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第10話・バレエの経験年数   △

 今回もだらだら系エッセイです。とあるワークショップを受講するための申込書を書くにあたって思いついた話。申し込むにあたって、当たり前ですが、名前と年令、住所、連絡先を書く欄があります。そしてそのワークショップを申し込むにあたり、バレエの「経験年数」 を申告しないといけません。この申告は私にとってはバツゲームみたいなものです……経験年数なんて書きたくない……今回はその話。


 なぜ書きたくないかと申しますと、己の経験年数だけがやたらと大きいのが不満。バレエは子供からやってますが大人になってから(特に出産後は)舞台には一切出ていない。それも数字カウントの中にされては困るなあというのが本音。経験年数は多分レッスン以外にも舞台経験や留学などが込みで入っているはず。もちろん大人バレエの参加可能のワークショップといえども、毎日当たり前のようにバレエレッスンをしている人と、週に一度どころか月に一、二回がやっとの体たらくな私との経験年数は違う。

 ワークショップの開催側からしたら、経験年数二桁年のベテランが来るなあと思ってはいても、実物(私)をご覧になったら、あ~わかった、バレエが好きなだけで年をとったのね~となるでしょう。

 先生の誤解を招かぬために週に何回バレエレッスンをしているかを補足として書きました。

 例 ⇒ バレエレッスンは月に ◎回、それを◎年と書くのです。舞台経験もなしと書く。変な先入観を持たれる危険性を避けるのです……。


」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 同じく経験年数にまつわるエピソードをもう一つ。


 少し前に私が某の更衣室で着替えていたら無邪気なチビバレリーナさんが「ねえ、おばさん、何年ぐらいバレエをしているの?」 と聞いてきました。私は言葉に詰まりました。しかし子供からの質問はどんなことがあってもきちんと答えます。

 二桁年よ、というと多分その子供にとって思いがけなく大きい数字を言ったのでしょう。深刻な顔をして黙り込んでしまいました。一年や二年ぐらいなら想像がつくでしょうが、おそらく私は彼女にとっては想像外の数字を言ってしまったのです。私はおかしくなって、声に出して笑ってしまいました。でも情けない……数字が大きいほど当たり前に上手であればいいのですが、全くそうではないから。


 先にも書いたが例えば経験年数三年であるとしても、週に一度のレッスンの三年と毎日レッスンの三年と違う。また週に一度のレッスン受講者と、週に二度、三度の人とは上達の度合いがまったく違う。先生の教えも大きい。

 基礎からぎっちり締め上げるように、ネジを巻くように教え込ませる先生と、とりあえず「大人」 ですので楽しくバレエ的ダンスをさせてあげましょうという先生とでも違ってくる。それを受け止める生徒の努力もモノをいう。

 とかく何を目指すかでバレエの上達は変わってくる。もともと私のバレエは単純にバレエが好きという漠然とした理由であやふやなのがいけない、好きだけど上手になりたいけど、時間がないけど、上手な人の踊りもみたいけど。こういうあやふやな理由で、プロが集うようなところも平気でいくから変なことになるのだ。

 で、そのワークショップを受けたい理由を改めて箇条書きにしたら六つもあった。

① より上手に踊りたい

② 踊りのバリエーションを広げたい

③ バレエの正しい鑑識眼を養いたい

④ 他の参加者の動作を見たい

⑤ 先生のお手本や動作を見たい

⑥ 先生が見どころのある生徒のどこを注意するかを見たい

 これにつきる。比重は均等に六分の一づつです。


 私はバレエそのものが好きなので先生や流派の好き嫌いがないのは私の唯一の長所だと思っている。クラシックバレエも狭い世界なので教えをされる先生側から見たら節操がない生徒ともいえますが、とかく大人バレエは自由がきくのがいい。年は関係なく楽しめるのがうれしい。

 特に近年は単発のワークショップで学生向きやプロ志望者向きのものであっても大人バレエOKなところが増えました。私の小さいころと比べたら格段に自由度があがっています。うれしいことです。今回のエッセイはつきつめていえば、経験年数を書くことで上手だろうという先入観を持たれるのがイヤなことと、教えをされる先生からマイナスのイメージを持たれるのも困るということを書きました。

 終わります。


 



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