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パパ、仕事をする

育児をしながら執筆していきますので緩く更新を待っていてください。ブックマーク、高評価を頂けるとパパのテンションがあがります。



 ゴロ村に来て三日——



 この三日の間に、デルさんから話を聞きつけた村の人達がうちを尋ねて来た。



 来客は珍しいと言っていたから見物かな? とも思ったが、みんながみんな「これやるよ」「これ食べな」「これを着せてやれ」と色々な物を土産として持って来てくれた。ただの優しい人だった。




 異世界に来て初めて訪れた村がこのゴロ村で本当に良かった。




「にしても、シロウの飯はうめぇな!! どこの食材だ?」



 今はデルさんが夕食を食べに来ている。今はと言ったが、初日の晩から毎日来ている。


 ゴロ村に来た日の晩に、お礼として夕食をご馳走したらそれ以来毎日晩ごはんを食べに来るようになった。俺とジュノンの命の恩人と言っても過言ではないのでいつ食べに来て貰って構わないが、毎晩俺の家に入り浸っても問題ないのだろうか? 家族とか?


 まぁそのおかげで、村で収穫した物を少しだけ貰っているので有り難いばかりなのだが。少し心配ではある。



「私の故郷の食材ですね」



「なるほどな! けどよ、出会ったときはそんな大荷物じゃなかったような……」



 ギクッ!?……と漫画だったら擬音が描かれていることだろう。どう答えるのが正解だ? まさか森羅マーケットのことを話すわけにもいかなし、というか話しても信じてもらえないか。


 なんと言ったものか少し黙っていると、どうやらデルさんは一人で納得してしまったようだった。



「旅人っていうくらいだから貴重な収納系スキルの持ち主か……? いや、詮索はよくねぇな……」



「は、はい。そんな感じです」



 なるほど、この異世界には収納系スキルというのが存在するのか。今後何か聞かれたらそれで誤魔化そう。デルさん、テンプレートをありがとう。



「もしかして、食材とか結構溜め込んでるのか?」



「えぇ。旅をしているので当分仕入れなくても問題ない程度はあります。それに、食材だけではなく日用品なんかも多少はありますね」



 全部森羅マーケットで入手するんだけどな。



「そうか……あのよ、聞き流してくれてもいいんだけどよ。よかったら、その食材少し村の奴らに売ってくれねぇか?」



 売ってくれ? どういうことだろうか。



「構いませんが……何か事情があるのですか?」



「いや、そんな深刻な話じゃねぇんだ。この村は辺境だからな。生活に必要な物は月に一度訪れる行商の奴らから仕入れる以外は、ここで育てた小麦、牛、山で採った山菜か、狩りで手に入れた獲物くらいしかねぇんだよ」



 なるほど。どうやら俺が思っている想像以上に辺境らしいな。言われてみれば5000BPで入手した地図にはゴロ村以外に人が住んでいそうなところは無かったか。



 だが、その場合食材を買うお金はどうしてるんだろうか?



「では、皆さんはどのようにして行商から食材を買うのですか? お金などは?」



「あぁ、それに関してはうちで小麦の収穫量を管理して、各家に収めた分の小麦に対する金を支払ってるんだよ。集めた小麦は行商が金に変えてくれるってわけさ」



 行商が月に一度小麦を回収し、お金を渡す。そのお金が村人に配られる。村というよりは会社みたいだな。



「わかりました。それならば私の方で売りに出せる食材を選んでおきましょう。どのような物がいいですか?」



 村の人達には良くしてもらってるから、少しくらいは恩返しになるだろう。



「本当か!? 助かるぜ! 俺だけ美味い飯にありつけて罪悪感があったんだよなぁ。他の奴に言っちまったらシロウが大変だろ? あー、食材は任せるぜ。調味料は欲しいな。塩とか砂糖とか。あとは日持ちする食材なんかがあると嬉しいかもな」



 塩に砂糖に日持ちする食べ物か。よし、明日までに森羅マーケットで準備しておこう。最近BPを大量に入手出来る機会があったから問題ないはずだ。



 ゴロ村は小麦を特産としている村だが小規模な酪農も行っているらしく、収穫後の藁は牛の餌用に取っておいても余るらしい。その話を聞いて「こちらで処分するからいらない分をください」と頼んでみたら藁小屋の藁を好きにしていいと言われた。



 もちろん全て、万象ゾーンにダストシュートだ。



 結果、現在のBPは200,000近くになっていた。藁、最高。



「よーし、食った食った! それじゃ明日頼むな! ジュノンもよろしくな!」



「はい、こちらこそよろしくお願いします」



(スヤァ……)



「いい寝っぷりだ!! 邪魔したな!」



 飯をたらふく食べて、要件を伝え終えるとさっさと帰路についたデルさん。食材のことをみんなに伝えに行くのだろうか。家族の元に帰るのだろうか。



 嵐のような人だな。太陽のような人か? 騒がしいが嫌いじゃない。



 それにしても、この世界に来て初めての仕事か。まさか小さいとはいえお店を開くことになるとは……学生時代の学園祭以来じゃないか?




 とにかく娘のためにパパ、稼ぎますか!




 ◆ ◆ ◆ ◆




「な!? これが塩!? こんなサラサラな塩見たことねぇ……ぞ!?」



「白い……砂糖が白い!! 何だこれは!?」



「あたりめじゃと!? 見たこともない食材……何!? 海の幸を干した物じゃと!?」



「び、びす……びすけっと? これおいしいよ!」



「このせんべいというのはなんですか!?」 




 あれ、なんか不味いことになってる気がする。


長い作品になりますので、よければ【ブックマーク】してお楽しみください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 結構BP貯まったな~ もうすぐ念願のベッドが買えますね。 [気になる点] 魔王の娘というと頭に角が生えてる イメージなんだがどうなってんのかな?
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