表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/176

儲けを狙うその先はまだ秘密

 収入を増やしたい。

 これは、まぁ誰でもそうなんだろうが、俺には目的がある。

 握り飯に関する食費もそうなんだが、もう一つ、しなきゃならんだろうなぁってことが増えた。

 それは、この屋根裏部屋にもう一部屋増築する計画だ。

 店、つまり俺の家の敷地内にプレハブを隣接させる。

 ただし一階はなしで二階に当たる高さにプレハブを設置して屋根裏部屋とくっつける。

 店の一階から階段を上り屋根裏部屋につくが、その階段から廊下を横に伸ばし、プレハブ部屋にも行けるようにする。

 そして今の屋根裏部屋のような役目をプレハブですることになるが、その内装は、水道、電気、ガスも通し、トイレと風呂場、そして簡単なキッチンも据えようかと思ってる。

 もちろん風呂場の使用者はコルトのみ。

 でないと水道代も馬鹿にならん。

 まぁ内装についてはおいといて。

 ネットなどでプレハブとかの値段を参考にしてみたが、俺にとっちゃ目が飛び出る金額だ。

 だが、これまでの防具の売値も、こっちの気が引ける程、想像をはるかに上回る額になった。

 とは言っても毎日生産できるわけでもなし、大量に作るほど素材も揃うわけでなし。

 値段がつり上がるきっかけになった、モデルをしてくれた女魔術師もあの二日後に部屋を出た。

 ダンジョンから脱出できたら、多分もうここに来ることはないだろうな。

 彼女に他の格好をさせてほしいというコメントも大量についていたが、それはもう叶うまい。

 値が釣り上げられることがなくなるのは仕方がない。

 それでも長い目で見れば、俺の計画は着実に進む。

 うどん欲しさにモデルをやりたがる女冒険者は割といた。

 男冒険者も動画撮影のモデルをやりたがる者がいて、試しに撮影した動画を投稿してみた。

 想像通り、閲覧者のコメントは辛らつな物が多かった。

 彼らに断る理由を説明するのに相当気を遣った。

 だが、あくまでも防具の説明の動画なんだがな。

 見る方も見られる方も、いろいろと勘違いしているようだ。

 毎日やるべき握り飯作りをしながらもそんなやりとりが時々加わった日常が続く。

 だが、収入を伸ばす工夫ばかり考えていたので、コルトの評価もやや下がっている。

 二階のみのプレハブ小屋の増築の説明もしてないから当たり前かもしれんが。

 だがコルトがいなくても、増築のことはずっと前から考えていたことだ。

 十六畳一間でこの天井の低さは、やや圧迫感はある。

 けどその感覚から解放されるのは、もう秒読み段階だ。

 やはり一番の功労者はコルトだな。

 そして、認めたくないが、あの女魔術師だ。

 目標額に近くなってきた貯金額を見て、屋根裏部屋とくっつける形でプレハブを建ててもらう依頼をした。


「しばらくここ、騒がしくなるからな。ここに来るお前らにも関係がある……かもしれん。工事が始まるから、それが終わったらまた静かになるからな」

「コウジさんが工事の依頼?」


 コルト……。

 何という寒いことを……。

「……ま、上手くいったらみんなが得する。いかなきゃただうるさいだけ。ということで、道具作りよろしくな」

「……防具作りとかも続けるの?」

「あぁ、もちろん。頼むわ」


 しかしその工事が終わっても、こっちのDIYの仕事が増えるんだよな。けどはめ込み式にすれば、多分大丈夫。

 最初から挿げられる物は連中には見ることができないみたいだからな。この部屋のふすまとか小窓とか。

 でも俺がつけたカーテンと、それによって区切られたスペースは連中には見える。ということは……。


「何か、確かに外から騒音が聞こえるわね」

「ずーっと続くのか? この音」


 自然現象なら夜昼なく続くだろうな。


「工事っつったろ? 日中の作業だよ。これでみんなに怪我が再発するとかないから心配すんな」


 みんな、何か不安そうな顔をしてるな。

 けどそうだな。

 半月もすれば解放感は出るんじゃないかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつも見て頂きましてありがとうございます。

新作小説始めました。
よろしければ新作共々、ブックマーク評価感想をいただけると嬉しいです

勇者じゃないと言われて追放されたので、帰り方が見つかるまで異世界でスローライフすることにした

俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる

cont_access.php?citi_cont_id=170238660&s ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ