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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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アドル老師のクルマ好き

戻るとメリーさんが朝食の準備をして並べてくれている最中だった。

タイミングバッチリ!

「おはようございます。」

メリーさんが私に気がついて挨拶してくれた。

「おはようございます。」

私はいつものように返す。

私が席につくと、メリーさんは作業を続けた。


よく考えたらなんか申し訳なくなってきた。


だって、朝早くから通ってもらって朝昼晩とご飯作ってもらってるんだよね。

贅沢だなぁ。


私が日本人のときは一人暮らしだったから、コンビニ弁当とか買ってきた菓子パンとかよく食べてたから、死ぬ直前は母親のご飯が恋しかった。


こちらでは仕事が忙しい両親に代わってメリーさんが身の回りの世話をしてくれる。

言葉は少なく愚痴を言わず、自分の子供もいるのに。

「メリーさん、いつもご飯作ってくれてありがとうございます。」

私は思わず感謝を口にしていた。

「へ?!あ…いえ…」

メリーさんは困惑した。

まぁ、給金はもらっているだろうしなぁ。


私はあることを思い立って自室に駆け足で戻りあるものを持ってきて作業を終えたメリーさんに渡した。


「メリーさん!あの、これ砂糖なんですけど、よかったら自由に使ってください。お子さんたちに食べさせて上げてもいいし。」


小さいボール一杯の砂糖だ。


「えぇ?!急にどうされたんですか?」


メリーさんの困惑は深くなった。

でも何かあげられるもので喜ばれそうなものは砂糖しか浮かばなかったし。


「いいから、ちょっと手に入ったからいつもの感謝を込めてるので受け取ってください。」

「あ…は…はい…」

メリーさんは困惑しながらも少し嬉しそうに受け取ってくれた。

これでいいよね。


メリーさんが、一旦キッチンに戻っていった。


「なんでそんなにたくさんの砂糖をセイラが持ってるの?」

「わ!」


私は思わず飛び上がるほど驚いた。


姉様が後ろに立っていた。

「砂糖なんて高いでしょうに、セイラの小遣いでは買えないでしょう?」

姉様は怪しむというより純粋に不思議そうにしている。

ここは説明しておくべきか、はぐらかすか。

言ったら商売に使われそうだけど、嘘つける気がしない。


しょうがない。

「実は私の能力で砂糖を作ることができまして…」

「それ!ほんとう!!?」

姉様は食い気味で目を輝かせていた。

甘いもの好きそうだもんなぁ。


「あの、他の人にはまだ内緒にしててください…」

「うーん、そうねぇ…私にも持ってきてくれたら喋らないかもねぇ。」

姉様はニコニコしながら言った。


まぁ、砂糖は作るのは難しくないし、いいけども。

「わかりました。持ってきますね。」

私があっさりと言ったので姉様は少し驚いた。

「え?そんなに簡単にできるの?」

欲しいと言い出したのはあなたじゃない!

「簡単にできたらダメですか?」

「駄目じゃないけど寧ろ個人的には嬉しいけど、社会的にダメっていうか…」

姉様はなにか焦っているような、そんな口調で言いよどんでいる。

「経済のバランスを崩すとかそういうことでしょうか?」

「そう!そういうこと!」

姉様が珍しく百面相してる。

面白い。

それは置いといて確かに南の国では砂糖が名産のようなものだからそれよりも質のいい上白糖が大量に出回ったら大きく経済が狂いそうだ。

そんなに作るつもりはないのだけど。

「うーん、それについては後でエラン様と話してみます。」

「え?あ、うん」

姉様は少し残念そうだった。

あー、一儲けしようって気持ちもあったのか。

「姉様にボール一杯分はあげます。でもそれ以上はエラン様に聞いてからですよ。」

「…わかったわ」

珍しくこちらが指示していて立場が逆転した。

それでも姉様は甘い物の誘惑に心が踊っているのか。フワフワした表情をしている。


最近の姉様は仕事人間というのがぴったりにガチガチになってたから、少し気が抜けるといいんだけど。


話がついてふたりとも席に着くと続々と兄と両親も食堂に来て全員でご飯を食べた。


パンとスープとハム、チーズくらいだけど、朝には丁度いい。

朝食を食べ終わるとメリーさんが昨日と同じようにパンやらを包んだものを渡してくれた。


そこそこ食べて準備をして、外に出るとすでにエラン様は来ていて玄関先で馬を撫でて戯れていた。

「おはようございます」

「おはよう」

「その馬、名前なんて言うんですか?」

たぶん、エラン様個人の馬だと思うんだよなぁ。


「あぁ、エスプリだよ」


「『ロータス繋がり…』」

「え?」

まさかの馬も車の名前。

いや、むしろ馬の方が違和感がないけど!

「エスプリもアドル老師が付けたんですか。」

もう私は疑問形で聞かなかった。

「え?なんでわかったの?ニホンというところでは有名な言葉とか?」

私はなんとなく答えていいのか迷った。

領主家の子供の多くが車の名前つけられてると思うし、バラしたらアドル老師の立場が悪くなるかもしれないし。

「アドル老師が付けた名前はあるすごい物の名前なんです。説明は難しいです。それ以上は聞かないでください。」

ここは嘘は言わず、適当に流そう。

エラン様は首を傾げているけど、言葉通りそれ以上は聞いてこなかった。

「すごい物かぁ…」


ちょっと嬉しそうにしてるので良しとしよう。

まぁ、車の名前ってカッコいい名前多いもんね。

私の住んでた地域では地方都市だから少し外れると車が無いと生活できなくて、実家では車によく乗ってたのよね。

一人暮らし始めてからは自転車と徒歩と電車の生活だったけど。


いつかオープンカーを乗りこなすカッコいい女になりたいとか思ってたけど、時代は電気自動車だったし、お財布事情的にも寂しいし、貧乏暇無しでそんな余裕がなかった。


乗りたかったなぁ。

ロードスター。


ってのはまぁ、置いといて、これから私は馬のエスプリにエラン様と相乗りです。


車で想像するとカオス。



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