閑話1過去 勇者召喚
俺は樋口 勇気。
高校一年生だ。
学校後、俺は一人で下校していた。
高校は近く、友達も居ない為、通学路では常に一人。
高校に入って何か変わるかと思ったが、何も変わらなかった。
俺に取り柄は一つだけ。
いや、取り柄と言えるかどうかもわからないな。
それは、正義感。
最初はそれで結構人気者だったんだが………。
途中からそれを引かれ始めて、いつのまにか俺は一人になっていた。
「はあ、なんか起きないかな………」
そう、漏らした、その時だった。
俺の足元に光り輝く魔方陣が現れ。
俺を何処かに連れ去った。
***
光が収まった時、俺がいたのは周りがコンクリートで出来た部屋だった。
「ようこそ、勇者様」
いきなりそう言われ、俺は動揺した。
「いきなりなんだ?」
………最も、出た言葉には微塵も動揺が出ていなかったが。
人間、動揺し過ぎると一周回って冷静になるものなのだろうか。
「この世界は魔王によって支配されそうになっているのです。それに対抗する為貴方様をお呼びしたのです」
………そう言われると断れないじゃないか。
どうしようもなく俺は心が突き動かされる。
「………わかった。助けよう」
………結局、深く考えずに受けてしまった。
こういう所が欠点だよな。
「ありがとうございます、勇者様。では、説明させて頂きます。この世界は魔術という物が発展しています。魔術は術式により発動し、世界の法則を超越する手段です。勇者様は伝承によると、この力が一般人に比べて圧倒的な物があるらしいです」
………ほう。
つまりその力を使ってこの世界を救えと。
「勇者様はまだ今は弱いですが、数日もすれば我々より遥かに強い力を身につけるでしょう」
………。
まあ、何もない状態で放り出されるより遥かにマシだな。
「で、どの様にすれば強くなれるんだ?」
それに、
「とりあえず、我々の加速機材で練習すれば、問題ないかと思います」
………。
加速機材ってなんぞ。
「加速機材とは、一時的に仮想フィールドに移動し、体感時間を操作しながら、魔力操作や、魔術の式の創造を学ぶ為の物でございます」
………技術力やべえわ。
気付きましたか?
気付いたことは感想に幾らでも書いてください!
ネタバレはしませんが。
ちなみに、この過去の閑話は時々出して行きます。