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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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家族会議

家に着いたところでエラン様も家族会議に参加したいとの申し出があったが、断りお帰りいただいた。

エラン様がいたら逆にごちゃごちゃしそうだ。


心配そうな顔で「また明日」と言って帰っていった。

何してもイケメンだけど、やっと慣れてきたななんて私は思っていた。


家の中に入ると少し早い帰りだからか皆は不思議そうにしてた。

「商売の絡みもあるし、みんなに話したいことがあるんだけど…」

と、ちょうど家のリビングで長旅の疲れからかグダグダしてた兄に話すとタイミングが良かったのか、すぐにみんな来てくれた。


こっちは心の準備が整わなかったけど…。


一同が座って話せる場所がダイニングだったのでそれぞれ自分の席に座るとメリーさんがお茶を出してくれた。

メリーさんが、ダイニングから出たのを確認して、話を始めた。

メリーさんのことは信用してるから話してもいいんだけど、気を使ってしまうだろうからね。


私はまず、時系列を追って前世を思い出したこと、能力証に前世の影響が出たこと、それに伴い領主一家と契約を結んだことを話した。

そして、最後にサンドボックスの能力の大体のあらましと商売に関わりそうな物品を能力で得たこと、そしてベレファ邸の買い取りについてなどをざっくりと話した。


最初の前世を思い出したことの話が一番ビックリしていたし、心配そうな目で見られたけど、それ以降の話は兄以外はギラギラした商人の目で見られつつ話し終えるまで、家族はうなずきながらしっかり聞いてもらえた。

私はやりきった思いで、背もたれに背をつけて一息吐き、メリーさんのお茶をすすった。


「セイラがそんな状況だったとは…。」

第一声はカエラが放った。

商人の顔とも家族らしい顔ともつかぬ複雑な表情で私を見ていた。

私を家族としてちゃんと見てくれているのだろうか?

「そうだね。精霊がもたらしてくれた奇跡だ。商人人生で一番驚いているし、ワクワクしてるよ。」

と父はこの中で一番嬉しそうな顔をしている。

「予想外のことだけど、悪いことではなさそうね。ベレファ邸が使えるのなら商売はもっとやりやすくなるわ。」

と母はすでに商売の算段を始めているようだ。

何やらブツブツと考え込んでいるけど私への心配などない様だ。


「待って?みんなは平気なの?セイラの中には違う人格がいるってのに。」


そう言ったのは兄だった。


私を一番心配している。

あ、私というよりはセイラという存在についてかな?

私の中にはしっかり家族の感覚やこの世界の事、物、人に関する気持ちがあるから魂の乗り換えではなく、前世を思い出したのだと思っているけれど、兄にそう言われると自信はない。

でも今更セイラから誠子を無くせと言われても無理な話だ。

「兄様の言いたいことはわかるわ。確かにここ最近のセイラは人が変わったようだったものね。でも、こうやって大事なことをなかなか言ってくれなかったのもセイラらしいわ。」

カエラは苦笑いしながら兄を諭している。

「俺は前世を思い出したって言っている期間で見ていた時間が短いからな、客観的に見るのは難しい。一つ確認してもいいか?」

兄は私の目を見ている。

「俺が初任給でプレゼントした物は何だった?」

尋問するように言った。

よく覚えている。

「緑の石の入った髪留めだよね。兄さんが買ってきてその数日後に遊んで髪ベタベタにして切っちゃったから2日しか、まだ使ってない。」


使わないけど、いずれつけようと大切にクローゼットの片隅に木箱に入れてしまってある。

それから何年経ったっけ?

特に着飾ることもないし、髪が短いほうが楽だと気づいたからあれからずっと付ける機会はなかった。


ーゴン!


兄が机に頭を打ち付けて突っ伏していた。

「セイラだ。紛れもなく…」

兄の横で姉が背中をさすった。

可哀想にと言いながら笑っている。

「大切にしてるよ。ちゃんとクローゼットの木箱に入れておいてあるもん。」

私がニヘラと笑いながら言うと姉と両親は苦笑いしていた。

なんで?


「わかったよ。セイラはセイラだ。」


え?それでなんで納得したの?


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