2-2 ギラギラの人
どうも!いとうです!
リアルが安定しつつあるので更新再開します!
期間が空いてすみませんでした!
更新再開に伴って主人公のリョーの性格を少し変えました。
心の中の声が大きいタイプの見た目だけクール主人公に変わってます。今後はこれでいこうと思います。
俺はミクを伴って、街の表通りを歩き出した。ミクは珍しいものがいっぱいなのか、キョロキョロしながらついてくる。そして何故か俺と手を繋いでいる。
ま、案内って言っても俺もよく知らない場所ばかりなんだが。基本的にあの廃ky...パウロさんの店にしか出入りしてないし。
「あ!おにーちゃん!このお店は?」
ミクが指差すその先は...因縁のゴーなんとかとかいう服屋!いや落ち着け俺。今の俺はそれなりの小金持ち。いくらあの店員といえどもそう邪険には扱えないはずだ...!
「あー、そこは...「これはこれは!いらっしゃいませ!」
俺の声を遮ってミクに近づいてきたのは、まさしく俺を以前追い出した店員であった。
以前もそうだったが、ギラッギラの服を着た、中年の男である。こいつはギラギラ君と呼ぶことにしよう。俺は心の中でそう決めた。
ギラギラ君は、以前の俺への対応とは打って変わって、ニコニコ顔でミクに近づいて来る。
「なんとお美しい!貴方にはきっと我が《ゴージャス服飾店》の服こそ相応しい!そんな貧相な服では貴方の美しさは際立たない!ささ!中へどうぞ!」
あー、そうそう。そんな名前だったな。ギラギラ君は俺の方を見向きもせず、ミクの美貌に夢中である。
初心者装備は確かにデザイン性は無いがな。その人が好きで着てたらどうすんだ。
ミクが可愛いのは俺も認めるところであるが、流石にいい気分はしないな。などと思っていると、ギラギラ君がこちらに気がついた。
「おや、これはこれは。お金は溜まりましたかな?貴方のような方ではいくら働いても、うちの服には手が届かないでしょうが。」
惚れ惚れするほどの掌の返しようである。手首がもげるんじゃないのか。
俺がギラギラ君の手首を心配しながら隣のミクを窺うと...あー、やっぱり怒ってるな。
ミクは昔から俺に不利益があると、すぐに怒るんだよな。兄としては嬉しい限りだが、ミクの初めてのMALOでの時間に水を差されるのも嫌だからな。ここは俺がズバッと
「おにーちゃん!行こ!こんなところの服なんて買う価値無いよ!」
悲報。ミクさん、辛辣。
ギラギラ君は固まってしまっている。石化とかの状態異常ってあるのかな?などと現実逃避する俺。
「ミク、ちょっと言い過ぎだぞ?ギラ...店員さんも困ってるじゃないか。」
「だって、このギラギラしてる人、おにーちゃんのこと悪く言ったんだもん!許せない!」
うんうん、やっぱりミクから見ても彼はギラギラしてるようだな。あ、ギラギラ君が石化異常から立ち直ったようだぞ。
「ふ、ふん!お前はコイツの妹だったのか!道理で見る目が無いわけだ!貧乏兄妹なんぞに興味は無い!どっか行っちまえ!商売の邪魔なんだよ!」
立ち直ったギラギラ君は怒りに任せてミクの肩を押そうとしたようだった。俺はため息をついて、それをカッコよく止めようと
「な!おい離せ!」
「おいテメェ...誰に断ってミク様に手出してんだよ...アァ!?」
あー!ミク様親衛隊のヒトだー!
いや、この人...アーガスさんだっけ?どこから湧いたんだ。ぜんぜん見えなかったぞ。
ってか、こんなキャラだったか?もっとこう、騎士然としたカッコいい感じだったような。
「な、なんだお前たち!」
気がつくとギラギラ君はどこからともなく現れた《ミク様親衛隊》の方々に囲まれていた。リーダー格なのであろう、アーガスさんがギラギラ君の手首をギリギリと締めつけながらこちらを振り向く。
「ミク様、お兄様、突然申し訳ございません。本当にたまたま、二人を全員で見守っていましたところ、どうも失礼な輩に絡まれているようでしたので。」
イヤー、ソレハグウゼンダナー。
って、んなわけあるか!全然気がつかなかったわ!
「では、ミク様。我々はこの不埒な輩をシメ...教育してまいりますので、どうぞお兄様とのお出かけをお楽しみください。」
アーガスさんは綺麗な一礼と共に親衛隊メンバーを伴って去っていった。風に閃く金髪がカッコいい。本当にさっきブチギレていた人と同じ人か?
「おい!離せ!私を誰だと思っている!ギラン=ゴージャスだぞ!おい!」
あー、ギラギラ君。ここの店主なのかな?名前もギラギラしてるなぁ(現実逃避)。
何にせよ、これで一件落着かな。一件落着だよね?ね?
俺たちはしばらくその場に固まっていたが、ミクの一言で動き始めた。
「な、なんかごめんね?おにーちゃん。」
「あー。大丈夫だ。俺、ミクの人気を侮ってたよ。」
「いやー、私もびっくりだよ。でもおにーちゃん、あのとき止めてくれようとしてたよね?」
あ、バレてたか。止めようと思ってアーガスさんに先を越されたなんてカッコ悪いから黙ってようと思ったんだがな。
「あぁ...まあな。何か嫌なこととかあったらすぐに言えよ?また今日みたいにカッコ悪い感じになるかもしれんが。」
ミクに呼ばれたら俺はどこにいようと飛んでいくのだ。カッコ悪い兄で申し訳ない限りだが。
「ふふ...。んーん。カッコよかった!ありがと!おにーちゃん!」
ま、今回はこの笑顔が見られたから良しとするか。
...ギラギラ君、無事かな。
なるべく1週間に1話以上は投稿できるようにします!これからも応援よろしくお願いします!
いとうでした!
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