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第二章3
Q――ラミアーズは一九四五年に壊滅した筈ではありませんか?
A――壊滅したのはリーダーのアビー・カートライト率いる本隊のみです。統率を失ったとはいえ、一九四三年から菌糸のように張り巡らされたラミアーズの組織が完全に壊滅するにはより多くの時間が必要でした。我が校の諜報機関モサドによりますと、最後の構成員が『除去』されたのは今年の二月となっています。
Q――しかし、どうして倉木マツリはオーイシアを襲撃したのでしょうか?
A――わかりません。ただラミアーズのリーダーだったアビー・カートライトは『腹が立ったから壁を殴るのに、腹が立った以上の理由がいるのか?』と常々口にするような人物だったと聞きます。恐らく真面目に推測するだけ無駄でしょう。




