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学園大戦ヴァルキリーズ  作者: 名無しの東北県人
学園大戦ヴァルキリーズ新小説版 サブラクロニクルズ2
213/285

サブラ対メカサブラ 7

 二つの歯車が死闘を繰り広げているトビシマ・アイランドの上空を一機のフランス製アルエット輸送ヘリが飛行していた。

「ファルケ2‐1よりアドラー1‐1、目標を確認しました」

 狼の横顔を模したロゴが機体に描かれているヘリはサブラとメカサブラが砲火を交える様子をカメラ越しにヴェーザーシュタディオン戦争の深い爪痕がまだ残るタカハタベルクに建つSW社のアルカ営業所へと中継する。

「サブラはあれが自分から作られたマシンだと知って近付いてきたんだろうか」

 長方形でこれといった特徴のないヨーロッパ風の巨大な建物内にある執務室で同社の最高責任者であるエーリヒ・シュヴァンクマイエルはヘリからの映像をモニターに映しながら自分の胸中に浮かんだ素直な疑問を口にする。

「かもしれないね。あの二つは姉妹みたいなものだから」

「姉妹なんかじゃない。文字通りの分身だよ。同じ歯車で――」

 左目を眼帯で覆うボーイッシュな乙女然とした少年は足を組んでソファに腰掛けているノエル・フォルテンマイヤーの見解を否定した。

「一方は機械のような人間」

 エーリヒはまず最初に雨霰と降り注ぐ多目的誘導弾やフィンガーミサイルの中を駆け抜けてメカサブラに銃撃を浴びせるサブラを見る。

「もう一方は人間のような機械」

 そして次に微動だにせず弾丸を弾き返して目から光線を放つメカサブラに視線を移した。

「エリーはどうなると思う?」

 ノエルは眼鏡の奥にある爬虫類じみた縦スリットの赤い瞳でグラス内の氷と飲み物を覗き込みながら、ショートカットの金髪を微震させつつ長い付き合いのある少年に問う。

「勝った方が僕達の敵になるだけだよ」

 エーリヒは即答を百八十センチを超える長身のヴァルキリーに返した。

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