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ほぼ正解した俺の予測 けどそんなもん当たってほしくなかったよ!

 コルトに出したのは何度目だったかな?

 カレーうどんの威力は絶大である。


 沈んだ表情のコルトは、気にかかることがあったようだ。

 それでもお代わりをして、スープも全部飲み切った。

 激辛を、である。

 しかも表情が全く変わらないとは……ここまで強者だったとは。

 汗の一つもかいてねぇ。

 何という可愛げのなさ!


 それはともかく。


 俺の予測はこうだ。


 コルトを見捨てた冒険者パーティは、彼女の後釜を探していた。

 そのすぐ後か何人か後かは分からないが、同じ役目をあてがわれる予定だったシュース。


 そこで入ってきた「キュウセイシュ」の情報。

 種族と性別、大雑把すぎる経歴、名前、そして消息。

 おそらく、労せず元メンバーと結びつけられただろう。

 驚きもするだろうな。

 まさかそんな便利そうな存在にまで成長するとはってな。


 敬うどころか、使い回せばよかった、みたいに思ってんじゃねぇか?

 ま、被害妄想炸裂すればそんなとこ。

 だが、実際炸裂させた奴がいる。

 でなきゃここに来ちゃいないよな。


 ここに来て、いきなり「お守りします」だぜ?

 危険なダンジョンに一人潜入して、自分の身をわざと危険に晒してここに来たんだ。

 もしそのパーティメンバーと一緒にダンジョンに潜ったら、ここに先に着くのはそのメンバーだったかもしれないしな。


 自分の危険を顧みず、コルトの力を我が物にしようとする強欲な者達からコルトを守るために駆け付けた、というわけだ。

 健気としか言いようがないな。


 だがまだ答え合わせをしていない。

 コルトはシュースから話を聞いていただろうか。


「……コウジさん、すごいですね。ほぼ合ってます……」


 正解したくなかったよっ。

 全部外れてほしかったよ。


「でも一つだけ外れてるところがあります」


 ほう?

 どこを外したかね?


「……ダンジョンへは、一人で潜入したんじゃなく、みんなと一緒に入っていったんだそうです」


 ……ある意味最悪じゃねぇか?

 そいつらに押し入られたらどうしようもねぇぞ?

 俺に出来ることと言ったらせいぜい「お帰りください」って言うことくらいだもんな。

 押し返すなんて無理に決まってる。扉が見えないんだから。


 でもコルトは、俺の推測よりも早く、そんな話を既に聞いてるってことだよな?


「ひょっとして……早く再会したいとか思ってる?」

「思ってるわけないじゃないですかっ!」


 即答か。

 もっともだよな。


 けど、それでよくカレーうどん、お代わりもスープごと食べきれたもんだ。


「お前はどうした」

「ここに残るに決まってるじゃないですかっ!」


 質問を言い終わる前に答えちゃったよ。

 しかもちょっと怒り口調。


「そりゃ……私を利用して、私の思いを踏みにじって自分達の得ばかり追い求められたら怒りもしますよ! でも……シュースちゃん、私よりも子供なのにこうして自分の身を挺してまで……」


 シュースについては、俺と同じ印象を持ってるか。

 ま、コルトの意思の確認はしとかないとな。


 それにしてもだ。

 面倒くさい避難民は何人か応対したことはある。

 だが、そんな奴らがもうじき来る、なんて予告めいたことは今まで全くなかった。

 握り飯作る意欲が失せてしまいそうだな。


 でもそいつらが、ここへの扉を見つけられずに退却するという可能性はある。

 そいつらへの危険がまったくない可能性だってある。

 今はそんな楽観的観測に縋るしかない。


 けれど一緒に行動していたにしては長くかかったか。

 その観測は無残に打ち砕かれることになっちまった。


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いつも見て頂きましてありがとうございます。

新作小説始めました。
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勇者じゃないと言われて追放されたので、帰り方が見つかるまで異世界でスローライフすることにした

俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる

cont_access.php?citi_cont_id=170238660&s ツギクルバナー
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