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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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三の壁の中へのお使い


3の壁内に入るのは難しくない。

特に能力証を持った今となっては簡単だ。

名前を端に穴の空いた木札に記入して門番に渡し、能力証を見せるだけだ。

帰りにその木札をもらえるので使いまわしができる。

ちなみによく通ってる人は顔パスだったり、住民は能力証にマークをつけることができるらしいし、能力証交付の際は引率者が顔パスなので素通りだ。

壁外の人が止められた場合のみ木札と能力証が必須というゆるい感じだ。

通りがかりに門番が木札を持っていった先を見ると木札が入った細かい枠で区切られた棚が並んでいた。

適当に入れてるようには見えないから名前順とかなのかな?


壁内に入って衣料品店を探す。

そんなに壁から遠くなかったはずだ。

私は住所を頼りに歩いた。

日本の住所とは少し表記は違っている。

3の壁内は先に道が作られた街でバームクーヘン状なため、5本の年輪を書いたような大通りと放射線状にいくつも通りが走っている。


3の壁側から『外壁通り』『セルオーア通り』『ソサイフェス通り』『クノーツキ通り』『内壁通り』というらしい。

外壁通りと内壁通りはそのまま外壁際と内壁際だからだけど、中3つの通りの名前は精霊に由来するらしい。

確かニの壁内にも通りがあってそっちは『内壁内通り』『ナディオン通り』『フィアマレウム通り』『城壁通り』となっていて内側から曜日と同じ順に精霊の名前が並んでいたはず。


あんまり壁内に入らないから馴染みはないのだけど、壁内の人は普通に使ってるらしい。


そして、放射状の道は偉人やエピソードにちなんだ名前らしいけど、南の大通りだけは外からまっすぐに続く道なので『南大通り』というそのままな名前がついている。


私は南大通りからソサイフェス通りに入って放射線の道の1つ目の通りの角に衣料品店があった。

その通りの名前はトーマス通り。

たぶん人の名前なんだろうけど、なんだか青い乗り物を思い出した。


ちなみに店の名前はトーマス衣料品店だ。

まんま…。


あまりこちらの世界では衣料品店に入ることはなかったから二の足を踏みながらトーマス衣料品店に入ると「いらっしゃいませ~」という溌剌とはしているがおとなしめの声が聞こえてきた。

店内はそれなりに広いが日本のしま○らとかに比べたら全然狭い。

だが、品数はそこそこある。

売り場は一階だけなのか、2階以上へ続く階段はカウンターの中にあるようだ。

カウンターの横には採寸や試着をするための小上がりのような仕切られた空間が3つあるが今は誰もいないようで開かれている。

こちらの世界でも試着室のスタイルは小部屋にカーテンのようだ。

「すみません、収穫祭の衣装の件できたのですが」

私が従業員らしき若い女性に話しかけるといつものことだという様子で「こちらへどうぞー」と比較的笑顔ではあるが軽い感じで対応された。

試着室の前で待つよう指示された。

おねえさんはカウンター奥の階段を駆け上がるとしばらくしてすこしふっくらとした40代くらいの女性を連れてきた。

「収穫祭の衣装ですね。紹介状見せてくださいね」

女性は私から木札を受け取りカウンター上にあった木札になにかを写していた。

「あら?トールゲン?…トールゲン商会と関係あるのかしら?」

そこ、やっぱひっかかるかー。

服飾関係も取り扱ってるからなぁ。

でもここと取引あるのかは知らない。

「あ、はい。トールゲン商会の会長は父です。」

「あら、そうなのー。うちでは綿布を卸してもらってるのよー。」

そうおばさんがニコニコと木札を返してくれた。

関係は悪くないのかな?

良かった。


 その後おばさんは世間話をしながら大体の採寸をしてくれ、慌てるように一度上に上がっていった。

忙しかったのかな?

しばらくして駆け足で戻ってくると白と赤の衣装を持ってきた。

それを広げるとちょっとビックリした。

上は白で浴衣のような重ねて脇腹あたりで紐で縛るようなものだ。

もちろん袖は程々に垂れている。

そこに膝より長い赤のスカートを履く。

なんというか…巫女さんの服みたい。

下は袴ではなく普通のスカートで腰回りにリボンが入っていて縛るタイプだ。

そこに最後赤のリボンを縛るらしい。


これは…


なんだか恥ずかしい。


懐かしさも感じるが恥ずかしさのが勝ってる。

コスプレみたい。


「あら?『キモノ』の着方知ってるんですか?」


とおばさんが言った。


うん、知ってるよ。浴衣とか甚平くらいは来たことあるもの。


あー…

誰だろこの文化持ち込んだの。

時代的にアドル老師じゃ無いよね。

ってことは織田信長?

他の人?

絶対に日本人!


私はごまかしつつ試着を終えた。


「これで良さそうね。スカートの長さだけ調整しておきますね。あとはその木札持って前日までに来てちょうだいね。返却は数日中に返してくれればいいですよ」

そんなおばさんにお礼を言って店を後にした。


あれを着て踊るのかー。


私は恥ずかしさと懐かしさを噛み締めながら三の壁の門に着いた。

そこで能力証を提示し、木札を受け取るとカバンにしまい、ベレファ邸へと急いだ。




メモ 【通りの名前】



【城】

==========一の壁

城壁通り


フィアマレウム (火の精)通り


ナディオン (水の精)通り


内壁内通り

==========二の壁

内壁通り


クノーツキ (木の精)通り


ソサイフェス (土の精)通り


セルオーア (風の精)通り


外壁通り

==========三の壁

【壁外】


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