火竜砂漠へ行きたいな
「良かった。間に合った。」
そう言ったエラン様の声は少し疲れてはいたがとてもいい笑顔だった。
「わざわざ急いでこなくても周回馬車でも良かったのですが…ありがとうございます。」
私が苦笑いをして答えるとさっと馬から降りた。
そして…
目の前が塞がれた…
じゃなくて抱きつかれた!
どうした!?
なんで!?なんで!?なんで!?
狼狽えて固まっているとすぐにエラン様は離れてニコッと笑う。
「さ、送りましょう。」
「は…はい」
私はびっくりして了承の言葉をひり出すので精一杯だった。
ミアータ様の仕事で何かあったのかな。
というか、仕事押し付けてきたって何させられてたのやら。
と馬に乗せられたもののそれほど速く走っていない。
馬の息が結構上がっている。
「どちらに行かれてたのですか?馬がとても疲れているようですが。」
「あぁ、流石にこの子もきつかったかな。火竜砂漠の近くまで行ってたんだ。」
「え?」
火竜砂漠ってあの塩湖があるかもしれないと睨んでいるところか。
「火竜が時々砂漠を出て集落を襲うことがあるんだよね。その討伐さ。でも行ってはみたものの今回はそれほど大きくなかったかな。普段はそのくらいなら騎士団で対処するんだけど…」
振り返ってみたエラン様の顔は不思議そうな表情だった。
たぶんそれミアータ様が盛ったんだよ。
なるほど…火竜か。
塩湖…砂…火竜…あらたな素材…
「火竜砂漠…行ってみたいな…」
「え!?危ないよ。火を吹くトカゲがうじゃうじゃいるんだよ?しかも奥に行くとそれより大きい翼竜がいるという噂だよ。」
翼竜、つまりドラゴンか。
でもそれ以上に素材が気になる。
いや、別に怖くないわけではないけれど。
入り口に行って調査もできそうだし、地下から様子を見るとか、マコトちゃんに見てきてもらうという方法もできそうなくらいシミュレーション距離伸びたしな。
あとは地図でも作れたらいいのだけど。
革がそれほど集まってないからとりあえず、釣りしないとな。
「もしかして、セイラちゃん本気で行く気?その様子は何か行く必要でも出てきたの?」
あ、エラン様、鋭いな。
「諦めきれないなってところはあります。前世の知識からすると火竜砂漠には塩の湖がある可能性がありますし、周辺の集落に行くだけでも新たな素材が集まりそうですし、何より砂がほしいのですよね。」
ガラスを大量に作るにはガラスがいる。
現在窓という窓はトラップドアと木の窓で作っているので跳ね上げタイプのただの木の板とかわらない。
それ以外にも瓶もたくさんあれば牛乳やポーションをストックできるし、あるに越したことはない。
確かランプとかの欄にもガラスが書かれてたりしたしね。
まぁ、ランプは材料が足りないっぽいけど。
何故か竹がいるんだよね。
なんで、竹……はっ!?フィラメントか!
確か最初に電球が作られたときに使ったのは竹だったはず。
厄介な。
まぁ、アミュティリストーチがあるからまだいいけど、アミュティリス石が少々希少だからなぁ。
ランプほしい。
そういえばランプとオイルランプ両方あってなんで?と思ったんだけど、オイルランプの方は材料がまだ手に入ってないものっぽかったんだけど、油かな。
まぁ、オイルランプも砂が無きゃどうにもならないけど。
油というと石油、植物油、魚の油…。
今の所魚はあるけどできるかどうか。
「またセイラちゃん何か企んでるでしょ」
エラン様が少し楽しげに聞いてきた。
「企むとは人聞きが悪いです。」
私が少し振り返ってむくれているとエラン様はクスクス笑っていた。
その後、少しゆっくり歩いていたら馬の息が整ってきたので速度をあげた。
ごめんね、エラン様の馬…
確か名前はエスプリ。
頑張れエスプリ、ありがとうエスプリ。




