1-21 素材のアレコレ
お久しぶりです!!
エタってないよ!!!!!
久々の更新だよ!!!
「おいおい兄ちゃん、嘘言っちゃいけねぇよ。アーマードグリズリーはランクEの探索者でも数人がかりでやっと倒せるかどうかの強敵だぜ?ここにきて数日の来訪者でどうこうできる相手じゃねぇ。」
本当に1人なんだがな......あぁ、じゃあこれを見せればいいか。
俺はアイテムボックスからさらに3つの堅牢熊の掌をカウンターに置いた。
「あと3つ程あるんだが。着いてきてもらえれば倒すところも見せるぞ?」
「はぁ!?マジか!い、いや大丈夫だ!信じることにするよ。嘘をついてそうにも見えないしな。こんなにサクサクアーマードグリズリーを狩っちまうような奴がまだ探索者登録していなかったのも驚きだが、お前さん、本当に来訪者か?まだここに来て数日だろ?よっぽど強い味方がいるのか...?」
まぁ神々は強い味方と言えなくもないか。
「そうだな。色んな人?に助けてもらっているな。だが残念ながら、アーマードグリズリーを1人で倒したのは本当だ。金がなくて装備すら買えないのもな。」
俺の金はマチルダさんの胃袋に全て吸われてしまった。だから早く金が欲しいのだ。
「これはいくらで売れるんだ?」
「お前さん、これを売るのか?悪いことは言わねぇ。こんな高級食材、料理店とかに売りつけた方がよっぽど高値で売れるぜ。後で紹介してやるよ。それよりもお前さん、探索者ランクはEランクからでいいか?もし本当にアーマードグリズリーを1人で倒せるならDランク相当なんだが...。決まりでな。最初はみんなEランクからしか始められないんだ。すまんな。」
おっちゃんは申し訳なさそうに言ってくる。強面の割にすごくいい人だな(失礼)。
「特にこだわりはないからそれでいいぞ。俺は金が手に入ればいい。」
俺が真顔でそう答えると、職員のおっちゃんは豪快に笑い始めた。
「ハッハッハ!お前さん、面白い奴だな!わかった。じゃあ探索者証を発行してくるからちょっと待っててくれ。」
奥に引っ込んだおっちゃんは、しばらくして戻ってきた。手には小さめのカードのようなものを持っている。
「これがお前さんの探索者証だ。リョー、これから長い付き合いになると思うがよろしくな。そういや名乗り遅れたが、俺の名前はダイナだ。」
おっちゃん改めダイナさんは、そのゴツゴツした右手を俺に差し出し、ニカッと笑った。
「ああ、よろしくな。」
俺もその大きな手を握り返す。
「ところで、クエストっていうのはどこで受けられるんだ?」
「ああ、それならこのカウンターで受けられるぜ。普段は綺麗どころの受付嬢がいるんだがな、何故か俺がここに立つと途端に探索者どもがやってこなくなるんだ!奴ら、選り好みしやがって!」
まあ確かに綺麗な受付嬢と、このちょっと暑苦しい強面のおっちゃんなら前者を選ぶ気持ちはよくわかる。
「俺は人混みが嫌いだからな、今度からダイナさんが受付のときに来るようにする。」
「おお!リョー、お前いい奴だな!俺はいつも暇なときはこの時間帯にいるぞ!今度から特別いい依頼を回してやるよ!」
いや、それは大丈夫なんだろうか。
「ところで、素材の買取りの件だが。」
「あー、そうだったな。売りたいのはこれだけか?」
「いや、あとはこれと...それからこれと...」
俺は余っている素材を片っ端から並べていく。インベントリも無限じゃないんだ。足りなくなったらまた手に入れればいいしな。
「おいおいリョー、どんだけ狩ったんだよ!これ全部1人で狩ったのか?」
「ああ、そうだが?」
「この様子じゃ、やっぱりアーマードグリズリーを1人で狩ったっていうのも、嘘じゃなさそうだな......お前に回すクエストのレベルについてよく考えた方がよさそうだ。」
まだ一つもクエストをこなしていないのだが、勝手に評価が上がっている気がする。
「とりあえず計算してくるから、ちょっとその辺のクエストボードでも見といてくれ!」
そう言って、ダイナさんはカウンターの奥に引っ込んで行ってしまった。
手持ち無沙汰になってしまった俺は、ダイナさんが言っていたクエストボードに目を通し始めた。結構色んな依頼があるな。
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依頼:庭の草むしり
備考:ちょっと最近庭のお手入れをさぼっちゃって...。誰か手伝ってくれないかしら?
報酬:300ブロ
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依頼:アーマードラビットの生け捕り
備考:実験に使いたいんだ!アーマードラビットを3頭生け捕りにしてくれ!なるべく元気な状態でな!
報酬:10シル
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「待たせたな!ん?何か依頼を受けるのか?」
カウンターの奥から戻ってきたダイナさんがこっちに呼び掛けた。
「あーいや、色んな依頼があるもんだな、と思ってな。そういえばここの通貨についてよく知らないんだが、教えてもらえるか?」
「あぁ、いいぞ。基本になるのはブロ、シル、ゴルの3種類だな。10000ブロで1シル、10000シルで1ゴルだ。」
なるほどな。確か最初に配布された費用が1000シルだったか。
「んで、これがさっきの素材の買い取り分の金だ!どの素材にも傷が異常に少なかったからな!色を付けておいたぞ。細かいのも合わせて、全部で1ゴルだ。確認してくれ。」
ダイナさんが渡してきたのは、パンパンに膨らんだ小袋だった。
「ん?こんなにか?」
「量が量だったからな。おかげで《堅牢の森》の素材はだいぶ潤ったぜ!最近、武器屋とか防具屋に素材を卸すことが多かったからな。助かった!」
それならよかった。ゲームといえども、MALOにはしっかり流通があるようだな。
ダイナさんにお礼を言って、探索者協会を後にした俺は、更なる軍資金を求めて《堅牢の森》へと繰り出すのだった。
ちなみに、1ゴルを硬貨一枚ではなく、崩して渡してくれたダイナさんの評価が俺の中で爆上がりしたのは、言うまでもない。
あと1,2か月はバタバタしそうです...。
生暖かい目で見守って下さい...。
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