第5話(バレエエッセイ第45話)・バレエ公演内容公表・個別内容 1作目
生首バレエ
「生首バレエ」 (作・ふじたごうらこ)
僕は超絶貧乏バレエ団の振付師だ。
とある格安ホールで初演をすることになった。
舞台の端から端まで躍動感を持たせたい。それなのに三人しかいない貴重なバレリーナたちが動かない。怖いというのだ。踊ると緞帳の裾から数多い生首が睨むという。
その数、約三十ほど。確かに、こりゃ怖いワ。確かここは戦場跡だから本物だワ。本番直前になんてこっただワ。でもこれもチャンスだワ。
僕は生首たちに話しかける。
「優しい振り付けを教えてやるからさ、一緒にバレエを踊ろう。睨むのはやめてまず笑顔っ」
生首はびっくりしたようにふらふらと出てきた。見れば全員元武士で若いし、イケメンばかり。こりゃ、いいぞ。俺は世界で初めて生首にバレエを教えた。手足がないので目線だけだが、空間を自在に動けるのは何にも代えがたい。バレエメイクをした美男子生首のラインダンス。無害と理解したバレリーナも上機嫌で一緒に踊る。もちろん舞台は大成功だった。
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出演者 青い鳥
振付師と魔術師兼任1人
貧乏バレリーナ3人
生首役男性3人
(生首30人分は無理なので3人でやる。生首の血のイメージはなるべくソフトに。男性ダンサー最初は首だけ出した状態になりますが、魔術師役の人が、洋服掛けをもってきて、それに簡単な布をかぶせて生首をのっける ⇒ 生首に四肢が生え、男女3対3で踊れるようにする。多分既存になく世界初です)
舞台イメージ
貧乏バレエ団 ⇒ バレリーナは3人しかいなくて人不足で悩んでいるイメージ
振付師兼魔術師(主役男性)と3人しかいないバレリーナ(女性)のレッスン
そこへなぜか生首(男性3人分)が転がってバレリーナをにらみつける
怯えるバレリーナたちを押さえ、逆に一緒に踊らないかと振付師が誘う。彼はお化けは怖がらず逆に人件費無料でダンサーになってもらおうと画策する。
血塗れの生首を綺麗に洗ってみると(化粧落としのシートなどで血液を落とす)若くて元気な生首になる。鏡を見せると、生首も笑顔になる。そこで衣裳掛けに布をかぶせ、生首をのせてマジックをかけると、生首に四肢が生える。
バレエレッスンをイチから開始し、女性と一緒に楽しく踊らせる。時間が来ると、マジックが解けて元の生首に戻るが、バレリーナはそれぞれ気に入った生首を持って踊る。
生首役は顔芸が必要です。
※案内役の小鳥は最初とマジシャンの魔法を強固にする役目、最後に見守り。
生首30人は無理なので、それを圧縮して3つの生首になるところはプロジェクトマッピングや動画編集会社に任せる。恐ろしくなくコミカルに。