知らぬが仏
私はモグモグと食べながら考え事をしてるとエラン様がじっとこちらを見てた。
私はパンの固さ、マヨネーズとケチャップの話をざっくりした。
「なるほど、そのマヨネーズというのはすぐにでも作れそうですね。教えておきます。」
エラン様はカバンから木の札を出して木炭のようなものでメモをしていた。
インクペンの方が書きやすいが木炭でも書けないことはない。
擦れたりすると消えたり見えなくなったりするし、ホントにメモに使うだけ。
それを最後にもう一つの木札で挟んでヒモでくくっていた。
不便!
紙と鉛筆かボールペンが欲しい。
植物紙なら折ればカバンの中で擦れて文字がぼやけることも少ないし、かさばらない。
なんでアドル老師は紙と鉛筆を作らせないんだ!
和紙の原料はミツマタやコウゾなどの植物の若い枝。
それを蒸して冷たい水に浸して、皮を剥いで白皮にして叩いて、繊維を潰してゴミをとって水に溶かしのりを加えとろとろになったものをすいていく。
…いや、超面倒だわ。
洋紙にしても植物の繊維を細かくして…まぁ、結局工程はそんなに変わらないか。
植物紙発明した人天才だわ。
まず、合う植物を探さないといけないしな。
アドル老師、断念したのかも。
…というかサトウキビさえあればサンドボックスでたぶん作れるんだよなぁ。
サトウキビ…
ゲームやってるときに気になってどういう植物なのか調べたんだけど、イネ科なんだよね。
麦も米もサトウキビも全部イネ科。
そういえばトウモロコシとか竹、ススキやイグサとかもイネ科。
イネ科は種類が豊富だなぁ。
サンドボックスでこっちのイネ科の植物が変換されてサトウキビになればなぁ。
あ!久しぶりのサンドイッチ無意識に食べちゃった!
ガランとリンゴを数切れづつ味わって食べる。
うん美味しい。
ガランはいつもの味だし、リンゴは日本で食べた味に近い。
エラン様はメモを終えたらモグモグと幸せそうに食べてた。
特にリンゴが好きみたいでゆっくり味わってる。
こういうところを見ると日本の中学生と変わらないなと思う。
私は早々に食べ終えたので立ってあたりを見回してみた。
奥の方にわずかに屋敷の屋根が見える。
かなり広そうだ。
「エラン様、私ちょっと作業してるのでゆっくりしててくださいね。」
喉が乾いてたので私のバックから水筒を取り出して水を飲む。
この世界では水は日本よりは貴重だ。
だが、魔法があるので井戸を深く掘ることも出きるし空気中の水を集めたり雨の水を利用することもできるので乾燥地帯の割には安く手に入る。
ぐびぐびと飲み干すと水筒をしまった。
エラン様は慌ててたけど笑って「大丈夫ですよ、遠くには行きません」と言うと、また嬉しそうにリンゴを味わっていた。
私は少し屋敷の方に近づいて膝丈の草に少し足を踏み入れた。
エラン様から見えて結界外になる距離あたりで展開した。ひたすら手前から草を刈り木を伐採した。
そこに葉がピンクの木が現れた。
現実には緑なんだけど。
範囲内に二つある
それを採った。
新たに『桃の原木』が手に入った。
やっぱり!
これは中国版にはある木なんだよね。
みんな桜だっていうんだけども。
モモもサクラもバラ科モモ亜科もしくはサクラ亜科、モモ属もしくはサクラ属。
近縁なんだよね。
ちなみにアーモンドもそうだ。
サクラもモモもアーモンドも似た花が咲く。
これでモモかさくらんぼが採れればなぁ。
もう一本と他の木も採っているうちに苗木が手に入った。
やっぱり鉄欲しいな。
じゃないとバケツが作れないし、高位のツールも作れない。
水バケツがあれば栽培が簡単。
ちょっと掘ってみるか。
マコトちゃんに範囲の端のあたりから中に向かって土を掘らせる。
下の範囲は結構広がっているからうまく行けば手に入るかも。
掘りつつ岩石ブロックで天井と壁を覆えば落ちないと思うんだけど…岩石にした方がいいかな。
ちなみに岩石ブロックは小さい石をギュウギュウに詰めて固めたような石垣のようなブロック、岩石は一枚岩を1メートル四方に切り出したようなブロックだ。
ゲームではそんな感じだったけど、焼いただけで岩石ブロックがちゃんと岩石になるかも試したいね。
土を階段状でしばらく掘ると岩石が出てきたのでつるはしでさらに掘る。
しっかりと足元と壁も岩石でないところは岩石ブロックに変えておく。
ちょっと時間はかかるけど安全を考えるとやらないわけにはいかない。
角から角まで行ったとところで曲がってさらに掘る。
あ!
石炭だ!
石炭も欲しかったんだよね。
画面がすごい暗くてよく見えない。
石炭を掘り出す。
範囲外にもう少しありそうだ。
私は少しそちらに歩いて寄った。
8個くらい手に入った。
いいね。
作業台に戻るのめんどくさいから手持ち用一個作ろ。
よし、トーチ完成!
壁に設置。
石炭があったところがぼこぼこになってたので少しならしておこう…と思ったら…
岩石に錆色のマダラが入ったテクスチャが現れた。
これは。
石のつるはしでカリカリ、ポコンととりストレージを見る。
鉄だよ!!
鉄鉱石ゲットー!
4つゲットだぜ。
そういえば鉄バケツってどっちだろう。
パイオニア版か、中国版か。
鉄はかまどなんかて焼いて鉄のインゴットにしてインゴット3つでバケツができるのが普通。
でも中国版だと違う鉱石もいるから面倒なんだよな。
しかも、中国版だと鉄が無限に取れるトラップも作れないし。
どっちのゲームも一長一短だわー。
まぁ、もうやれないからそれはいいか…。
そこでしばらく掘っていると後ろから声が聞こえた。
「この穴なんですかー?」
エラン様が穴の入り口に立っていた。
しまった。
熱中して入り口が範囲外になってコンバートが勝手にされてるわ!
範囲狭すぎる!
「ちょっと待っててください!」
私は一旦掘ってたあたりの壁と天井に土や砂利があるところを岩石ブロックに置換してコンバートした。
あ、地下にいても一回マコトちゃん戻されるんだな。
私の中にマコトちゃんとアイテムの魔力が入ってくる感じがした。
だんだん感覚がわかってきて、どのくらい消費してどのくらいアイテムがあるかわかるようになってきた。
私はエラン様のいる地下入り口に近づく、そのついでに掘っていた上あたりをそっと歩いてみた。
びくともしない。
入り口すぐの上も飛んでも大丈夫そうだ。
なるほど、岩石ブロックで組んでおけば落ちないな。
ふむふむ。




