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常識に縛られない縛りプレイ!  作者: いとう
第3章 世界の広さと縛りプレイ
47/49

3-1 旅の仲間

第3章に入りますが、ストックはゼロです!(暴挙



がんばります。ほんとに。

やあみんな!

こちらは〈大先生〉ことハワ


「大先生、掲示板で情報を垂れ流すのはやめてください(ニッコリ」


「お、おう...すまん。」


自己紹介の間も無くタナカに説教されてしまった。


いや、悪いと思ってるぞ?

情報に飢えてる奴らを見ると教えてやりたくなって来ちまうんだよなあ。


...フッ、情報屋の悲しい性だぜ...



「ハードボイルドに決めてるところ悪いですけど、さっさと行きますよ!謎の男についてもそうですが、一旦全員で情報共有しなきゃですし。」


そう言って急かしてくるタナカ。


俺たちはいま、情報屋《MALOpedia(マーロペディア)》のアジトに集合しようとしているところだった。


ん?名前を初めて聞いたって?

カッコイイ名前だろ?俺がつけたんだぜ!

三日三晩考えた挙句に寝込んだからな!


「さ、《マロペ》の本拠地に着きましたよ。もうみんな中にいると思うんで、急ぎましょう!」


「おいこらタナカ!名前を略すなっていつも言ってるだろ!」


せっかくカッコイイ名前にしたのに。


「...」



え?カッコイイ...よな?



***



「すまない、ダイナさんはいるか?」


俺は悪夢の表彰式から逃げ帰った後、賞金をもらい忘れていることに先程やっと気がついた。


賞品は辞退したが、賞金くらいは貰っておかないとな。


《セルノス》の街でのイベントでは好成績を残せたし、これなら胸を張ってヤナギたちのパーティに入れる。


そのためにもお金はいくらあっても困らない。


「少々お待ちください。いま呼んで参りますね。」


カウンターにいた受付嬢、確かジュリアナだったか?にダイナさんの所在を聞くと、どうやら探索者協会にいるらしい。


俺はその場で待つことにした。


***


「おにーーちゃーーん!!やっと見つけた!!」


俺が酒場の椅子に座って寛いでいると、そんな声と共に何かが高速で迫ってきた。


「おうふっ」


中々ヘビーな一撃である。

さすがに探索者協会の中で襲われると思っていなかったので、無防備なところへの一撃だった。


「おにーちゃん!表彰式見た!?私入賞したよ!!」


しかし、襲撃者ミクが目をキラキラさせながら聞いてくるので、俺のダメージは直ちに全回復した。


「ああ、ちゃんと見てたぞ。よく頑張ったな。」


そう言ってぽんぽんと頭を撫でてやる。

目を細めて嬉しそうなミク。


ちなみに、さっきのミクのタックルは中々のものだった。相当強くなったようだ。

俺のステータスが前のままだったら瀕死だったかもしれない。


「ふふん!すごいでしょ!それで?おにーちゃんはどうだったの?」


「ああ、俺は......」


どう答えようか迷っていると、カウンターの奥から聞き慣れた声が聞こえてきた。


「よお!待たせたか?」


ダイナさんである。


「いや、ちょうどよかった。ちょっとここでは出来ない話があるんだがいいか?」


「ん?素材の買い取り以外の用事なんて珍しいな。なんだ?やばい魔獣でも狩ったか?ま、そういうことならついて来いよ。」


近からず遠からずといったところだが、とりあえずダイナさんの後に着いて行くことにする。


ついでにミクに手招きをして、連れて行く。

これから説明するときに一緒にいた方が丁度いいからな。



***



「それで?話ってのはなんなんだ?」


《支部長室》と書かれたプレートの下がった扉を開けソファに座ると、ダイナさんがすぐにそう問いかけてきた。


「ああ、これのことなんだが...」


そう言って俺が取り出したのは、検魔水晶によく似たアイテムだった。


「ん?これは《大狩猟大会》の?」


「ああ。」


そう、このアイテムこそが《セルノス大狩猟大会》の際に参加者のポイントを計測していた魔法具である。


一つ一つに番号がふられており、これを提出することと交換で賞品や賞金を受け取れるようになっている。

...というのをさっき知ったのだ。


「じゃあ、賞金を受け取りにきたってことでいいんだな?やっと受け取り忘れに気がついたのか。」


「ああ......って、え?」


受け取り忘れ?なぜダイナさんがそのことを?

もしかして俺が一位の匿名希望だってバレてる?


「なぜ?って顔してるがな、俺が気がつかないわけないだろ!」


「じゃあやっぱり...」


「え?え?何?なんの話?」


一人取り残されたミクが俺とダイナさんの顔を交互に見比べている。

可哀想なので、俺は苦笑しながら説明する。


「俺が、《セルノス大狩猟大会》のソロ部門一位だったってことだよ。」



ミクはたっぷり数秒、真顔になった後、


「......。えーーーーーっ!!アレ、おにーちゃんだったの!?え?あの話題の謎の男!?」


盛大に驚いた。

謎の男って...。え?話題なの?

恥ずかしいな、おい。


「ダイナさんは、どうして気がついたんだ?表彰式でも顔はしっかり隠していたはずだが...?」


息苦しい中、頑張ったんだからな!!


「そりゃお前、あのポイントの取り方を見てると、アーマードグリズリーも何体か倒してるだろ?そんなことが出来る奴なんて、この辺だとうちのカミさんと......リョー、お前くらいだからな。」


あー...確かにそうか。

ダイナさんは俺がアーマードグリズリーを倒せるって知ってるもんな。


「アーマードグリズリーって、おにーちゃんが前倒してた大っきいクマのこと?」


ミクが首を傾げている。

確かにミクも、俺がアーマードグリズリーを倒しているところをダリアさんと見ているはずだ。


「あー、リョーが瞬殺したってカミさんが言ってたな。多分それだ。《堅牢の森》の(あるじ)。」


「え?そんなにすごい魔獣なんですか?...そっかぁ。おにーちゃんがあんなにあっさり倒しちゃうし、ダリアさんと協力したらそんなに苦戦しないで倒せてたから、大したことないのかと思っちゃったなぁ。」


ミクがしみじみと言う。

ダリアさんも相当強いからな。

上手くフォローに入ってくれたんだろう。


「それはコイツとうちのカミさんが特殊なだけだからな!そもそも探索者始めたての来訪者が倒せる相手じゃねーんだよ!アーマードグリズリーも!アーマードゴリラもな!」


アーマードゴリラもなのか?

結構スナック感覚でサクサク狩ってしまっていた。

反省しよう。ごめんゴリラ。お前、強かったんだな。



「そうだったんですね...私ももっと強くなって、一人で倒せるようにならなくちゃ!」


ミクがフンスッ、と気合を入れている。


「そこで提案なんだけど!おにーちゃん、これから一緒に行動させて!」



あぁ、そうか。

ミクはそれを伝えに俺を探していたのか。

そういえば、俺のプレイスタイルに合わせるって以前言っていたな。


こう聞いてくるということは、ある程度戦闘スタイルが固まったんだろう。


かわいい妹に誘われたら嬉しいに決まっているのだが、俺にはひとつ、大事な約束があるのだ。


「それは俺としても嬉しいが、俺はヤナギたちとパーティを正式に組むつもりなんだ。MALOに誘ってくれた恩もあるしな。」


それを聞いたミクは少し考え込み、更にこう聞いてきた。


「じゃあ私もヤナギさんたちのパーティに一緒に入りたい!」


その提案は、俺としては願ったり叶ったりである。

ヤナギとの約束も果たせるし、ミクと遊んでやることもできる。


「多分大丈夫だと思う。返事は一応、みんなに聞いてみてからな。」


「やったぁ!!ね!おにーちゃん!ときどきでいいから、またデートしようね?」


「ああ。もちろんだ!」


同じパーティで行動していくなら、ミクとのデートの時間くらいいくらでもとってやれるだろう。


俺も楽しみになってきた。



「おい、二人の世界を作ってるところ悪いが、賞金を持ってきてもいいか?」


ダイナさんが少し呆れた顔で俺たちに言う。


「あ、ああ。頼む。」


今後のことを考えて緩んでいた頬を引き締め、ダイナさんに向き直る。


それからダイナさんが思い出したように付け加えた。


「お、そういえば〈剛剣〉の奴が、賞品を譲ってくれた代わりに賞金を渡してくれって置いて行ったぞ。それもついでに持っていってくれ。ここに置いていかれても邪魔だからな。」


〈剛剣〉......なんて男らしいんだ。

その場のノリ(と息苦しさ)で賞品を押し付けた俺としては非常に申し訳ないのだが、ありがたく受け取ることにしよう。


お金は何かと入り用なのだ。


今度〈剛剣〉に会えたらお礼を言わなくては。



そんなこんなで、俺とミクはダイナさんからかなりの額の賞金を受け取り、お礼を言ってその場を後にしたのだった。


これで、イベントのアレコレは終わりか。

後はヤナギにビッグワルバーガーを奢ってもらってから、情報を集めて、みんなで今後の動きを決めることにしよう。




もちろん、これからはミクも一緒にな。

リョーに仲間(妹)が出来ました!

最近リョーの影が薄すぎて蒸発しかけてたのですが、その間彼はずーーーっと修行してましたよ!


スキル縛ってるからね!

仕方ないね!



...はい。嘘です。書きたいキャラ達に埋もれてました。

今後はちゃんと主人公します。



ちなみに準主人公はハワードです()

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