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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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アドルの家

城から出るアドル老師はそのままスタスタと厩舎側に向かっていたけど、エラン様が門番に何か言付けをしていた。

私はとりあえずアドル老師に付いていく。

他の侍女と兵士と先生も付いていく。

そういえば、エラン様はお付きの人はいないのか?

物騒な気がするが。

厩舎の前辺りまで来る頃にはエラン様は気がついたら横にいた。


足はえー


しかも息も切れてない。


そこから厩舎小屋を左に曲がるとさらに道が続いていて、林に隠れて見にくいが家が見えてきた。

サイズ感はうちに近い。

ただ作りは頑丈そうだ。

老師はポケットから鍵を出すと自ら扉を開けた。

「さ、入りたまえ。」

老師が示すように家の中に入った。

中は現代日本のちょっと金持ちの家のような作りだ。

玄関に小上がりのような段差がある。

全員が玄関の中に入れる広さはあったが兵士は扉の外で待機状態に入った。

あ、この人アドル老師の護衛だったんだわ。


エラン様が、靴を脱いだ。

侍女も靴を脱いだ。


あ、やっぱ靴脱ぐのか。

と私も靴を脱いで上がると、ミレーナ先生が不思議そうに私たちを見た。


ですよねー


「ミレーナ殿、我が家では靴を脱ぐのだが、構わんか?」

「え?」

ミレーナ先生が珍しく狼狽している。

そりゃそうだ。

こちらの世界では靴を脱ぐのは風呂に入るときと寝るときだ。

室内靴のサンダルのようなものにはきかえる人も多いけれど、基本裸足はない。

「これは少々異文化すぎるか。ではミレーナ殿は一度学校に戻りもう少しかかるので、迎えにカエラ殿を寄越すようにトールゲン商会に伝えてくれるか?」

「あ、はい!かしこまりました。」

ミレーナ先生は伝言役を頼まれたのに嫌な顔はしなかった。

というか人前で靴を脱ぐのを嫌がっていた気がする。

「何もないとカエラ殿もどうすればよいかわからないだろう。ライザ、木札を」

エラン様が侍女に向かって言う。

侍女の名前はライザか。

ってかアドル老師は一度も名前呼んでないな。

というか呼ばなくても意志が通じてるように動いていたから、相当優秀なんだろうな。

「少々お待ちください。」

アニメ声なのが気が抜ける。

見た目は地味な感じで栗毛で低い位置でお団子にしてる。

目の色も焦げ茶色。

だが、アニメ声。

アニメ声って言ってもわかりにくいだろうかアン○○マンのメ○ン○ンナのような声だ。


ライザは奥に行くと箱の代わりに木札と羽根ペンとインク壺を持ってきた。

エラン様が木札とペンを受け取るとライザがインク壺を開けエラン様はそのインクを付けてその場でサラサラと文字を書いていく。

最後にはエラン様のサインのようなものが書かれている。

木札はB5くらいのサイズで厚さは0.5センチ位だ。

それをミレーナ先生が受け取った。

まだ乾き切っていないのでお盆を持つように持って軽く会釈するとすぐに出ていった。


「これで、秘密を共有するに良い人数になったな。」

そう呟いたのはアドル老師だった。

「ミレーナ殿は大丈夫でしょうけどね。何より生徒思いの良い先生のようだし。」

エラン様がそういいながら部屋の奥に進む。

私はここまでほぼ自分の意思でなにもしてないし、よく理解できてないが、今のところ悪い人には会ってないようだ。

運がいいのかもしれない。

「あ、あの!ありがとうございます。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

思わずエラン様とアドル老師の後ろからそんな言葉をかけてしまった。

アドル老師はそのまま笑いながら奥の部屋に入っていったけど、エラン様は振り返って笑った。


「迷惑じゃないよ。

やっと老師の探してたものが見つかったのが私は嬉しいんだ。

心配ごとはないこともないけど、君はその能力を誇っていいよ。


そして、全力で君を守る」


尊い!

イケメンすぎ!

召される!



「エラン様がそのようなことを言ったら大抵の女子は卒倒するのでお止めください。」


そう言ったのはライザだった。


おお、ライザよ。

まさにその通りだが、君はなぜそんなに無表情なんだい?


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