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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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秘密の通路

二人で二階の奥の部屋まで向かい見てみる。

扉は最奥と左手前に小さいものがある。

左手前は侍女が主人のために支度する用の扉か何かなんだろう。

小さい方の扉を入り中をみると奥側に扉はなかったのであろう通路がある。

通路を通ると正面と手前2面全てにハンガーをかけれそうなポールが備え付けてあり、左奥に燭台がある部屋だった。

たぶんウォークインクローゼットだろう。

するとウォークインクローゼットと思しき空間の衣装をかけるべきポールがある向こう側に、ドアというよりも通路が開かれていた。

その部屋の作りは元々は図太いL字のような形をしており、縦棒の真ん中あたりが廊下の突き当りにあたる。

そして、横棒の左端にあたる部分に通路が開かれていてその廊下側の壁に備え付けの燭台があり、それが傾いているのがわかる。

どうやらそれがスイッチになっていたようだ。

この屋敷にはいくつか似たような備え付けの燭台があったがそれはカモフラージュだったようだ。

私とエラン様はその通路を通り中へ入るとやはり中は日の光が届いていなかったが、アミュティリストーチが壁についていたのでそこまで暗くはなかった。

その部屋の中にはたくさんの本棚があった。

仕掛け扉を抜けた先を右に曲がるとその正面が本棚だ。

さらに右へ向くと空間があり、その奥へ行くと下へ続く階段が右側にある。

階段の手前側の左にはこじんまりとした机と椅子が置かれてる。


本棚には羊皮紙の巻物と木札や書簡のようなものがたくさん並べられているようだ。

エラン様はその棚をちら見するとすぐに階段を下った。

その途中にアミュティリストーチがあったが、その先はもっと暗くなっていた。

私がアミュティリストーチ取ってこようかな?と考えるまもなくエラン様が無詠唱で光の玉を左手に出現させていた。


一番下まで下るとさらに奥に廊下がありそこを進む。一分もかからずこじんまりしたドアがあったので開けると少し広い空間に出た。

天井には燭台のようなシャンデリアがある。

ろうそくが4本乗せられるようだ。

正面には大きな観音扉があり左には薬瓶のようなものやよくわからない道具のようなものがずらりと並んでいた。

真ん中に机があり、机には書類のようなものが散乱していた。

少し空気が淀んでいる。

地下独特の臭いがするが、火事の影響なのか焦げ臭さが残っている。

だが、この部屋は燃えなかったのだろう右の壁には大きな絵がかけられている。


「これは…」

エラン様は薬品の棚を見て絶句していた。

何かあったんだろうか。


 私は机の木札の書類を見ると精霊についての記述を殴り書きしたもののようだ。

丸で囲ったり大きめに書かれているものが目に入る。

『闇の精霊』

『闇曜日の子供』

『全属性は闇に集結する』

『全属性を捧げる』

『スロンレコア』


スロンレコアは南の隣国だ。


その横に見慣れない言葉が大きく書いてあった。

『秘術 ドウラオ』

闇曜日の子供に他の属性を捧げると何かが起こる?そんな感じのことが書いてあるような気がする。

というのも知らない文字が書かれているから読めないところもある。

「エラン様、ドウラオってご存知ですか?」

「ドウラオ?…聞いたことないな。」

エラン様が厳しい顔をしてこちらに来た。

普段ニコニコしてるから逆にドキッとする。

机の上の文字を指差すとそのあたりの書類を取って読んでいる。

一番上にあった書類は知らない言葉が細かく書いてあるその上に大きく線をひいて枠外にメモしているような感じだった。

まるで教科書に書き込みがされているような印象だ。


「闇曜日の子供に…他の属性の子供の…魔力を注ぐ……その子供を……」

エラン様はどうやらわからなかった文字が多少読めるようだが、そこで声に出すのをやめた。

さらにさっきより険しい顔になって書類を見つめていた。

私は手持ち無沙汰だったので右にある絵を見た。

なんの変哲もない風景画に見えた。

しかしそれにしても大きいな。


「気配はこちらからですね…」

書類に全部目を通したのか、すっかり笑顔の消えたエラン様が横に立っていた。

気配?

あ、そうだった、トルードアがあるって言ってここに来たんだった。

私はそう聞いて右側から額に触れてみた。

エラン様も左側から触れている。


ーガタン!


少し額を引っ張ったら動いてしまった。


というか、隠し扉だ!


上側に蝶番がついてて単純に引っ張ると上に開くようになってる。

私とエラン様はアイコンタクトをして額を持ち上げる。

絵の裏には私のいる右側に備え付けのつっかえ棒があった。

それを額の下側に少しくぼみがあったからそこに入れると少し開いたままになる。

その状態で覗くと、絵の裏には大人はちょっと屈めば通れる程度の穴が空いていた。

高さ的には150センチ位に見える。

エラン様はちょっとオーバーだけど、私はまだ立ったまま通れそう。

エラン様は迷わず先に入るので私も続いた。

入るときに少し段差があったがやっぱり余裕で通れる。


穴は1メートルもない程度でその先は前の部屋と同じ高さに戻り、3メートル程度の縦横高さのさいころのような部屋がある。

その正面にトルードアがあった。


エラン様がトルードアにアクセスすると数字がが浮かび上がる。

「数字がわからないな。」

そう言って腕を組んで考え込むエラン様。


真剣に悩んでるところ申し訳ないのだけど、私はここを突破する方法を知ってる。


「展開しますね。」

私はエラン様にニコリと笑いかけると能力証で最小設定にして展開しその狭い空間にマコトちゃんが現れる。

一回斧で試したけど斧では回収できないようだ。

鉄ピッケルかな…。

マコトちゃんに鉄のピッケルをもたせると正解だった。


ポコンと音がして、トルードアを回収した。

そして、コンバート。


「!?」

エラン様がトルードアのあったところと私の顔を何度も往復して見て口をパクパクさせていた。


マルチでやったら「壊さないで!」って怒られそうだけど、サンドボックスではどうしようもなくなったらとにかく掘る。


地上に出られなくなったら直上掘り、閉じ込められたら素手でも掘る、高さのある水中で酸欠になったら横に掘る。


掘れば解決することが多い。


「ズルくない?!」

あ、やっとエラン様が笑いながら一言吐きました。

大興奮で笑っておられます。

「そんなんありー?」「これじゃどんな仕掛けも意味ないじゃん」と今までの王子様感はゼロでケタケタ笑ってる。

どうやらツボったらしい。


やっぱりまだ14の子供ですね、かわいいな。

でもやっぱイケメン。


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