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学園大戦ヴァルキリーズ  作者: 名無しの東北県人
学園大戦ヴァルキリーズ新小説版 DOWN THE RABBIT HOLE 1949
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第一章6

「じゃーねー!」

「また明日!」

 六時間後――部活動を終えて夜道を歩いていたヴァルキリーは突然、前方に停車していた車のライトを浴びて視界を奪われた。すると背後から高速でワンボックスカーが接近、タイヤの軋む音を立てて停車し、中から出てきた男達が一斉に飛びかかった。悲鳴を上げるよりも早く口が塞がれ、彼女は車の中に押し込まれた。

 翌日、彼女は多くのヴァルキリーが寝食を共にする学生寮へと帰ることができた。ただ彼女の首と手足は胴体から切り離され、アタッシュケースに無理矢理押し込まれていたが。

 ヴァルキリー達は仲間の無残な死に悲しみ、怒る暇もなかった。彼女達は仲間の組立キットが到着したことで枕とシーツを濡らした翌日、徹底的に荒らされた自分達の部屋を見て悲鳴を上げた。寮室の家具がひっくり返され、タンスや戸棚の引き出しが床にぶちまけられていたのだ。部屋には内側から鍵がかかり、部屋の主はベッドの上で寝息を立てていたにも関わらず。そして寮の入口にはヘブライ語でこう書かれていた。

「我々はここに来た。我々はいつでもお前達の部屋に入れる。そして、お前達が今見た以上のこともできるのだ」

 まだ実戦経験のない促成培養の新米ヴァルキリー達は恐怖に慄いた。ある者は瞬く間に戦意を失い、ある者は自ら命を絶ち、またある者は精神に異常を来たした。

「みんな殺されちゃうよ……何もできないまま、みんなモサドに殺されちゃうよ……」

 絶対に逃れられない魔の手に怯えるヴァルキリーは級友の胸の中で立ち消える煙のような薄く掠れた声を吐く。

 しかし実際のところ、モサドによる工作活動はまだまだ序の口であった。

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