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第9話・バレエストレッチのレッスン

 頼まれて先生をやったことがあります。私ごときが、という大変恐れ多い話ですが、短期ですがやりました。令和元年現在は休業しています。今回はその話。

 自前のレッスン場はなく借り物ですが、一応名前もつけました。バレエを踊るのではなく、バレエ曲を流して単なるストレッチをするだけなので、バレエ・ストレッチを縮めて「バレスト」 と名付けました。プラス地名をつける。当時からバレエエクササイズやバレトンなどの言葉はあったのですが、標章登録などの権利もあってややこしく自分で勝手につけました。


 ちなみにバレエやストレッチ関係の先生をやるには国家試験はありません。免許証も不要です。作家と一緒で「先生です」 と名乗れば誰でもその日から先生です。

 ただバレエの世界は狭いし、師弟関係もあるので、どこのお教室出身でどこのバレエ団で踊っていたかというプロフィールで大体の想像がつくところが恐ろしいところでもある。その上、私がやってきたのは趣味としてのバレエです。

 体型も肥満型のためバレエって誰でも踊れるのねという話題の予防線として誰だって踊れる話をしますので、それで依頼がきたのかと思う。田舎住まいなので施設は結構気軽に貸してくれる。公的な経営かつ不便な場所でぼろいところだと激安です。そのかわり生徒数も少ないですが。

 受講料も安く一回五百円と設定しました。入会金や会費ゼロのオープンクラスです。私自身も踊りたいこともあり、採算は度外視です。生徒さんの年齢は、ばらばらでした。それ以外の問い合わせに年配の男性が二人。公開していたチラシへメールがあり、大丈夫かという。もちろんどうぞと言ったのですが結局不参加でした。あれは家族あたりからやめてなど言われ気がそがれたのかも。

 レオタードやシューズも不要で、よれよれのシャツにパンツでそのままストレッチ。発表会も何もないので、ゆるゆるです。私が普段やっているストレッチをそのまま一緒にやるスタンス。生徒は平日の夕方ということもあり最高で四人、一人の時でもやりました。月謝制でないので、荒天時は誰も来ない。そういう時は一人で勝手に振り付けをして踊っていました。今はそんな元気はないのですが、当時はまだ持久力はかなりありました

 しかしなんと地震がおきました。田舎住まいなのに全国トップニュースの扱いで、なじみのある公共施設の画像が報道されている。見慣れた天井が落ちているニュースを見たときの恐怖といったら口では言えない。

 もちろん施設利用はしばらく禁止。サブのところも、地震でビスが数本落ち、それがどこから来たのかわかるまで閉鎖。半月ほどで耐震構造にするらしく、年内は使用禁止との連絡がきました。私はそれをきっかけにやめました。ゆるゆるでもやはり週に一度曜日と時間を決めるというのは、本職を持っている私にはきつかったというのもあります。ただ施設利用を機会に文化団体とのつながりもできまして、よい経験をさせていただきました。

 チラシも作ったのですが、チラシ置き場においてもすぐになくなる。そのわりには生徒はまったく増えない。あれれ、と思っていたら競争相手が抜いているのではないかと知人がいう。

 ゆるゆるすぎるバレエストレッチだよ、そんなのないよ、というと、ヨガはじめ、○○体操、○○ダンスなどいっぱいあるではないか、身体を動かそうとする人はみんな迷うだろ、きみみたいにバレエ一択の思考をしている人にはわからんだろうが、勝手にライバル視されるのもアリだろって言われてショックを受けました。これも結局わからないままです。

 仮にそうであってもどこぞの先生ではなく、生徒さんや関係者の可能性もありますし、犯人捜しはしていない。使用料激安のところは防犯カメラなどはないですしね。いろいろありましたし、私も短期間とはいえ、人に教えることの難しさを知りました。生徒の身分でいるほうがそりゃ、気楽です。お金では得られない経験をさせていただき、生徒さんには感謝しかないです。


 全般に超絶ゆるゆるで、柔軟も限界より少しだけゆるめ、足の型番や手の上げ下げも堅いことを言わず、バレエ音楽を流しながらストレッチをするとご年配の方でも余裕で楽しめる。俗にいう「バレエの手」 をしてストレッチするのはどの人にとっても目新しい経験だったようです。私も楽しかった。バレエに親しむ、それでいい。




追記・地元の既存のバレエ教室とは競合しない旨をあいさつしています。子供が来る時間帯ではなかったのですが、もし子供が申し込んで来た場合、バレエ教室に紹介するという手はずを整えていました。だからチラシの抜き取りはあり得ない話です……このあたりはイラクサ話になるでしょうが忘備録としてこちらに書きました。


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