表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
124/382

エスプリの休息時間

家にたどり着くと流石にエスプリも疲れたのか動きたくなさそうにしてたので、一旦エラン様も応接間に通すことになった。

もう、うちの家族は慣れたものだ。

メリーさんにお茶を入れてもらったところで帰ってもらい、私だけ食事を切り分けてくれたので応接間でエラン様も少し食べていくことになった。

少し足りなそうなので、裏庭に出て展開をして、手持ちにあったパンをいくつか出してきた。

便利な力だ。


「ところで、今日は異常はなかったかい?」

エラン様は私が出したパンをちぎったところで話しかけてきた。

私は一口入れていて一瞬吹きそうになった。

「その様子だとやっぱり姉様が来たんだね。ごめんね。数日滞在してた姉様からベレファ邸について聞かれたから…。」

ベレファ邸についてってことは私がどこにいるか聞いたんじゃないのか…。

エラン様がベレファ邸に出入りしてるのは知ってて、私と絡んでると踏んで確認したってとこかな。

食えない人だな。

バカっぽく見せかけて実は頭いいタイプだな。

「お姉様もとてもお綺麗で聡明そうな方でしたね。それにしても牛乳が相当お好きなんでしょうね。『クッキー』もとても喜ばれました。」

「え?牛乳?クッキー?食べ物出したの?」

「はい、まずかったでしょうか?家畜が来て牛乳が取れるようになったので丁度タイミングよく食品の加工をしてたんです。食べてみようとしたときに来たので差し上げました」

それを聞いたエラン様はニヤニヤしてた。

「それはそれはいいタイミングで来ましたね。確かに姉は牛乳が大好きですから。あと、食べ物を前にすると頭が回らなくなるくらいには食いしん坊です。」

エラン様は笑っている。

なるほど、あの最初のバカっぽい感じは牛乳が飲みたくてそうなってたのか。

本来ならもっと距離の詰め方がうまいのかもしれない。

「ところでそのクッキーというのは…?」

エラン様が少し子犬のような目をしている。


似たもの兄弟だな。


今は持ってないことと、甘い焼き菓子だと伝えるといずれ買いますと宣言した。


エラン様はやっぱり甘いものが好き。


「そうだ。ミアータ様が明日からご兄弟が私に会いに来るかもしれない…と言ってました。」

そう言うと苦い顔になった。

「姉だけでなく…ですか。」

私がミアータ様から聞いた一昨日のあらましを話すとエラン様は眉間を押さえていた。

「そう…だったんですか。てっきり兄弟はそこまで興味を示さないと思ってたんですが…。兄様達の反応ですら驚きだったので頭が回りませんでした。なぜ私がコアナキア家を離れることをそんなに嫌がるのでしょうか。それとも自分が離れたかったのに私だけずるいとかそういうことでしょうか。」

出たー。

エラン様の自信のなさが生む誤解。

自分のことに関してだけやたら歪んだ解釈しかしない。

「エラン様、ご兄弟の本当の気持ちと向き合うべきです。それと、エラン様自身を誤解しています。過去何があったのか、私はよく知りませんが、エラン様は特級なんですよ?」

エラン様は目を丸くしていた。

「それに近いことを、ミアータ姉様とアドル老師にも言われたことがあります。何か聞いたのですか?」

少し不安そうにしている。

「そのような何かがあったのかな?と推察できるレベルのことしか聞いてませんよ。私は前世の知識がありますからね。前世は色々な物語をどこにも行かずに家で閲覧できるような環境でしたから、知識があるだけですが。」

私が少し気軽な感じで話すのを聞いたエラン様は納得したように苦笑して

「そういえばそうでしたね。」

と言った。

「それはともかく、私はエラン様の婚約者となるのですから、エラン様が気が向いたら愚痴でも相談でも話してください。」

私が真っ直ぐエラン様の目を見つめるとぽかんとした顔からクシャッと笑った顔に変わった。

きっと自分がしっかりしなきゃという気持ちが強くて愚痴や相談をするという感覚はないんだろうな。


「そうですね。今日はそろそろ帰らなければなりませんが、今度聞いてください。」


そう言ってエラン様は僅かに西の空に明るみがあるうちに帰っていった。

明日も仕事が立て込んでいるから送り迎えだけということを悔いていた。

会えるだけでも私はうれしい。


うれしい?

やっぱり私はエラン様を好きになってるのだろうか。

婚約するのだから今更なんだけどね。


食器をカートに載せて食堂に戻ると家族が食事を終えこちらを見て待ってましたと言わんばかりに食卓に座らさせられた。


エラン様の過去についてはよく知らないし言うわけにも行かなかったからミアータ様に会い、他の兄弟も会いに来そうだという話をした。


ベットに入り少し憂鬱になった。


明日はレヴェントン様かリアセルト様どっちが来るのかなぁ…。

そういえばリアセルト様はアドル老師が名付けしてないんだなぁ…


だって車の名前じゃないから。


レヴェントンかぁ…闘牛のマークの会社…。


闘牛…


いきなり襲われたら怖いから明日はなるべく結界貼っておこう。

結界くらいはいいよね…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ