閑話2過去 魔力操作
本日二話目。
魔力操作。
それは、魔術や魔導の発動に必須なもの。
だから、最初に習う。
と言っても、こちらもそこまでゆっくりしていられるわけではない。
故に、『脳速加速機』を使って練習する。
魔力とは、魂により発生するものだ。
大体回復速度は同じだが、人により個人差もある。
また、意識を集中させることにより回復速度を上昇させる事も可能。
だが、一般人はその方法を知らない。
知っているとしても、使えないのが事実。
俺は、単純に魂が大きいから選ばれただけである。
だが、それがこの世界においてとても重要だ。
「脳速加速機を使い、仮想世界で練習します。準備はよろしいですか?」
「はい」
そう答え、俺の意識は一瞬飛んだ。
***
「では、魔力操作の練習をしましょうか」
そう言って、彼は俺の手を掴んでくる。
ちょっと待て。
「そういえば、あんたの名前を聞いてないな。名前は?」
「私はエリンス=リンクロードと申します」
そう言いながら、こちらのなにかを動かしてくる。
なんだこれ。
なんか、気持ち悪い。
「これが魔力です。この感覚を維持してください」
そう言うと同時に、手を離される。
すると、魔力が散ってしまいそうになり、必死に維持しようとする。
数分後、なんとか落ち着いて練習出来るようになってきた。
「流石、勇者様です。では、今度は術式についての話です」
そうして、今度は講義が始まった。
***
体感で数ヶ月後。
俺は魔術や魔導をある程度使えるようになった。
そして、脳速加速機が停止する。
「こんにちは、勇者様」
エリンスが声をかけてくる。
「ああ、こんにちは」
俺も返す。
魔術と魔導。
その差は至って簡単。
魔術とは、魔力で術式を組み立て発動するもの。
魔導とは、魔力で法則を導くもの。
要は、術式があるかないかだ。
俺は両方使えるが、普通ならどちらか一方で限界らしい。
魔力回復速度も以前に比べて圧倒的に速くなった。
これなら、戦える。
ちなみに、感覚では数ヶ月経っていても、実際には数分だ。