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第15話・加齢なるバレエ △


 また年寄りネタです。

 コールドとは群舞のこと。その振り付けあるあるです。他の人と一緒に、じっとしていることも多い。音楽にあわせて座ったり立ったりも多いのですが、静止状態を保つのは結構きついです。今回はその話。

 舞台の両端に座ったまま、真中に出てきて踊る人たちを笑顔で見守りのポーズ。立っているときには手を振ったり。主役を盛り上げる。みんなで作り上げるのもバレエ。一人で舞台は作れない。それに端役であっても舞台にあがれるだけで幸せなものです。一番よい位置でプロの踊りを見守れるのは端役の特権です。

 ところで、ある全幕ものに端役で出た知人に一番キツかった振り付けを聞いてみると、同じポーズで二十分じっとしていることだと、即座に言いました。わかる。舞台の端っこで、手をあげたポーズのままのシーンがあり、それがつらかったという。動かない間は、舞台の真中で主役たちがパ・ド・ドゥを踊っている。音楽の少しの切れ目に足の向きを変えるとかあったらしいですが、手を上にしたままというのが苦行だという。すごいわかる。(主役だって苦労はあるでしょうが、経験がないから書けない)


 しかしせっかくの舞台も年をとるとしんどくなる。

 ↓ ↓ ↓

 立ったり座ったりがつらい……今回はその話。


 小さい時は、ルルベの位置から瞬時に座ったりするのが平気でした。座ると言ってもバレエの場合は、片足を膝で立ち、もう片方の足は床に置く。若ければ何度やっても平気。アラベスクの状態もしくはピルエット直後にそのまま座ったりも。

 私は四十代ごろから、その動作がつらくなりました。特に白鳥のコールド。踊りながら並ぶのはいいが、立ったり座ったりが苦しい。一列に斜めに並んで主役が通ると、座っているポーズからすっと立ち上がる。逆に立っている状態から瞬時に座ったり。その何気ない動作にいちいち「ヨイショ」 って言いたくなる……これがトシをとるということか……。参加させてもらえるだけ有り難いのですが、自分自身がついていけそうにない。

 パキータのコールドも、一回転してルルベ(つま先立ちのこと) の状態からそのまま片足を床についてポーズを取る場面がある。座るのはまあなんとか。そこからまたスッと立ち上がるのが、非常につらい。さあ行くぞというヘンな「ため」 というかバレエでそれを観客に見せたらだめ。「よいしょ」 と一言でもいうと、バレエ界から追放される。だから膝で床を無言で一瞬で加圧、勢いをつけて立つ……コールドは周囲の状況に合わせて決して目立ってはならぬ。どっこいしょも絶対禁止。自力でさっと立つ。重力感を観客に絶対に悟られてはならぬ。無重力感上等の世界。

 男性の場合はクライマックスに跳躍が当然ある。跳んだ直後にそのままぱっと座ってポーズを取ることが多い。男性がやる主役などに、ぴょんと伸びあがりながら回転し、空中に足を滞空させるポーズを取ったままの状態から床に降りるとき片足を床にぴったりつけてキメのポーズを取るのがある。プロはコンマ以下の秒でそれをやる。我が意を得てやったぜとばかり、破顔一笑。跳躍が多いドンキや海賊は若くないとできないと誰かが言っていたが多分こういうことだろう。

 私の子供の時は、立ったり座ったりは平気だった。何度やっても苦しくなかった。何度同じことをやらされてもしんどくない。筋肉痛になったこともない。それよりも先生に怒られる方が精神的にクルものがあった……。いやもう今回も愚痴だらけだなあ。お恥ずかしい限り。

 

 





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