2-12 情報屋の面々
どうもいとうです!
イベント始まりました!
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「オラオラオラァ!いくぜぇ!!!」
「うぉぉぉ!!」
「いやっほーーーい!」
「#%\?%|%$~%|%^$!!!!!!」
個性豊かな来訪者たちが、各々の叫び声を上げながら一斉に森の中へと駆けて行く。
周りの白熱っぷりを見ていたら、なんだか俺も燃えてきてしまった。
これだよこれ!
リアルではなかなか味わえない高揚感だ。
《セルノス》の街の住民が昨日お祭りの準備をしていたが、帰ってきたら絶対みんなで盛り上がるんだろう。
俺もそこで心置き無く盛り上がるために、ここでベストを尽くして終えたい。
何事においても大事なことは、落ち着くことだ。
クールに、特訓通りにやろう。
それが結局のところ、ベストな筈だ。
「いくぞー!突撃ぃ!!」
「いっくわよぉぉん!❤️」
「あっ、ちょっと二人とも!待って!」
...なんだか見覚えのある、美男美女とゴスロリの三人組がテンションMAXで隣を爆走して行ったが、俺は努めて無視をした。
***
「ふぅ。ここまで来ればもういいか。」
《セルノス大狩猟大会》開始から数分。
俺はぶっ続けでダッシュし続け、他の来訪者がいないであろうエリアまでやってきていた。
何故かと言えば、単純に情報秘匿のためである。
俺の戦い方は良くも悪くも特徴的で、悪目立ちしかねない。
こんなにも楽しいMALO内で、余計な害意に晒されるのはまっぴらごめんなのである。
というわけで、俺はアイテムボックスから秘密兵器を取り出した。
「てれれれってれーん、ってか。」
俺が取り出したのは、真っ黒な布である。
それは外套のような形をしているが、頭に被るフードが付いているだけのただのちょっと丈夫な布だ。
更に、顔を隠すマスクのようなもので目元以外を全て覆い隠す。
「よし、これでどこからどう見ても俺だとはバレないな。少し出遅れたし、フルスロットルでいくか。」
全身を真っ黒の布に包まれた怪しげな男。
ヒュンッ、という風切り音とともに、次の瞬間にはその場から消えていた。
***
ここで、《セルノス大狩猟大会》について軽く補足を入れておいた方が良いだろう?
俺に任せておけ!
設定説明は俺の十八番だからな!
ん?あぁ、自己紹介がまだだったな。
俺の名前はハワード!
二つ名は〈だいs...
「大先生!...何もない虚空にそんなキメ顔してどうしたんですか?」
「ちょ、おま...タナカ!いま一番大事な掴みのとこだったろ!邪魔すんなって!」
「掴み...?」
こいつはタナカ。
この俺、〈大先生〉ハワードの栄誉ある助手にして、情報屋仲間である。
「大先生、訳の分からないこと言ってないで、情報を集めますよ!今が一番の仕入れ時なんですから!」
「おう。分かってるよ。住民もお祭り気分で口が軽くなってる筈だからな!俺はこの掲示板に張り付いてるから、タナカ、頼んだ!」
そう、俺にはまだMALOにいないヤツらにこの情報を届けるという大事な役目が...‼︎
「何言ってるんですか!大先生は情報を無料で垂れ流しすぎです!本当に情報屋やる気あるんですか!?」
タナカは生意気にも説教してくる。
しかし残念ながら、ドがつく正論なので何も言い返せない俺。悔しい。
情報不足で困ってる奴らにお節介を焼きたくなっちまうのは俺の性分だからなあ。
その隙を見て、タナカは俺を《セルノス》の住民達が集まっている方へグイグイ引っ張り始めた。
「お、おい!タナカ!引っ張るなよ!俺がいなくなったら誰が掲示板に情報屋を売り込むんだよ!」
「そこは情報発信担当のスズキがやりますから大丈夫ですって!それよりも大先生は住民に顔を売り込んでくださいよ!僕たちのリーダーでしょ!」
俺はあえなく、タナカに引き摺られていく。
タナカは見た目こそ優男だが、そのステータスは俺を軽く上回る。
俺は最初の街から一歩も出てないからな!魔獣怖いし!
「大先生!虚空にドヤ顔決めてないで行きますよ!スズキ、後は任せたよ!」
「はいはい、仕方ないわねぇ。」
「やめろー!離してくれー!」
ハワードとタナカは、《セルノス》の街の人混みに消えていった。
***
「いきますよ!みなさん!」
「任せろ!」
「キャゥゥンッ!」
立派なヒゲを蓄えた男が、一頭のアーマードウルフを手に持つ大きな盾で吹き飛ばす。
「そこ!」
それを見て一瞬動揺し、硬直した別のアーマードウルフ。
その身体に何本もの矢が突き立った。
「ギャォン!」
「今よ!」
その矢を放った若い女の背後から、先程とは別の男が飛び出した。
手には身の丈程もある巨大な槌。
それが容赦なく、もがくアーマードウルフに振り下ろされる。
「だりゃぁぁ!」
地面にめり込む程の膂力で、身体を強かに打ち付けられたアーマードウルフは光となって消えていく。
それを見つめる探索者たち。
それを隙と見て、草陰から更に二頭のアーマードウルフが飛び出してきた。
「危ない!『ファイヤボール』!」
それを見た後方に控える魔術師が、咄嗟に炎の魔法を唱える。
「ふん!次は私よ!『アーススパイク』」
別の女が魔法を唱えると、怯む二体のアーマードウルフの下から岩でできた槍が飛び出した。
それはアーマードウルフの弱点である、装甲の弱い腹を的確に貫いた。
「やった!どんなもんよ!キャッ!」
「グルアァ!」
そこに飛びかかる最初のアーマードウルフ。
しかしその動きは見切られていた。
「そうはさせません!」
「ギャオォォン!」
飛び出した男が、一足で魔法使いのもとに駆けつけると、最後のアーマードウルフを手に持つ剣で一刀の下に伏す。
彼こそが、このMALO内住民探索者パーティのリーダー、ヤマダである。
人は彼を、〈パシリ〉のヤマダと呼ぶ。
「ちょ、ちょっと油断しただけなんだから!...でも、ありがと、ヤマダ。」
ピンチを助けられた女魔法使いが、頬を薄っすら染めながらヤマダにお礼を言う。
「気にしないでください。仲間として当然の行いをしたまでですよ。」
ヤマダは柔らかく微笑む。
それを見て更に頬を赤くする女魔法使い。
「皆さんも、ありがとうございます!」
ヤマダはパーティメンバーを振り返って言う。
「いいってことよ!ヤマダには色々助けられたしな!このくらいはお安い御用だ!」
ひげ面の男がそう言うと、周りのメンバーも口々にそれに同意した。
実はこのパーティ、ヤマダ以外は全てMALOの住民だけで構成されている。
〈パシリ〉として住民のお願いや困りごとを解決して回ったヤマダは、《セルノス》住民から確かな支持を得るに至っていた。
ここに集まるメンバーも、ヤマダに直接助けられたり、家族の窮地を救ってもらったりした者たちである。
そのため団結力は非常に強く、ヤマダ自身の力も相まってそれなりの出来に仕上がっていた。
そして結果としてヤマダたちのパーティはその団結力で、次々と順位を上げていくことになるが、その説明は彼の仲間である〈大先生〉ハワードにお任せすることにしよう。
情報屋、結構人数います。
リーダーはもちろん大先生ですが。
力を持ってるのはリーダーとは限らない(意味深)
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