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常識に縛られない縛りプレイ!  作者: いとう
第2章 初イベントと縛りプレイ
38/49

2-13 特訓の成果

どうもいとうです


いつも応援ありがとうございます。

じわじわ、じわじわとポイントを伸ばしていて

とても嬉しいです。


これからもよろしくお願いします!

木々が生い茂り、昼間だというのに辺りは薄暗い。


ここは《堅牢の森(アーマードフォレスト)》の深部も深部、《セルノス大狩猟大会》の参加者ですら近づかないようなエリアである。


アォーーーン...


グルルルゥゥ...


どこからか聞こえる魔獣達の声は、この森の不気味さをより一層、引き立てていた。


《堅牢の森》の深部は、外縁部とは魔獣の強さが一線を画しており、上級探索者でも好きこのんで近づかないエリアである。



その森を飛び回る一筋の黒い影があった。



「よっ、ほっ」


そんな軽い掛け声とともに、木々の間を飛び回る。


「ウホッ?」


一瞬何かが煌めいたかと思うと、また一頭が謎の攻撃の餌食になる。


見れば、その黒い影が通った後にはありとあらゆる魔獣の亡骸が、累々と倒れ臥しているのであった。



***



「この外套、ちょっと動きにくいな。後でパウロさんに改良してもらうか...。」


俺はいま、《セルノス大狩猟大会》に参加している真っ最中である。


人目を避けて森の深部まで来て正解だったな。

魔獣がそこらにごろごろいるし、何だか強い魔獣が多い気がする。


「ほい、っと。」


「ウホッ?」


俺は指先をクイッ、と動かし、アーマードゴリラの胴体を断ち切った。


アーマードゴリラは自分がやられたことにすら気がついていない。

やっぱりこの糸はいいな。

用意しておいてよかった。


俺は両手のそれぞれの指に糸を巻きつけていた。

《堅牢の森》での連日の特訓の末、10本の糸を自由自在に動かせるようになったのだ。


それに武器()もパウロさんに頼んで新調した。


────────────────────

洞窟蜘蛛の撚糸(よりいと)

Rarity:5


ケイブスパイダーの吐き出す糸を数本撚り合わせ、強度を高めたもの。粘着性は失われている。

────────────────────


新調といっても今まで使っていた糸を何本か撚り合わせてもらっただけなのだが、そこは『匠』の技、何故か糸の太さが全く変わっていない。


何なら希少度(レアリティ)も上がってるな。

結果として、威力と頑丈さが上がることになった。


この糸なら、アーマードグリズリーだろうとも簡単には千切ることが出来ないだろう。



倒したアーマードゴリラが光の粒子となって消えるのもろくに確認せず、俺は木々の間を飛んでいく。


我ながら、俺の空中機動能力もかなり上がったんじゃないか?一度も地面に足をつかずに魔獣を倒し続けられている。

〈空中機動〉なんてスキルがあれば、俺は間違いなく高レベルだろう。


...ありそうだな。とらない(とれない)けど。



そんなことを思いながら、俺は片手間にアーマードウルフの群れを全滅させる。

そしてすぐさま次の木の枝に糸をかける。


この、「攻撃用の糸」と「移動用の糸」を使い分けるのが一番の難関だった。

少し力加減を間違えると、木々がぶつ切りにされたり、魔獣の方に自分から突撃してしまったりするのだ。


一度、アーマードウルフの大きな群れを倒そうとして、周りの木々を粉々にした上で群れのど真ん中に立ち尽くしてしまったことがある。


10頭くらいのアーマードウルフが唖然として俺の方を見ていたが、あの時は流石に笑顔でごまかした後、全力で走って逃げた。


あれは酷い目にあったし、二度とやりたくはない。

俺のこの空中機動は、森の中でこそなのだ。


「攻撃」と「移動」の使い分けは今回の特訓で一番力を入れたところでもあるし、今は身体に染み付いている。



俺は次から次へと目の前に現れる魔獣たちを片っ端から切り刻みつつ、《堅牢の森》を爆進していった。



***



よお、みんな!

前回無理やり退場させられた〈大先生〉ことハワードだ!元気にしてたか?


俺はいま、助手のタナカに連れられてMALO住民たちと楽しくおしゃべり中だ!


「ほら大先生!虚空を見つめてニヤニヤするのやめて下さい!」


「なんだい大先生、病気かい?いい医者の先生紹介してやろうか?いや、大先生に先生を紹介するってのも妙な話だな!ガハハ!」


この陽気な、というか既に酒臭い陽気なひげ面のじいさんもその住民の一人。名はグルンっていうらしい。


なんでもずっと探索者協会の酒場に入り浸っているらしく、人当たりもいいので地域住民や来訪者にも顔が広い。


情報屋として顔つなぎしておいて損はないだろうとのタナカの判断なんだが、これが妙に気に入られちまってな。こうして酒場で捕まってるってわけよ。


「ところでグルンさん。」


「なんでぇ、タナカ。」


「今回の《セルノス大狩猟大会》、グルンさんの目から見て有力なのはどなただと思いますか?」


タナカがエールの大ジョッキをグルンさんの目の前にドンッと置きながら訊く。


「おっ!タナカ、おめぇ分かってんなぁ!このツマミ食え!」


「お、ありがとうございます!」


タナカとグルンさんはずっとこんな状態で、情報交換、もとい接待を続けているんだが...


ぶっちゃけ、俺いらなくね?



というわけで、お前らに今回のイベントのことをちーっとだけ説明してやることにした!


えっ?もう知ってる?いいから聞けよ!蚊帳の外にされて暇なんだよ!お前らの知らないこと教えてやるからよ!


この《セルノス大狩猟大会》では、各参加者が倒した魔獣の種類と数で順位を競うわけだが、その計測方法はどうやってるのか知ってるか?知らないだろ?んん?


これからはちゃんと俺のこと〈大先生〉って呼ぶなら教えてやるよ。な?




あー!わかったわかった!教えるから!

...ったく。


イベント参加者はな、探索者協会が貸し出してるとあるアイテムを装備してんのよ。それは...



「ほら大先生!探索者協会が貸し出す『検魔水晶』を応用して作られた実績自動カウントアイテムについて虚空に向かって説明してないで!話に参加してください!」


「おぉぉい!タナカ!なんで全部言うんだよ!ってかなんで分かったんだよ!もしかして...見えてる?タナカも見えてんのか?」


「...?なんのことですか?僕はただ、大先生の助手として大先生の表情を読んだだけですが?」


えーっ、助手こわ。

逆らわんとこ。


俺が助手パワーに戦慄していると、タナカはいつの間にかグルンさんから情報を聞き出していたようである。


「そんなことより、グルンさんが面白い情報くれましたよ。グルンさん、一押しのパーティについてもう一度聞かせてもらってもいいですか?」


俺はタナカに言われるがまま、グルンさんの言葉に耳を傾けることにした。


「おうよ!大先生もよく聞いとけ?ワシの一押しは何と言っても、ダリアちゃんとミクちゃんのパーティよ!」


「ダリアに、ミク?...聞いたことがねぇな。」


「僕もなんですよ。ダリアさんという方は、グルンさんの吞み友達らしいんですがね?」


「あのダリアちゃんの吞みっぷりにはワシも完敗よ!完敗に乾杯、ってか!?ガハハ!」


酔っ払いのつまらん洒落は適当に聞き流すとして、ダリアにミクか...。

これはお宝情報の匂いがプンプンしやがる。

酒の匂いもプンプンしやがるが。


「なあグルンさん、その二人が組んでるパーティの名前、分かるか?」


俺は新しいジョッキを置きながら聞く。


グルンさんはそれをグビッグビッと飲んでから言った。


「ップハー!!確か、《酒とぱふぇ》って名前だったぜ!」



...何だその名前。

というわけで、リョーの特訓の成果でした。

そろそろリョーもプレイスタイルが固まってきたかな?



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