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常識に縛られない縛りプレイ!  作者: いとう
第2章 初イベントと縛りプレイ
26/49

2-3 はじめてのいらい

いとうです。


筆がのってます。

のってるうちに書けるだけ書きたい...。

ギラギラくんの店(名前忘れた)を後にした俺とミクは、再び表通りを歩いていた。


「あ!あれってもしかして、冒険者ギルド!?」


ミクが指差したのは、最近よく買取で世話になっている建物だった。


「ま、似たようなものだな。MALOでは探索者協会と言うらしいぞ。」


「へー!おにーちゃんも探索者なの?」


「ま、一応そうだな。」


そういえば、探索者のくせに一度も探索してないな。依頼を受けてランクを上げると何かいいことがあるんだろうか。


「ね、おにーちゃん。入ってみてもいい?」


「ああ、もちろんだ。それにこの時間ならちょうどダイナさんがいるはずだ。」


「ダイナさん?」


「俺がいつもお世話になってるおっちゃんだ。見た目は強面だけどいい人だぞ。」


「それは挨拶しなくちゃね!ふふ、楽しみ!」


俺ははしゃぐミクを伴って探索者協会に足を踏み入れた。例によって、この時間は他の探索者が少ないな。


「お!リョー!なんだそのかわい子ちゃんは!」


早速こちらを見つけた探索者の一人が声をかけてくる。


お金を貯めるためにしばらく《堅牢の森》と探索者協会とを行ったり来たりしていた俺は、ここの入り口近くの酒場に入り浸る一部の探索者とすっかり顔見知りになってしまった。このダリアさんもその一人である。


「なんだダリアさん。また昼から酒か?」


「おにーちゃん、知り合い?」


「ああ、この人はダリアさん。昼間から呑んだくれてる探索者の先輩だ。ダリアさん、こっちは俺の妹のミクだ。仲良くしてやってくれ。」


ダリアさんは鍛え上げられた筋肉を持つ、妙齢の女性探索者だ。濃い紫の鎧には細かい傷がいくつも刻まれ、一目で歴戦の戦士だとわかる。


いつも呑んだくれているんだがな。この人、いつ仕事してるんだ。


「おー!リョーに妹がいたのか!美人じゃないか!どうだ二人とも、こっちで一杯!」


「今は街を案内しているところなんだ。すまんが酒はまた後でな。」


俺は何度かダリアさんと酒を酌み交わしたことがあるが、この人は本当にザルである。本気で飲んだら樽ごとエールを飲み尽くすのではないだろうか。



余談だが、MALOでは日本での成人にあたる年齢よりも早く酒を飲むことができる。法律とかないからな。


ゲーム内なので身体に悪影響なく酒が楽しめると一部界隈で話題にもなっているようだ。



ダリアさんにいま絡まれたら案内どこじゃなくなってしまうな。悪い人ではないんだが。


「えー、つれないこというなよぉー。後で絶対こいよーー?まってるからなー?」


俺は苦笑しながら酔っ払うダリアさんのもとを離れた。目指すはカウンターである。今日はダイナさんはっと...お、いたいた。こっちに手を振ってるな。


「すまんな、リョー。ウチのが。」


カウンターに行くと、ダイナさんが苦笑しながら謝ってきた。


驚くなかれ、ダリアさんはダイナさんの奥さんなのである。なんでもダイナさんは元探索者で、その時の先輩探索者がダリアさんだったんだとか。


ダリアさんがダイナさんに一目惚れし、連日の猛アピールの末、気がついたら結婚させられていたそうだ。ま、それを語るダイナさんの方も満更ではなさそうだったが。


「いつものことだから気にしないでくれ。別に嫌ではないしな。」


「そういってもらえると助かるよ。おいダリア!ちょっとは依頼受けたらどうだ!」


「なんだよダイナー。まだ生活には困ってないだろー!」


ダイナさんとダリアさんのやりとりは探索者協会内では有名だ。ダリアさん自身、Cランクのベテラン探索者であり、ダイナさんも元Cランクということで、この夫婦は他の探索者からの信頼が厚いのだ。


「ふふっ、仲良しなんですね。ダイナさん、初めまして!リョーおにーちゃんの妹のミクです!」


ミクが微笑みながらダイナさんに挨拶をする。目を見開くダイナさん。


「おいおいリョー!こんな美人の妹さんがいるなんて聞いてないぞ!」


「言ってないからな。」


「ちぇっ、可愛げのない奴め。ミクちゃん...でいいか?探索者登録はしていくのか?」


ダイナさんは呆れ顔でミクに話を振る。その問いかけにミクは目を輝かせ、


「します!クエストとかあるんですか!?」


ものすごい勢いで食いついていた。昔からこういうゲームの設定大好きだったもんなぁ。


「くえすと...?ってのはよく分からんが、依頼のことか?」


「あ...、そうです!それ、受けます!」


ダイナさんはこっちを見て、苦笑した。


「おい、リョー、ミクちゃんはお前とは似ても似つかないな。まだ探索者になってもいないのに依頼を受けてくれるとよ!お前さんも見習ったらどうだ?」


「うるせー。」


「え、おにーちゃん、依頼受けたことないの?」


バレたか。


「あーー、まあ、そうだな。」


「えー、もったいない!一緒に受けてみようよ!ね?ダメ?」


俺がミクに頼まれて断れるわけがないのである。決してシスコンではないぞ!違うから!


「もちろんいいぞ。ダイナさん、ミクの探索者登録を頼む。今日この世界に来たばかりだから、ランクはGでいい。」


「あいよ。ちょっとまってな!ついでにまた買い取って欲しいものがあったらそこに置いてくれ!」


ダイナさんがそう言って奥に引っ込んだので、俺は言われた通り買い取って欲しい素材をカウンターに並べ始めた。


俺にとってはいつも通りの《堅牢の森》の素材たちであったが、それらを初めて見るミクは目を輝かせた。


「わー!すごい!これは何!?これは!?こっちは!?」


大興奮のミクに苦笑しながら、俺がそれぞれの素材の説明をしてやる。


「それはアーマードラビットっていう、ウサギの魔物の外皮だな。俺がMALOで初めて闘った相手だ。惨敗だったけどな。」


「へー!そーなんだ!」


ミクが目を輝かせている。


「なんだ?リョー、お前アーマードラビットに負けたのか?」


奥からダイナさんが戻ってきた。手にはカードを持っている。


「ほら、これがミクちゃんの探索者証だ!失くすなよ!」


ダイナさんがニカッと笑ってミクに探索者証を手渡した。ミクはそれを嬉しそうに受け取ると、新しいオモチャをもらった子供のようにそれを眺めている。


「ミクちゃんはGランクからのスタートだな。いや、リョーがおかしいだけか。」


「おい、失礼だぞ。」


「ガッハッハ!いやすまん。アーマードラビットに負けるような奴がどうやったらアーマードグリズリーを一人で狩れるようになるのか理解できなくてな!」


「え?グリズリー?ってクマ?おにーちゃん、クマ倒せるの?」


ミクが食いついてきた。確かに3m級のグリズリーを一人で(しかも糸で)倒せるってすごいよな。最初は本当に無我夢中だったから覚えてないけどな。


そんなことを考えているうちに、ミクは次のやりたいことを見つけたようだった。


「よし、おにーちゃん!依頼だよ!ジャイアントキリングだよ!私もクマ倒すよ!」


満面の笑みで、拳を振り上げた。

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ありがとうございます!(先にお礼を言うスタイル)

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