表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/176

コルト、手記を書く

 

 道具を作るレシピもいいんですが、確かにコウジさんの言う通り、あの村に帰ることができたらこのノートの中身をお土産にしようと思います。

 この村では、子供の頃はみんな普通に生活できるけど、成長して仕事ができるようになると、村に残るか村から出るかを選ばせられます。

 でも、どうしても村から出てほしいってお願いされる人もいます。

 私もそうでした。

 逆に、どうしても村に残ってほしいって頼まれる人もいます。

 村の存続のためには必要な事なんですよね。

 村から出てどこかの町に行くとしても、生活のための手段はないとそこに居続けることはできません。

 手に職を持つってことです。

 でも村を出なきゃならない年代になるまで、手に職を持てない人もいます。

 私もそれに当てはまる一人です。

 でも私達が生まれ育ったエルフの村は、その力には差はあるけれど、誰でも魔力を持っています。

 それを活かさない手はありません。

 私も冒険者には手っ取り早く就くことができました。

 でも冒険者にも種類があるんですね。

 人や場所を守る警備役。

 魔物を倒したり狩ったりする討伐隊。

 人捜し物探しの探索者。

 魔物が持っていたりダンジョンの中に潜んでいる宝物を見つけ、持ち帰るトレジャーハンター。

 これらは、いわゆる職種。

 同じ業種に就く人でも、適した役割、苦手な役割があって、いわゆる業種というものになります。

 大きく分けて戦士、魔術師、補助職の三種。

 そこからさらに細かく分かれたり、兼業になる人もいます。

 私は、魔力が高いというより体力が劣ってたので魔術師に就きました。

 その魔術師の中で適正を見てもらい、回復の役割を担当することになりました。


 ここで大切なことがあります。

 それは、冒険者達の名前です。

 咄嗟の時にすぐに呼べるよう、発音しやすく、長ったらしくなく、そして紛らわしくない名前に変える人が多いです。

 それと家族の名前を名乗らないようにする人も多いようです。

 私は、時々実家に帰ることがありますが、その時以外は家族の名前をほとんど意識していません。

 村を出たのは十五才。それから五十年以上も名前を名乗らず、名乗る必要がなければ意外と思い出せなくなってたりしてますね。

 なぜかというと、実家を突き止められて、不安を煽る人がいるらしいです。

 ありもしない借金を抱えてる、と家族に伝え、その借金を背負わせる。

 その借金の肩代わりにその人の身柄を拘束する、といったやり方。

 これは一例ですけど。

 なので、村を出た人は自分の名前だけを名乗るようになります。

 身元を突き止められませんから安心というわけです。

 ですので、私は回復術師のコルトということになります。

 でも、世間知らずのままだと、どんなに用心しても騙されるものなんですね……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつも見て頂きましてありがとうございます。

新作小説始めました。
よろしければ新作共々、ブックマーク評価感想をいただけると嬉しいです

勇者じゃないと言われて追放されたので、帰り方が見つかるまで異世界でスローライフすることにした

俺の店の屋根裏がいろんな異世界ダンジョンの安全地帯らしいから、握り飯を差し入れてる

cont_access.php?citi_cont_id=170238660&s ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ