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常識に縛られない縛りプレイ!  作者: いとう
第2章 初イベントと縛りプレイ
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2-6 ミクの望み

どうも、いとうです。

8月分のストックはあるのでご安心を。


9月分は9月の私が頑張ります(諦念)

俺はダリアさんの助言を受けて、《セルノス大狩猟大会》には匿名でソロ参加することにした。


「おにーちゃんと参加できないのかぁ...。んー...。」


ミクが何やらさっきから唸っている。


「なんだミク?私とパーティは嫌か?リョーと一緒がいいのか?ん?」


ダリアさんがニヤニヤしながらこっちを見てくる。やめろやめろ。


「だって私、おにーちゃんと遊ぶためにMALO(ここ)に来たんだもん。...よーし、決めた!」


ミクが何かを決めたようだ。


「私、おにーちゃんと一緒に戦えるようにスキルを取ることにするね!ダリアさん、何かいいアドバイスありませんか?」


拳を握って、ムフーッ、と気合いを入れるミク。かわいい。


「うむ...。リョーの戦い方は特殊だから、基本的には遠距離か、補助系のスキルだろうな。でも一人での攻略はかなり厳しくなるぞ?」


心配そうにミクを見つめるダリアさん。


「んー、それは大丈夫!なんとかします!だっておにーちゃんと遊びたいもん!」


なんて健気な妹なんだ...。よし、お兄ちゃんに出来ることは何でもしてやるからな!神にだって会わせてやる!


「リョーからなにやら不穏な気配がするんだが...。とりあえずどちらにしても最低限の戦闘スキルは必要だからな。それが身につくまでは私が特訓してやるよ。」


「ありがとうございます!」


「うむ。じゃあ、まずはミクのステータスを見せてもらってもいいか?」


ミクはダリアさんの要求に応えてステータスを表示させる。ついでに俺も見せてもらうことにした。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

NAME:ミク

Race:ヒューマン

JOB:来訪者

Lv:1

HP:100

MP:10

STR:10

VIT:10

DEX:10

INT:10


〈Skills〉

【魔力強化・微】Lv.1 【剣術】Lv.1

【身体能力強化・微】Lv.1 【遠見】Lv.1

【夜目】Lv.1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「ほう、基本的な構成だが...。ステータス値はそこらの子供と比べてもかなり低いな。来訪者というのはみんなこんなものなのか?」


ダリアさんが少し驚いているようだ。確かに、MALOに来たばかりだとすべてのステータス値が基礎値のはずだから、相当低く見えるだろうな。


「ま、みんなこんなものだろう。どうだ?ここから《セルノス大狩猟大会》までに戦えるようになりそうか?」


「どうですか...?」


ミクも心配そうにダリアさんを見つめている。

そんな俺たちの不安を吹き飛ばすように、ダリアさんはニコッと笑って言った。


「ははは!そんな心配そうな顔をしなくてもいい!この私が教えるんだ!十分すぎる時間があるさ!もちろん、ミクの頑張り次第ではあるけどな?」


ダリアさんは挑発するようにミクに目を向けた。


「が、がんばります!」


「お手柔らかに頼む。」


俺も苦笑しつつお願いしておく。

ダリアさんは探索者協会の中でもかなりのベテランで、ほかの探索者たちからも慕われているようなので心配は要らないと思うけどな。


「ふふ、任せておけ。リョーのサポートどころか、お前を超えて強くなってしまうかもしれないぞ?」


「おにーちゃん!私、頑張るから!待っててね!」


ダリアさんが今度はこちらに挑発してくる。

これは俺も負けていられないな。


「ふっ、じゃあ俺も特訓を続けるとするよ。ミク、何かあったら連絡しろよ。」


「うん!頑張るから待っててね!おにーちゃん!」


「お前たちは本当に仲のいい兄妹なんだなぁ。羨ましいよ。」


拳を握って気合いを入れるミクと、それを見て目を細めるダリアさん。



ふと、視界の端に点滅するアイコンを見つけた。


「ん?」



ヤナギ:リョーちん!イベント、参加するの?



手紙の形をしたアイコンを開くと、ヤナギからのメッセージであった。こんな感じで届くのか。話には聞いていたが受け取るのは初めてだな。


返信は...どうするんだ?

おっ?


返信しようと頭に思い浮かべると、ヤナギからのメッセージウィンドウにつながる形で、返信用のウィンドウ?が開いた。



リョー:参加するぞ



お、返信出来たな。と思ったのもつかの間。

ヤナギからの返信はすぐ帰ってきた。



ヤナギ:ほんと!じゃあ俺たちとパーティ組んで参加しない?リョーちんのフォロー出来るくらい、俺たちも強くなったからさ!



パーティか...いつかヤナギたちと組む約束をしているし、俺の実力も十分ついたんだが...ミクの誘いを断ってしまった手前、ヤナギたちとパーティを組むわけにはいかないか。


それに、ダリアさんのアドバイスもあるしな。

俺自身、ヤナギたちとの連携をとるためには、きっとまだ糸の操作が未熟だ。



リョー:すまん。今回はソロで参加することにする。


ヤナギ:あー、そっかぁ。じゃあまた誘うよ!リョーちんのソロ順位と俺たちのパーティ順位で勝負な!


リョー:いいだろう。受けて立つ。負けた方がマックワルドのハンバーガーだぞ。


ヤナギ:よっしゃ!一番高いやつな!



ヤナギとマックワルドのハンバーガーを賭けて勝負することになってしまった。これは負けられない。

マックワルドの一番高いビッグワルバーガーは、単品で1200円という、あまりにも高く、あまりにもデカいハンバーガーなのだ。


「よし。ダリアさん、ミク、俺はもっと特訓を重ねることにする。2人の健闘を祈ってるぞ。」


俺は2人にそう言うと、《堅牢の森》の奥への進んでいった。


「なんだリョーのやつ。急にあんなにやる気出して。」


「ふふっ。あんなやる気いっぱいのおにーちゃんは私も久しぶりに見ました!よーーし!私も頑張るぞー!」


「ははは!その意気だ!よし、この機会に私も一丁ランクアップを目指すか!」


リョーとヤナギのビッグワルバーガーを掛けた争いは、意図せずして関係ない二人のやる気も最大限に高めることになっていた。

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