整地
私は皆が範囲外に出たところでスキンを動かした。
さっきのエラン様やアドル老師が商人だったのが気になって私の方をスキンで見たけど私のいる二ブロック分は岩盤ブロック表記になっていた。
なるほど。
そこから作業台でまず石の斧を作ったら岩石ブロックが無くなった。
丘になってるあたりの木をほぼ伐採して土を掘る。
時間がかかるなと思ったので、岩石が見えるまで掘って石のつるはしである程度採集して、石のシャベルも作る。
そこからは黙々と作業だ。
丘を切り崩しある程度平らになったら下の方は岩石だったので岩石と土を入れ換えて表面は土の平面にした。
その間に苗木として落ちてきたものも回収していたので、それを植えた。
あ、このままコンバートすると苗木は苗木のまま?
あれ?木ってどうなるの?
しばらく待ったら大きくなるかな?
私はどうしようか悩んでいると最初に植えた苗木が大きくなった。
よし、試しだ。
このままコンバートしてみよう。
私は一度顔を上げてみるとあたりは白い靄で一杯だった。
たぶん元の光景はないだろうな。
私自身は一番低いところから動かずにその場からスキンを操作していたから現実世界はもう何も見えないくらいだ。
これ大丈夫かな?
とりあえず、足元の土は残ってるし、岩盤表記になってる下は残したんだよね。確か二段くらい下がってる。下側が岩石ブロックで上側が土だったはず。
私の脳裏にコンバートして崩れた土くれがよみがえってきた。
あれ?やばくない?二メートルの高さに不安定な状態で出るのでは?
私は怖くなったので私の周りだけ岩石ブロックで覆った。
つまり幅3×3高さ2メートルの上に立ってる。
作業台でたくさんの木がとれたので木で階段を作る。その台に階段を設置した。
たぶんこれでいいはず。
そっとコンバートボタンを押す。
立方体が収縮して私のなかに入ってくる。
さっきに比べて違和感が強い。
たくさんとったしな。
ーパラパラパラ…
身構えていたけれど足元は問題ない。
残ってたわずかな葉っぱが落ちてくる。
あたりを見回すと普通に現実の苗木が4つあり、大きくなった苗木は立派な木になっていた。
私自身ビックリだ。
普通にそこだけ植林されたような整然とした雰囲気なのに最初に植えた一本と足場を作っているうちに大きくなっていたのだろうもう一本が立派な木になっている。
3×2で植えた左右それぞれ一番奥がちゃんと木になっている。
あまりの変容ぶりに言葉にならず私自身呆然と立ち尽くしているとエラン様とアドル老師が駆け寄ってきた。
私の作った足場の下で見上げている。
二メートルも下だから朝礼の時に使う台を想定してたらゾッとした。
結構高い。
「途中から見えなくなったから心配だったけど、これはやばいな。こんな能力建築関係者が知ったら取り合いになるぞ!」
開口一番アドル老師が心配の顔を向けて言った。
「とりあえず、すぐにでも領主と契約した方がいいですね。」
エラン様も今度はかなり真剣な面持ちだ。
「契約?…とりあえず、この足場も崩して、あの窪みも直してからでいいですよね?」
私、というか誠子は高所恐怖症なんだよ。
セイラはそうでもなかったが木から落ちたせいか、前世に引きずられているのか恐怖が湧き上がる。
早くここから降りたい。
それから私はエラン様にエスコートされてその台座から降りると再び展開して台座を崩し、他と同じように土で覆ってコンバートすると、中央奥の木がもう一本大きくなっていた。
森の木のように自由に映えているのに三本は不気味なくらい綺麗に並んでいた。
そこから展開していない状態で前の場所にいって能力を使い整地をした。
残りの苗木から一本植えて終わった。
その様子を見ていたアドル老師とエラン様の気迫に負けて早足で一旦アドル老師の家に戻った。
エラン様は戻るや否や「私が戻るまでここにいなさい」と真剣に言うので頷くしかできず、エラン様は駆け足で城に戻っていった。
夜になっても私はアドル老師の家から出ることができなかった。
何も泊まる用意とかしてないんですけどー!




