世界の闇を垣間見る
あれ?どこ行った?
「エラン様~?」
不安になった。私一人残して帰ったりはしないよね?
暇過ぎて帰ったって言われても仕方ない。
キョロキョロしてると左側の林の木からフィーが降りてきた。
「殿下は屋敷の中を詳しく見て回ってるよ。」
フィーは何を考えてるかわからない表情で説明をした。
不思議な雰囲気の人だ。
「そうなんですね。私、ちょっと疲れちゃったので、あの椅子のところで休もうかと思います。」
私は椅子を指差すとフィーさんは頷いてまた木の上に戻ろうとした。
「あ、あの!」
思わず声をかけてしまった。
聞いてみたいことあったんだけど、聞いていいのかわからず呼び止めてから躊躇ってしまった。
「えっと…言いたくないなら答えなくていいんですけど…なんでフィーさんはエラン様のことを殿下って呼ぶんですか?」
私の問いにフィーさんは少しポカンとして答えた。
「僕にとっての君主はコアナキア家だけだから」
ん?
…フィーさんにとって王も同然ってことかな?
「なるほど…」
わかったような、わからないような。
なるほどという言葉を聞いたフィーさんは木の上に戻っていった。
私は首を傾げたまま椅子のところまで行って腰かけた。
バックから水筒をだし、水を飲んだ。
風がそよいで鳥が鳴いている。
もう日がかなり傾いてる。
そろそろ帰らないと行けない時間かな。
周回馬車は7の鐘、18時が最後だ。まだ時間に余裕はあるけど、乗れないと歩くのはしんどい。
そろそろ帰らないと。
それにしてもこの世界は空気が澄んでいていい。
ーザッザッザッザッ…
私がボーッとしてると屋敷の方から足音がしてきた。
結構な人数の…
そして、少しすえた匂いがする。
さっき空気が澄んでいると思ったのを撤回したい事態だ。
「隠し扉の奥に奴隷がいた。」
エラン様がその人たちの先頭に立ってこっちに向かってきた。
ヨーさんがヨタヨタとしてる人の介抱をしながら屋敷から最後に出てきて全員だったようだが、10人以上はいる。
半分以上は女性でギリギリ下着程度の服装だった。
でも薄汚れているし、セクシーとは程遠く目をそむけたくなるような感じだった。
「ヨー、すまないがまた頼む。」
「畏まりました。」
ヨーさんはそっとその人を芝生のようになった地面に座らせると目に見えない早さでどこかへ行った。
私が「サトウキビだ!やったー」ってやってるうちに探してたのか。
落ち込むわ。




