第14話・(バレエエッセイ第54話)・考察そして今後の展開
この世にわたしの依頼に答えてくれる振付師は存在しない。
これがはっきりとわかったとき、これもわたしらしい人生だと思った。残念ながら。
人脈もない人間だし、コミュニケーション能力も下限に近い。でも大好きなバレエに関わりたくて、この世に軌跡を残したくて、ヒトを動かしてやりたかった。でも働いて貯めたお金を出しても誰もしてくれなさそう。そう、これもわたしの人生。
生存バイアスということばがある。何かしらしたいことが、あれば頑張ることは当たり前だ。しかし、全員が全員、成功するわけではない。それなのに、成功者の苦労話だけに照準が当てられ、不成功に終わった人たちの体験は顧みられることは決してない。
メディアに繰り返し出ることができる人を見て、やっぱり人間苦労しないと成功しないと思い込むのは危険だ。でも仕方がない。成功者は苦労話を公に語ることができるから。それが売りになる。それでますます注目され、尊敬もされ評価もされる。役得だ。
でも、実際は違う。成功者と同じような辛酸を舐める人は多い。だけど、成功しなかった。そのまま誰にも注目されることなく、寿命が来たらこの世を去る。それが大半だろう。わたしもきっとそうなる。せめて軌跡を残しておこう。今回は夢かなわなかったが、尊敬していたバレエの先生と直接お話もでき、励ましもいただいた。それだけでも名誉なことだ。
舞台や動画の扉は閉じた。
さあ、視点を切り替えて新しい幕を開こう。
となれば創作しかない。
バレエ本関連を出すことは以前から考えていた。狭い世界だが、バレエに興味がなくても、バレエを題材にした可愛い本なら読んでくれるかも。どうだろうか。
子供のための「バレエの読み聞かせ」 絵本。これは既存にはない。現時点では競争相手はいない。
出してみてどうなるかは、誰にもわからない。
バレエ文学へ寄稿してくださった数人に声をかけると2名が応じてくれた。2人とも文学賞受賞経験あり。それからわたし。合計3名。400字から600字の範囲内で平易な文字でわかりやすく。良作品が寄せられた。イラストレーターも決めた。少ないページなので1人のイラストレーターさんにして絵柄の統一性を計る。
絵本創りもまた楽しい。絵もきれい。文章もきれい。きれいで美しいものを空間で綴るだけでなく、紙の絵本で綴る。これもなかなかいい。
子供たちの記憶の片隅にこの本が残れば、それはとても幸せなこと。
少しずつでいいからバレエに携わりたい。それがバレエの神様に嫌われるどころか眼中ない扱いをされているわたしのバレエ歴。少しずつ前に進んでいきます。公演を手掛ける先生たちの危惧を垣間見れただけで、よしとしよう。
わたしの考えにとまどいつつも、誠実に考えて答えをくださった先生方やダンサーの皆様には感謝しかありません。動画公表時にはまた続きを書けるときもあろうかと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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次回からは通常のバレエエッセイに戻ります。




