たりする。
ざっくりと、良い素材が欲しければ自分で解体して、良い装備が欲しければ自動解体にするという解釈で問題ない。
ちなみに、俺はまだ敵とは戦っていない。
アーティの装備が盤石ではないというのもあるが、これだけリアルな世界なので、どうにも暴力は忌避感を感じるんだよね。
実際、GSOはマタギや解体業者などの教材となっているほどだし。
アーティはそこらへんドライで、ゲームなのに何言ってるんだ、と言われてる。
それは、まぁそうなんだよ。
あくまでGSOはゲームだ、この世界で死んだってログアウトするだけ。
何ら問題もないと思う。
でもなぁ……と割り切れない気持ちのまま、今日も俺はウー○ークエストこなしている。
──そんな悩んでいた時期が俺にもありました。
というか数分前の俺がそうでした──。
「ひぃいいいいいいいッ!!」
叫び声を上げながら全力ダッシュで森を突き抜けていく俺。
「約30メートル先、地雷原です」
そして、俺と同じ速度で先導しながら的確にナビゲートしていくアーティ。
「どうしてこうなったぁああああああッ」
「近接地雷突破、前方10メートル地雷原。
私の通った後をしっかりついてきてください。
質問に答えますと、他プレイヤーが我々にユニークモンスターをなすりつけてきたせいですね」
「マジでふざけんなぁッ!!」