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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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学校裏の廃墟

「エラン様に一通りは聞きましたのでこのままその訓練場所に向かってください。あまり他の生徒にエラン様と一緒のところをみられるのも支障が出そうなので、明日からは直接そちらに向かってくださいね。」

ミレーナ先生は淡々と説明する。

「お手数おかけします」

私が先生にそう言って会釈をするとエラン様と目を合わせる。

前世日本人からすると芸能人と一緒にいる気分になるわ。

エラン様と共に生徒指導室を出ると人目がつかなそうなルートを使って外に出た。


「すまない。気を使わせたみたいだな。庶民が着るような服を用意させたつもりだったのだが、ミレーナ殿にわかる人にはわかると言われてしまった。」


ミレーナ先生も気を遣ったのだろうな。

服は確かに身綺麗だけど、木綿の白すぎない白の服だし普通なんだけど、顔の作りやオーラが美人過ぎるのだ。


目立たないようにというのは難しいのだな、この人は。


二人で周りを気にしながら裏門を出た。

普段は使わないが、学校の正門は表通り側で裏側は林と農場がある。

この林や農場は学校で使ってもいいところで授業の一環で使用することもある。

林の木は木札や木簡の原料にもされる。


三の壁の周りは農場と植林場がポツポツとある。

右側の手前に林、その奥に三の壁が見え、左側には畑が広がっていた。

その間の砂利道を歩いて行き、左に曲がれる道を曲がって進む。

両側芋畑が続いて、その先にこんもりとした森のようなものが見えている。

それが目的地だ。


「随分荒れてそうだな」

ちょっと楽しそうに鼻唄でも歌いだしそうだったエラン様がその森が近づいてくるにしたがって呆然としだした。


一言で表すなら鬱蒼としてる。


道の途中で十字路なんかがあってその先に農家の家やなんかがポツポツとあるのだがその周辺だけ誰も近づかないのか雑草も生えっぱなしだ。


管理してるってのは嘘だったのか?


と思ったが、その森のようなものの周りには一応石垣のような二メートルほどの壁がぐるりとあるようでその周りを囲う道は、草はあまり生えておらずちゃんと砂利道だった。


ちゃんとと言うと変だけど。


ちなみに、その森からドングリやら実やらが周りにばら蒔かれてるのか、道以外のところには低木程度に木が生え始めてる。


見た感じいろんな木があるようだが、樫に分類されそうなよく日本でも自然公園で見るような木が多い気がする。

詳しいわけではないが、植物は好きだった。


母と一緒に植物園によく行ったものだ。


ここは異世界なのに日本でよく見た植物のようなものも多い。

言葉が違うし、セイラは植物に詳しくないから完全に一致するのかはわからないけれど。

まぁ、違うものも結構あるんだけど、分類的には柑橘類のガランとかたぶんジャガイモだろうというホクレンという芋がよくとれたりとかするしね。

転移してきた人がいるということは植物や動物が何かのきっかけで行き来してる可能性はあるのかもなぁ。

まぁ、それこそ神のみぞ知るところか。


私があたりを見回しながら歩いていると、正面に馬車が通り抜けられるほどの広さの門があった。

門は鉄格子で錆びてボロボロで今にも崩れそうだ。

「これは酷いですね。」

私がエラン様に同意を求めるとため息を吐いて鍵を出そうとしている。

「管理するにも人手が足りないので最近の見回りは月一程度になってたみたいですよ。それにしても酷い。鍵が空くかどうか。」

エラン様は門の鍵と格闘している。

錆が酷くて渋い。

こういうときは55○!…ってないのよねー。


ーガジャリ…


ガチャとは鳴らず異音を鳴らしながら鍵が空いた。


門は引戸タイプだった。

門の取っ手部分を持って力を込めるエラン様。

細身に見えるけれど、木綿の緩めの長袖を着ていてもわかるほど筋肉はある。

いわゆるマッチョではなく細マッチョな感じ。

ちゃんと使われている筋肉だ。


ヤバイな、こんなにイケメンで細マッチョで性格も優しくて、しかも地位もあって若い。


完璧じゃん!


と、思っていたら人一人通れる程度に門が空いていた。


ごめんなさい。

私、なにもしてない。

エラン様に見とれてただけ。


「ふぅ、何かつっかえてるみたいだね。

とりあえず、これだけ開いてれば入れるかな。」

「ありがとうございます、エラン様」


とりあえず感謝を言葉にしておかないとな、うん。


エラン様が中に入り、私も中に入る。

鉄格子越しにもよく見えてたけど、膝のあたりまで草が生い茂っている。

ほとんどが単子葉植物のようだ。

日本で言うイネ科だ。

米とかないかなぁ…


とか考えてたらエラン様が門の開かなかったところを見ていた。

私もガサガサと草をかき分けそこを見ると木の根が引っ掛かっていたようだ。

両開きだったが、どちらも木の根が酷い。

「あの、ここまで酷いとは想像してなかったのですが、力使ってみます?」


あ、優しいエラン様の悪魔のような笑顔。


さすがに使える能力は使えばいいと思ったようだ。

まぁ、お役に立てるならやぶさかではない。


恩を売るチャンスですね!

とか私も下心見え見えの笑顔で返す。


「はい!お役に立って見せますね!」


二人でニヘラと笑いあうと、私はあたりを見回して門から少し奥に入って能力証を取り出した。

それを見たエラン様は門のそとに出ていた。

範囲内にいても何もできないしモヤにつつまれて足元危ないからね。


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