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能力の名はサンドボックス  作者: soumamumu
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あれよあれよと言う間に

そして、兄とエラン様は二人でベレファ邸の利用方法などを話している間に、私は一番広い距離で展開をして諸々の処理をおこなった。

そこで気がついたのだけど、実はもうベレファ邸まるまる入る距離に結界を広げることができるようになっていた。

どこまで広げられるんだろうか。

私は屋敷の裏庭の方の椅子に腰掛けたままマコトちゃんを走らせた。

そしてもう一つ気がついたがどうやら、私が座っているものや触れているもののブロックに当たる部分は壊せないようだ。

つまり、椅子、机のブロックは殴っても反応なし。

表記上椅子は私が座っているので岩盤表記で見えなくて、机はその横にあるけど手を置くと見えていても壊せなくなる。

まるでバグみたい。


ある意味安心だけどね。


マコトちゃんはアドル老師が放棄したゴミを処理していた。

ゴミは展開してその場に行くと何やらごちゃごちゃとした色んなものが山になっていてその上や隙間にアイテム化したものが現れた。


なるほど、ブロックを壊してアイテム化しなくても物によってはそのまま入手できるんだ。


でも待って、アイテム化した状態では消えたよな…。

苗木で実験したはずだけど…。

もしかして、マコトちゃんが触れて捨てた物と元々あった物がアイテム表示されたものでは違う動きをするのかもしれないな。

じゃないと範囲内に入っただけで色々消えてしまう。

これも検証だな。


アイテムを拾ってからその山を崩して均して取ると手元には木材や木の棒、鉄の塊、銅の塊、燭台、木綿布、そして綿糸があった。


糸?


私は前世の記憶を探っていた。


パイオニア版では糸から羊毛ができるんだけど、綿糸ってことはどうなんだろう。

まことちゃんを私のあたりまで戻して、作業台を見る。


綿糸を集めて木綿布はできるようだ。

でも綿糸や木綿布からはベットはできないようだ。

ただ、木綿布から木綿のカーテン、木綿のカーペットなんてものができるようになってる。

そしてよく見ると、下の方に綿で作れるものが更新されていた。

特に気になるのが綿のベットなるものだ。

通常のベットの材料は木材と羊毛だけのようだけど、綿のベットは綿がいるようだ。

もしかして綿糸や木綿布が手に入ったからその元となる綿の項目が開いたのかな…。

うーん、いつ開いたのか記憶がない。

もしかして前の段階で開いてたのかな…。

家に帰ればすぐに綿花は手に入りそうだし、これは入手しておきたいな。


それにしてもかなり私の知ってるサンドボックスゲームのアイテムとはかけ離れてきたな。

いずれはそういうのもあるゲームができるのかもしれないけど、そのゲームをプレイできずに死んだことが悔やまれる。


って、今できていると考えてればすごいラッキーか。


その後、倉庫の材料などを使い家畜小屋を整備した。

その流れでたくさん増えた鶏を一度処理し、また増えるように餌を置く。

他の作物も一通り収穫と植え付けを済ませ倉庫整理をした後展開したまままコンバートをして、その状態で表側へ行くと兄とエラン様がまだ話し合いをしていた。

そろそろお昼の時間だ。


「セイラをここに住まわせるって、本気ですか?」

兄の大きな声が聞こえた。

「その方が警備はしやすいのです。なんなら城でも構わないが、城だと私の家族が迷惑をかけるかもしれません。私は比較的自由に動ける身なので、この邸宅に一時的にでも住むことが可能なんです。私の警護の者であれば実力は折り紙付きです。」

エラン様の声はそこまで大きくないが前庭は私の能力で切り開かれているからよく通る。

「セイラはまだ9歳なんですよ!」

誕生日明日って知ってるよね、兄よ。

「明日には10歳です。貴族の世界では10歳頃に婚約し15歳頃に成婚するのが通例です。」

え?エラン様、私の誕生日なんで知ってるの?

って、待って、婚約してもう一緒に住むって話してる?

「セイラは商人の子です。商人の世界では15歳頃に婚約して18歳頃に成婚です。」

ちょっとまって、兄は時期は早いけど認めたってことなのかな?


「セイラさんはアドル老師のように特別な存在になります。あなたもご存知でしょう?アドル老師はこの国のあり方を根幹から変えた人です。彼女はそうなるんです。いずれこの領を、もしくは私の側から離れることになるとしても、私はできる限り彼女を守って行きたいのです。」



え?私が離れるってどういうことだろ?


「……」

兄も押し黙って眉を寄せている。

「あの、離れることになるんでしょうか?」

私が、二人の側に寄ってその疑問を口にするとエラン様はハッとして笑顔を取り繕う。

「気が付きませんでした。この結界の中ではずっとセイラさんの気配がしているので。」

私が苦笑いを返すと少し言いよどんでから言葉を続けた。

「…もし…皇帝に知られることになったら、私と婚約しても解消させられて、皇帝の近親者と結婚させられるかもしれません。」

「えええ!?それは嫌です!」

…っと、思わず口から出てしまった。

あれ?私、エラン様と結婚したいのかな?

うん、そうなのかも…。

それを聞いたエラン様はちょっと嬉しそうにした後困ったような表情になった。

「私はセイラさんが満足して暮らせるなら構いませんが、そう言ってくれるならできるだけのことはしてみます。ですからお兄さん、ご協力をお願いします。」

エラン様はまた土下座でもしそうな雰囲気で頭を下げている。

「う…うん…。わかり…ました。」

兄は苦渋の選択というような表情をしている。

その後、ペコペコと頭を下げて喜ぶエラン様を見て思ったことがある。



エラン様、仕草が日本人みたいだよな。

懐かしい。


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