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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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三人の奥様

ーバーン


そんなやり取りをしてたら後ろのドアが勢いよく開いた。

「トールゲンの娘は来たか!」

ドアが開くのとほぼ同時にかなりの声量で叫ばれた。

その声の主は艷やかな銀色の髪を高い位置できれいな一つのシニョンにまとめている女性だ。

瞳は鮮やかな青で吸い込まれそうだ。

背が高くスラリとしており、顔つきはキリリとしている。

女騎士って感じ。

というか、女騎士か?服装がパンツルックで半袖のシャツに胸当てを付け、帯剣している。


それにしても…


顔が…


エラン様にそっくり…

もしや…


あと、その横には息を切らせた少女のように可憐な鮮やかな髪色の女性もいた。

なんと髪がピンク!

ストロベリーブロンドよりも赤みのある…まぁつまり

ピンクですよ!

目の色は緋色…つまり赤ですよ!


いるんですね。


庶民にもいろんな髪色の人がいるけれど大抵はくすんだ色なのでびっくりするほどの人には出会わなかったんだよね。

でもこの人はほんとにきれいなピンクだ!

ちなみにこの女性の服装は白と赤を貴重としたフリルのついたドレスです。

髪はみつあみをして長く垂らしている。

この長い髪を維持するのはこの世界では大変そうだ。


「母上!訓練着のままではないですか!」

さっきまで緊張してたエラン様が銀髪の女性に目くじらを立てている。

「エラン、私はこの服が一番私らしくいられる。故に嘘偽りなくそなたの意中の相手に会えるのだ。それでよかろう?」

何言ってるのこの人?

いや、エラン様の母ってことは領主の奥さんよね。

いかんいかん…

いや、とは言え私を探してきてエラン様の意中の相手と会うとはこれいかに…


え?

そういうこと?


エラン様は…


なんだか顔をそらしていますね、はい。

耳が真っ赤です。


えー!?

顔が熱いよー。


いやいや、とは言え領主の息子だから私を嫁になんて難しいもんね。

うんうん。

叶わぬ恋というものですよね。


あれ?私の気持ちは?

…別に今のところ思われるのは嬉しいけど、叶わないからって辛くはない。


「マルティーナ様、エランを思うのならば言葉を選ばれた方が良いですよ。素直なのがマルティーナ様の良きところではありますが。」

そういったのはノエミ様だった。

「うん?…はっ!?」

ノエミ様の言葉を受けてエラン様の実母、マルティーナ様は自分が言った言葉が私に届いていたことに気がついて表情を変えた。

私を見てからテヘペロって言いそうな勢いで苦笑いしていた。


え?何番目の妻ですかね?


「セイラさん、こちらはマルティーナ様。エランの実母でありアレッサンドロ様の正妻です。そして、こちらがリリー様、アレッサンドロ様の二番目の妻です。」

まさかのマルティーナ様が正妻!

リリー様は目が合うと軽くスカートの裾を持ち上げて見事なカーテシーの仕草をした。

3人の様子を見てるとアレッサンドロの妻たちは仲が悪いというわけではなさそうだ。

「あ、お初にお目にかかります。私はセイラ・トールゲンと申します。いつもエラン様にはお世話になっております。」

私はノエミ様のいる私から見て右側とマルティーナ様たちのいる左側にカーテシーをして少し頭を下げた。


一瞬カーテシーってこの仕草で合ってる?って思ったけどもうしょうがないよね。

「思ってたよりもかわいいね。」

そういったのはマルティーナ様だった。

エラン様似の美しい笑顔で私に近づいてきて私を嬉しそうに眺めている。

穴があきそう。

「母上、そう不躾に見るものではないですよ。」

「おっと…」

エラン様が注意すると軽い感じで視線をそらした。

アレッサンドロ様とマルティーナ様が夫婦だというのはなんか納得した。

アレッサンドロ様も似たような気軽さがある。

どうやって出会ってどうやって結婚したんだろうか…。

リリー様はまた違う雰囲気だ。

リリー様は人見知りが激しいのかマルティーナ様の影に隠れている。

とは言っても可愛らしい容姿とピンクの髪が目立つので全然隠れられてないけどね。


「さ、本題に入りましょうか。アミュティリス石の査定をさせていただきたいのですが…」

ノエミ様が私に問いかけてきた。

「あ、はい。エラン様、ここで出しても大丈夫ですか?それとも外のがいいでしょうか?」

「あぁ、そういえばそうだね…外のがいいかな?」

エラン様が首をかしげた。

「今、お持ちではないのですか?」

ノエミ様が不思議そうに言う。

「特殊な収納魔法のようなもので持ち歩けるそうなのですが、結界を一回張らなければならないのです。」

「なるほど。でしたら訓練場で見ましょうか?鑑定はそちらでもできます。」

そう言ってノエミ様は奥に一度行くと工具箱のようなものを持った一人の男性を伴って戻ってきた。

「さ、行きましょう。」

ノエミ様の指示で部屋を出るとメジャーのあるあたりを通り中庭の中を通りもう一度建物内に入ってから裏庭に出た。

さすがに広いな。


裏庭を少し右に進んで行くとまた別の建物が少しあり、その脇を通って行くと土がむき出しの広場が現れた。

建物は平屋の広めの山小屋程度のサイズの木製のものだった。

広場側に軒があり、その下に座れるようにベンチが2列並んでいる。

まるで、野球場のベンチみたい。

その軒の建物の方には入り口があるけれど私からは奥はよく見えなかった。


「ここなら今は大丈夫そうだね。売りたい量だけアミュティリス石を出してくれればいいからね。」

エラン様がそう話している最中に奥様方はぞろぞろとベンチに向かった。

左からマルティーナ様、リリー様、ノエミ様と座っている。


全員タイプは違うけど綺麗な女性が揃ってるなぁ。

エラン様の話が終わるとアドル老師とエラン様、そしてライザとノエミ様に付いてきた人もベンチの方に向かい立っていた。


全員私を見ているのを見て喉を鳴らした。

緊張するわー。


とりあえず、能力証を出した。

開くと展開するボタンのページの右上に小さく歯車マークがあることに気がついていたので押して見る。

問題がなければ設定画面のはず。


見てみるとコンバートボタン以外は展開した状態の設定画面と変わらなかった。

やっぱり最小にできるんだ。

良かった。


X軸とZ軸のチャンク距離は…


5が最大になってる!


伸びてる。


それはともかく最小値にして展開する。


そして、マコトちゃんが出現し結界ができたので手頃なところにチェストを起き、売るつもりだったアミュティリス石を入れる。

セスさんに見せていた8個ほど。

あとついでにクラミッパも入れておこうかな。

いや、入れないほうがいいか…

あと、机と椅子も出しておこう。


一旦コンバートっと。


チェストに入っているアミュティリス石のキューブをすべて取り出した。

チェストの右横に置いた机にキューブを置いて顕現する。

いっぺんにおいたからポップコーンみたいに跳ねた。


そして、振り返ると奥様方が口を開けて呆けていた。


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