演舞の詳細
「まぁ、話は長くなりましたが、あなたの力はアドル老師に引けを取らない力なのではないかということですね。そして、悪党の介入する余地がないようにあなたを保護したいということです。なので、目立つ演舞はやめるか?という話で…」
「え?でも演舞だけならバレませんよね。地区のお祭りだけですよね?」
「お話してなかったですが、祭りで優秀だった踊り手の一人は翌週の貴族の祭りにも参加するんです。それぞれの地区から一人ずつ、そして、貴族から数名が選ばれ同時に演舞する圧巻の祭りです。また演舞は特殊な魔法陣の上でなされ、その出来によって領全体を潤す精霊の力が変わると言われている神聖な儀式なんですよ。」
知らなかったー!
「そんなものがあったんですね。」
「本来各地の収穫祭は儀式の前座で精霊に愛された踊り子を見つけるための行事だったんです。このまま行けば3人のうちだとあなたが選ばれますね。」
「なぜ!?」
私は思わず立ち上がった。
納得いかない。
他の子たちも演舞めっちゃうまかったはず。
わたしなんかがなぜ選ばれるの?
「言いましたよね?精霊に愛された踊り子を探すと…。各地の演舞会場となる場所には地下に精霊に反応する魔法陣が埋まっているんです。これは貴族しか知らないことですがサレンナだけでも過去3回に1回くらいの確率で反応してます。」
あー、あれのことか。
収穫祭の演舞では今年は光ったとか光らなかったという話が出てくるのだ。
祭りの会場は実はこの学校の校庭だ。
もともとこのあたりは広場で集会所を増築&改築して学校にしたらしい。
校庭の隅にはいくつかの謎の石の塊が埋まってる。
見た感じただの四角い石の椅子のようなものなんだけど、真ん中に黄色い石が埋まってる。
そこに入っている石が光ったり光らなかったりするそうだ。
演舞だけを見てる人にはわからない程度の光なので、逆に石ばかりを見てる人もいるらしい。
私はそれはただの椅子だと思って何度も座ってしまったが、そんなものだったのか。
というかその黄色い石はトルー鉱石だな。
顕現した実物見てなんか見たことあるようなと思ったわ。
演舞は入れ代わり立ち代わりやるので、そのトルー鉱石の光をみればどの子を選べばいいかは一目瞭然ってことか。
「うーん。でも私闇属性みたいですし、光りますかね?」
「光ると思いますよ。」
なぜそんな断言をしたのだろう。
「試しに校庭で演舞して見るといいですよ。その光を見て判断すれば良いかと。」
「確かに…。でも出ていいか私では判断つきづらいのでエラン様かアドル老師に相談したいです。」
「そうですね。今日もこれからあの空き家に行くのでしょう?確認してきてください。」
そう言うとミレーナ先生は立ち上がったので私も立ち上がった。
「確認は夜が良いと思いますよ。校庭にはいつでも入れるので試して、決まったら早めに教えて下さい。」
「分かりました。」
私はそこまで話して退出した。
結構長居してしまった。
一時間はかかっていないかもしれないけど、大半はアドル老師についてだったなぁ。
そして、私はバックは持っていたので教室に戻らず、あの空き家に向かった。
だって、休み時間になってでもしたらまた捕まるしね。
エラン様と私が結婚なんてありえないのになんで私の否定を受け入れてくれないんだか。




