ベレファ家の噂
「それにしてもベレファ邸を買ったというのはほんと?そんなお金どこにあったの?」
母がそう問い詰めてきた。
「能力の調査代わりにベレファ邸の手入れを頼まれて、で手入れしつつ地下掘ってたらアミュティリス石があって、エラン様とアドル老師に言われてそれを買ってもらう代わりにベレファ邸をもらうことになったのだけど…」
あれ?よく考えたらベレファ邸の敷地内のものを私のものとして良かったのだろうか?
いや、でもエラン様とアドル老師が引き取るために値段を付けるって話をしてたから採掘手数料としての意味合いなのか?
うーん…。
日本だと40メートル以下はその所有者のものではないというように法改正されてたけど、そういう感じではないよね。
どちらかと言うと農地を借りて作物を作って売る感じ?
いや、違うな、遺品整理業みたいな感じだな。
実際、ゴミ屋敷みたいなもんだったし…。
領主の預かりの土地ってどういう扱いだったんだろう…。
そもそもベレファ家がどういう家柄でなぜそうなったのかも知らないし…。
「あの、私ベレファ家について何も知らないのだけど、お父様はなにか知っているのですか?」
私は思わず聞いた。
「うむ…。私も噂程度にしか聞いたことないけれどね。ベレファ家は下級貴族だったんだよ。」
そこから父はベレファ家について教えてくれた。
ベレファ家は元は中級の貴族だったが、20年ほど前に代替わりを期に当主となった者が短いうちに何人も亡くなり最後13年前に当主となった者は術者としては9級まで位が下がってしまい下級に変更になったそうな。
そこからのベレファ家は商人の間ではかなり悪い噂がたっていたらしい。
密売や人身売買、脅迫、恐喝、そして、殺人の噂まであった。
5年のうちに黒い噂で持ちきりになっていたベレファ家は8年前のある日焼失した。
周辺住民によると兵が動いていたので、何かしら上からの制裁があったんじゃないかって話だ。
ベレファ家の人らがどうなったのかはわからないけれど、当主も死んで滅んだという話しか聞かないし、何より市場が安定し治安も良くなったので、市井では一件落着という見方が強いらしい。
真相は領主なら知っているのではないかと最後口にしたところで父の話は終わった。
貰い受けるのであれば一度真相は聞いたほうがいいんだろうなぁ。
アドル老師とエラン様は知ってそうだよね。
「近いうちにベレファ邸には行ってみた方が良さそうね。それと、クラミッパに関しては私が担当した方が良いかしら?」
姉が両親に聞いている。
「そうだな、そうそう市井に出回る薬ではないからな。ただ、そうなってくると上級貴族とのつながりをしっかりしておかないといけないね。しばらく母さんはカエラを手伝ってやってくれ。他のことは従業員で今の所回るだろ。」
父がそう言うと母と姉は頷いた。
「ところで、商材になりそうなのはクラミッパだけではないんだろう?アミュティリス石が採れるということは薬草類以外にも鉱石類も手の中にあると見た。」
兄が私の肩を優しくではあるが掴んで離してくれない。
全部吐きなさいという表情をしている。
その数分後には私は今手に入っているもの全てを打ち明けていた。
兄は慌ててそれを記憶しようとしていたけど到底無理だから後でちゃんと書き記そうと話し、家に戻った。
戻って、以前に出しておいた植物紙に鉛筆で書いたメモを渡したら大層驚いていた。
そういえば、紙はかなりの商材だろうけど…
作る工程がわかるわけではないからコンスタントにみんなが手に入れるのは難しいよね。
この能力売るだけならいいけど、その文化の下地を作るには向いてないよね。
その後、私の市井に流せそうな新たな商材担当は兄ということになった。
塩の買い付けを終わらせた兄は少し暇だったので私の能力でどれだけのことができ、商品として使えるかを見定めるため張り付くことになったのだ。
少々、面倒くさいな…と思うのは私に誠子の意識があるからだろうか。




