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常識に縛られない縛りプレイ!  作者: いとう
第1章 新たな出会いと縛りプレイ
3/49

1-3 縛りの始まり

最近寒くて朝がつらいです。

いとうです。

3話です。


『ようこそ、MALOの世界へ』


頭に響く声は、目の前の光る球体から出ているようだ。


『ワタシはサポートAIです。貴方のアバター作成をお手伝いさせていただきます。』


「分かった。よろしく頼む。」


『よろしくお願いいたします。ではまずは、種族をご選択頂きます。種族についての説明をお聞きになりますか?』


「ああ。」


『かしこまりました。MALOの世界には、最も人口の多いヒューマンをはじめ、エルフ、ドワーフ、獣人、その他様々な種族が暮らしています。各種族にはそれぞれの特徴があります。詳しくはこちらの一覧をご確認下さい。』


目の前に現れたウィンドウによれば、エルフは魔法適正、ドワーフは生産能力、獣人は身体能力にそれぞれアドバンテージがあるようだ。掲示板に書いてあった通りだな。プレイヤーが選べるのはこの四種類かららしい。


別に各分野特化というわけではないし、代わりに不利な分野も生まれてしまう。ヒューマンには特に有利な分野もない代わり、不利な分野も無いらしい。


特にプレイスタイルも決めてきてないし、ここは適当でいいか。


「種族はヒューマンで頼む。」


『かしこまりました。では続いて、容姿を設定して下さい。』


ふむ、見た目にはそれ程こだわりは無いのだが...折角だ、思い切って変えてみよう。肌の色は浅黒く、瞳の色は明るい黄緑色に。髪色も合わせてやや暗めの緑色にしてみよう。髪は長髪で後ろで結ぶ。あとはそのままでいいだろう。


現実じゃ絶対出来ない格好だな。


「できたぞ。これでいいか?」


『はい。結構です。続いて、ステータスとスキルを決めていただきます。』


サポートAIがそう言うと、俺の目の前に新たなウィンドウが展開した。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

NAME:未設定

Lv:1

HP:100

MP:10

STR:10

VIT:10

DEX:10

INT:10


〈Skills〉

未所持


SP:10

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「このSPってのはなんだ?」


『SPとはStatus pointの略です。そのポイントを消費することでステータスの各パラメータを成長させたり、新たなスキルを得ることが出来ます。』


「スキルというのは?」


『はい。スキルとはMALOの世界に存在するシステムで、一定のレベルまで各技能を補助されたり、現実世界ではありえないような特殊な技能を得たりすることが可能になります。基本的にはこのスキルをより多く取得することでMALO内での活動をより有利に進めることが出来ます。』


「なるほどな...。」


これがMALOでの根幹を成す仕組みだろうな。スキルの取り方で、攻略の方法が全く変わってくるはずだ。


『通常は1つのスキル獲得に5SPが必要となりますが、最初のこの場に限り1つのスキルにつき2SPでこの一覧から獲得することが出来ます。』


初回ボーナスってやつか。ここで5つのスキルをどう選ぶかが非常に重要なのだろう。




............ん?待てよ?

ここで俺はひらめいてしまった。あるじゃん!()()()ポイント!


俺はニンマリと笑うと、高々とAIに言い放った。


「決めたぞ!俺は、スキルを1つしか使わないことにする!!」


『...えっ?』


そのときのサポートAIは、ただの光の球なのに呆けた顔をしているような気がした。


***


『...本当によろしいのですね?今ならまだ間に合いますよ?』


「ああ、これが俺の縛りプレイ(生きる道)だ。」


『はぁ...かしこまりました。それでは、アバター作成をこれで終了いたします。...今後が大変だと思いますが頑張って下さい。』


「ああ、色々と世話になった。」


俺はSPの振り分け後、諸々の禁止事項等を確認してサポートAIと別れた。今後はレベルが1上がるごとにSPを2ポイントもらえるらしい。3レベルアップでスキルが1つ増やせるということだな。

まぁ、俺には全然関係ないけど。


あの後、サポートAIをなんとか説得した俺は、栄光の縛りプレイへとその一歩を踏み出した。つまり、スキル選択だ。


俺は勢いそのままに、更なる縛りプレイを己に課すことにした。


サポートAIに自分の唯一のスキルをランダム決定してもらうことにしたのだ。


もともとプレイヤーは決められた初期スキルから選択してスキルを取得するらしいのだが、俺はその一覧すら見ずにサポートAIに丸投げした。



...半ば諦めた雰囲気が漂う光の球にスキルを選んでもらい、残りのSPはすべてステータスに注ぎ込んだ。


1SPでステータスが2上げられたのだが、レベルアップによってステータスのHP以外に10ポイントがランダムで振られるらしく、SPを直接ステータスに注ぎ込むのはあまりおいしくないらしい。


まぁ、俺には全然関係ないけど。


どのパラメータがどこに役立つかまだ分からないし、バランスよく振っておけばいいか。


結果、俺のステータスはこうなった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

NAME:リョー

Lv:1

HP:100

MP:12

STR:14

VIT:12

DEX:16

INT:12


SP:0

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


なんだか随分と人間臭いサポートAIだったが、とりあえずアバター作成はこれでいいか。あとは明後日のサービス開始を待つのみだな。


***


「リョーちんリョーちんリョーちん!!」


「なんだ騒がしいな。」


「騒がしいわよ二本柳くん。」


「リョーちんもメグミンもひどいな!...っとそんなことより!二人ともアバター作成は終わったか?」


「ああ、一昨日の夜にな。香月さんは?」


「私も昨日の夜に終わらせたわよ。スキル構成は...」


「わぁーー!まったまった!そういうのはゲームの中で話そうぜ!MALOの開始地点の街に噴水があるらしいから、その近くで集合な!」


「お前はそんな情報をいつもどこから仕入れてくるんだ?」


「え、掲示板だけど?リョーちん見てないの?」


そう言われてみれば、普段からあまりネットの掲示板は見ないな。昨日も流し見しただけだったし。MALOを始めたら時々は見るようにするか...。結局ヤナギから色々教えてもらうことになるような気もするけどな。まぁ、思い出したらでいいか。



「あ!そういえば、MALOの中では本名で呼び合うのはマナー違反だからな!アバターの名前だけ教えてくれ!」


「俺はリョーだな。」


「私はメグミよ。」


「じゃあリョーちんとメグミンだな!俺はヤナギだからよろしく!」


「結局いつも通りじゃないか。」


「わ、私は二本柳くんのことをヤナギくんって呼ぶことになるのね。そんな親しげな...まだ心の準備が...」


「どうしたのメグミン?そんなブツブツ言って?」


「な、なんでもないわよ!」



いよいよ今日の17時にサービス開始だ。なんだかんだで俺もワクワクしてきたな。


書き進まない...。

時間が...。

サンタさん...。

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