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第3話・バレエレッスン後の筋肉痛


 家庭の事情とやらで二か月もの間、まったくバレエをしなかった結果、レッスン開始直後から体が思うように動かせない状態になるのがわかり、情けない思いをしました。おまけに次の日にひどい筋肉痛になりました。さぼると、こういうメにあいます。今回はその筋肉痛の話題です。

 レッスン後の筋肉痛の場所ですが、私の場合、下肢の裏側、特にふくらはぎが痛みました。ついで脇腹全部、上腕部の裏側全部も。ということはクラシックバレエはそれだけ全身運動をするということです。過去にバレエ未経験の友人が体験レッスンをしたところ、翌日の筋肉痛がひどくトイレにいくのも這うようにした、というエッセイを書きましたがあんな感じです。だからバレエを続けたい人は、日ごろから、柔軟=ストレッチはさぼってはいけないのです。 


 筋肉痛のメカニズムについてはいくつかの仮説がありますが、これだけ医学が発展しても明確に統一された学説はありません。この世はわかっていないことの方が多いです。

 一番世間に広まっている学説は、運動をすることによって生成される「乳酸」 というものが、筋肉中の毛細血管に残留し、それが筋肉への酸素供給を邪魔して鈍痛を引き起こすというもの。しかし、この学説は、矛盾があります。ちゃんと計測すると血液中の乳酸値が運動後速やかに下がってしまうのです。乳酸ができるのは、間違いではないが、すぐになくなるので厳密にいうと間違いというややこしい感覚です。

 また筋肉痛は若い時はその日のうちに出るが、年を取るごとに次の日、もしくは二日、三日後に出ます。専門用語では加齢による遅発性ちはつせい筋肉痛といいますが、年を取ると筋肉痛が遅くでるのは、細胞分裂が衰えるからという学説があります。そのため回復に時間がかかるのです。今わかっているのは大体こんな感じです。

 筋肉痛が消えるのは俗にいう日にち薬です。つまり時間が解決してくれます。理由は筋繊維とその周りの組織が回復するからです。筋肉痛は安静、早期では冷やす、時間がたてば温める。湿布ではなく、普通に冷たいタオルをあてる、温めるのは入浴するということです。薬を使うほどの痛みでない限り、身の回りにあるもので十分対応ができます。


 筋肉痛は「普段はしない筋肉の伸びを頻回に繰り返した」 からおきます。日ごろからしていれば、筋肉痛は起きない。我が国のレジェンドバレリーナの森下洋子氏はレッスンは一日さぼるだけで自分にわかる。ましてや二日さぼれば周囲にわかり、三日さぼれば観客にわかると名言をはきました。まさにおっしゃるとおり。

 家族のお葬式の直後にレッスンに出てきた人がいます。是非はともかくその人はプロでしたので、葬式後だろうが地球滅亡日であろうが踊ることが運命づけられている人はそうやって毎日踊るのだろうなあと感じ入りました。

 以上筋肉痛は皆が通る道ですが、毎日レッスンはできなくとも、簡単なストレッチである程度は回避できます。私はそうしています。お互いがんばりましょう。



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